【お先見!海外ドラマ日記】アリスとランプの精の愛の物語『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ワンダーランド』

アメリカではすでにシーズン3が放映中の『ワンス・アポン・ア・タイム』。日本でもシーズン1が放映中ですが、このドラマのスピンオフの物語『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ワンダーランド』が今秋から始まりました♪

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物語はルイス・キャロルの『不思議の国のアリス』をモチーフにしています。とはいっても、ディズニーの可愛らしいアリスの世界を期待して観ると見事に裏切られてしまうかも!?

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20131220_k02.jpg主人公アリス(ソフィー・ロウ)はワンダーランドでサイラス(ピーター・ガディオット)という魔法のランプの精と恋に落ちますが、 赤の女王(エマ・リグビー)によって二人の仲は引き裂かれ、現実世界でアリスのことを心配する父によって精神病院に入れられてしまいます。

そんな時、ストーリーブルックの住人ウィル(マイケル・ソーチャ)は突然目の前に現れた白ウサギにアリスを救い出すよう頼まれ、病院からアリスを救い出しワンダーランドへ連れて行きます。そこから二人のサイラスを探す冒険が始まりますが、ウィルもまたワンダーランドでハートのジャックだった過去があり、彼をめぐるストーリーも同時進行します。

この物語のテーマは「真実の愛」。いかにも使い古された陳腐な題材に聞こえるかもしれませんが、こんなファンタジーにあふれたドラマだからこそこういう率直なテーマが似合うのかもしれません。また登場人物それぞれがいろいろな愛の葛藤を抱えているところも見所の一つです。物語はワンダーランドの冒険と登場人物それぞれの過去のフラッシュバックが交互に語られ進行して行きますが、回を追うごとに登場人物同士のつながりも明らかになって行き目が離せません。

アリスの生い立ちなどダークな雰囲気で始まった本作、登場するキャラクターもディズニーのそれとは大違い。白ウサギはどこか信用できないし、いも虫はお金に汚く腹黒い。チェシャ猫にいたっては子供が見たら泣き出しそうな見た目です。アリスは始めの方は人生に疲れきって病んでいる女の子といった印象でしたが、物語が進むうちに愛する者のためなら自分より強い敵にも剣を持って戦う勇敢な女性になって行く姿が新鮮で魅力的。泳ぎが苦手でちょっと頼りないけど、いざという時は全力でアリスを助けてくれるウィルとの息もぴったり合っています。

いろいろなおとぎ話が絡まり合って新たなファンタジーが生まれるのが『ワンス・アポン~』シリーズの魅力の一つですが、本作もティム・バートンの映画に出て来そうなワンダーランドの世界と『アラジン』のアラビアンな世界が混ざり合い、物語を一層面白くしています。マシュマロの沼やSFチックな女王の城など、カラフルでイマジネーションあふれる舞台セットも観る方をワクワクさせてくれます♪

20131220_k03.jpg今回アリス役に大抜擢されたソフィー・ロウはオーストラリアの若手女優さん。はかなげだけど芯の強いアリスの役をうまく演じていて、これからの活躍に期待大! その他の俳優、声優も個性的で実力のある役者さん揃い。中でも筆者が個人的に好きなのが赤の女王役のエマ・リグビーですが、ただの悪役ではなくどこか憎めない人間臭さが残っている女王役を好演しており、ある意味アリスより目立っていると言えるかも。

アリスファンはもちろん、アリスのお話を知らない人も、またオリジナルの『ワンス・アポン~』を観たことがなくても十分楽しめる内容になっています。果たしてアリスは「真実の愛」を取り戻すことが出来るのか? 毎週続きが待ちきれない筆者でした。(海外ドラマNAVI)

Photo:『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ワンダーランド』
ピーター・ガディオット
ソフィー・ロウ
(c)ABC Studios
(c)2013 Getty Images