【『SHERLOCK』名シーン15】その4:ジム・モリアーティ編

多くの視聴者が心待ちにしていた『SHERLOCK シャーロック』の最新シーズンが、英米両国でまもなく放送スタートとなる。当サイトですでにご紹介した名シーン紹介、第4弾は、シャーロックの宿敵ジム・モリアーティ(アンドリュー・スコット)の名シーンをご紹介しよう。

【関連記事】『SHERLOCK』スペシャルコメント<2>アンドリュー・スコット&ララ・パルヴァー

■IT部門のジム(シーズン1・第3話「大いなるゲーム」)

記念すべきジムの初登場シーン。もちろん、この時点ではその正体は明らかになっていないが、すでにその個性が発揮されている。それだけでなく、シャーロックのトレードマークとも言える思いやりのなさが際立つあまり、コメディの域にと達してしまった代表的なシーンの1つでもある。モリー(ルイーズ・ブリーリー)のボーイフレンドとして突如現れた"IT部門のジム"を見て、思わず自らの推理力で発見したことを口にしてしまう...。ほかの男性であればひそかな嫉妬が原因ということもありえるが、シャーロックの場合はそれは当てはまらない。さらには、ジムの後ろで言葉を発さずに表情と動きだけで動揺を見せるジョンにも注目したい。

■「人はみんな死ぬもんだ!」シーズン1・第3話「大いなるゲーム」

いよいよジムの正体が明らかになるシーン。原作では長身で痩せ型、でもう少し年配の教授らしい風貌として描かれていることもあり、アンドリューにとってこの有名な悪役を演じることは挑戦だったのではないだろうか。このプールサイドで、ついにシャーロックが正体不明の敵と対面するシーンは、クライマックスに向かうドラマティックさが高まっている。ジョンの登場にシャーロックも視聴者も、衝撃を受けていたところにジムが登場。この後のジムを見ていると、まさに謎に包まれ、不思議な魅力に溢れ、シャーロック並の天才、そして冷酷な狂人でもあるモリアーティの姿が浮かび上がってくる。

■モリアーティ、宝冠を盗む(シーズン2・第3話「ライヘンバッハ・ヒーロー」)

ジムは強烈な個性持つキャラクターということもあり、本作にずっと登場しているような気もするが、実は彼が登場するシーンは限られている。そんなジムがシーズン2の最終話でついに、舞台の中央に立つことになるシーン。いつもは犯罪者たちを背後から操っているジムが、自らの手で罪を犯すのだが、そんな時ですらどこか優雅。このエピソードの中で、ジムはたびたび音楽を聴いているが、このシーンでもクラシックの序曲(ロッシーニのオペラ・セミセリア「泥棒カササギ」)を聞きながら盗みを働く。その後の展開も、ジムの優雅ながらもどこかイカれた雰囲気が満載だ。

『SHERLOCK シャーロック』シーズン3は、英BBC Oneにて2014年1月1日(水)から、米PBSでは1月19日(日)から放送スタート。日本での放送については未定だが、英BBC×角川書店のコラボレーション・ブランド"BBC Mystery"によればシーズン3の日本版DVDは2014年上半期にリリース予定とのこと。(海外ドラマNAVI)

Photo:ジム・モリアーティ役のアンドリュー・スコット
Colin Hutton(c)Hartswood Films 2010 John Rogers©Hartswood Films 2010