注目作!『レイ・ドノヴァン ザ・フィクサー』 リーヴ・シュレイバーにインタビュー【後篇】

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――ドラマの中のセレブのように、実際にもスキャンダルを恐れている有名人はたくさんいるのでしょうか?

リーヴ:そりゃ、世間の人たちに自分の性的嗜好を知られたくない人はたくさんいるだろうね。ちなみに、僕は違うけどね。スキャンダルには縁のない生活を送ってきたし、これからもそうでありたいと思ってるから。

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――レイは仕事と家庭を両立させるために、何かを犠牲にすることがありますが、その部分に俳優として共感することはありますか?

リーヴ:それはあると思う。テレビの仕事をすると、撮影で長期間家を空けることになる。でも、役者としてのある種の自由はなくなったけれど、さっき違うインタビュアーの人にも話した通り、子供がいるからこそ今は価値を感じる部分もあるんだ。だから、強いて言うならあまり舞台の仕事ができないのは犠牲と言えるかもしれない。

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――このドラマの特徴を教えて下さい。

リーヴ:そうだな。さっきも話したけど、このドラマは人間同士や様々な文化の衝突がドラマチックに描かれている。それにレイはハリウッドの法律事務所とつながりがあるから、テレビや新聞で取り上げられる、現代を象徴するようなトラブルが起きるのがこのドラマの特徴なんだ。ハラハラするし、見ていてすごく楽しいと思うよ。

――レイは家族をとても大切にしていますよね。父親以外の人たちを、自分よりも大事にしているような気さえします。でも、フィクサーなのに自分の人生はコントロールできていない。そんなレイは、今後自分の人生を上手く生きていくことができると思いますか? レイとミッキーの関係には希望はあるのでしょうか。もしミッキーが自分の本当の父親だったらどうしますか?

リーヴ:ミッキーが自分の本当の父親だったら?その現実とはドラマの中で毎日向き合ってるからな...。ただ、2人に関係を修復するチャンスがあるかどうかは分からない。シーズン2を見てもらうまでは、詳しく話せないよ。今のところは修復できる感じは全くないけど、2人の間の緊張感がこのドラマの面白さでもあると思う。

――トラブルをたくさん抱えながら、レイは闇の世界と家族の間を行ったり来たりしていますよね。今後、レイは大丈夫なのでしょうか。

リーヴ:これまでも、大丈夫とは言い難い感じだったからな。でもうまく切り抜けてシーズン2まで辿り着いたんだよね。

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――最近ではテレビのトレンドとして、「デクスター」「ブレイキング・バッド」の主人公のようなアンチヒーローがたくさん登場しますよね。なぜ視聴者はダークなストーリーやモラル的に怪しげなキャラクターに魅了されるのだと思いますか?彼らを応援したくなるのはどうしてなんでしょうか。

リーヴ:僕も同じこと考えたことがあるよ。その時に誰かにいい本を勧めてもらったんだよ。でもタイトルは忘れてしまった...。何で思い出せないんだろう。でも、今まで役者として経験を積んできたけど、本当にアンチヒーローばかりだったよ。シェイクスピアを読むとアンチヒーローしか登場しないしね。そのキャラクターの二面性こそがヒューマンドラマの根っこにある魅力だと思うんだ。それに、Showtimeはその辺を一貫して何度も取り上げてる。ネットワークの特性だとも言えると思うんだ。ただ面白いことに、役者をやっているとアンチヒーローじゃないキャラクターにお目にかかることがあまりない。だから人間なんて皆アンチヒーローなんだと思うよ。

リーヴ:自分でもよく「ヒーローって何だ?」って考えるけど、面白いよね。いつも何かに向かって努力をしていて、人のお手本になるような人間がヒーローなんだろうが、役者としてはあまり興味が湧かない。今まで一度も興味を持ったことがないよ。むしろ、生きるのに精いっぱいで、おかしなモラルに苦しんだり、矛盾したキャラクターの方に魅了される。ヘラクレスのようなヒーローより、アンチヒーローに共感してしまうんだ。

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――レイというキャラクターについて、自分の意見を言うようなこともありましたか? もしなかったとしたら、今後はそのようなことが増えていくと思いますか?

20140316_s04.jpgリーヴ:そういうことができる頭脳があったらよかったんだけど。何か知的なことを言おうと思ってはいたけど、今の所まだ何も思い浮かばないんだ。ここまでの道のりが、本当に大変だったっていうのもあるし。これまで主役を演じる機会があまりなかったからね。脇役を演じることでキャリアを積んできたし、それが楽しかったんだ。脇役にはいつでも魅力があるんだよ。それに、仕事量もそこまで多くなかった。シーズン1を撮影してみて、スケジュールが本当にきついんだって分かった。毎日14時間、週5日は仕事して、日が昇る前に起きて、日が沈む前に帰宅できることはほとんどない。それに、常に変化する世界で生きているレイというキャラクターを演じるのには、頭も使うし気持ちの面でもすごくエネルギーがいる。だからそのクリエイティブな問題からは普段は距離を置くようにしていたんだ。一度そういうことを考えすぎてしまうと、演じることの邪魔になると思ったから。
ただ意見はもちろん持っているから、アンと上手く協力してやっていきたいと思ってる。彼女とはすごくいい関係を築けてると思ってるんだ。良い意味で、意見をぶつけ合うことができる。ただ話をするんじゃなく、意見をぶつけ合うには、情熱がなければできない。昔、アンドレ・サボンっていう舞台の演出家に「演劇は血を流すスポーツだ」って言われたことがあるんだ。年を取るにつれ、その考え方が理解できるようになってきた。だから、目の前の事に全てを注ぎ込むつもりでやってる。全力でやらなければ、すぐ演技に現れるからね。全てを出し切ることで、細かい部分まで納得のいく仕事ができる。それに今回は、周りの人に恵まれているから、一緒に仕事をしていくのがすごく楽しみなんだ。

――ボクシングが楽しい、とおっしゃっていたのをどこかで読みました。

リーヴ:ボクシングはすごく良いよ。体を動かすことで発散できるし、トレーニングをすることでエネルギーが湧いてくる。撮影ではすごく気が張りつめているから本当に疲れるんだ。そういう時は、へとへとになるまで体を動かすことが一番だって気付いた。体をゼロにリセットできる。顔を殴られたりすると悔しいけど、それさえも楽しいね。

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――先ほど、将来的にはコメディの仕事もしたいというお話がありましたが、空いた時間に『Goon(原題)』のようなカナダ映画にまた出演することはありますか?それにしても『Goon(原題)』のキャラクターは見事でしたよね。

リーヴ:ありがとう。『Goon(原題)』は友人たちと作った映画なんだ。次も何か計画してるみたいだから、その作品もスケジュールが合って参加できたらいいなと思ってる。

――もうすでに次の仕事の予定が入っているんですか?

リーヴ:いや、ないよ。今は仕事していない時間を楽しみつつ、子供たちとの時間を大事にしてる。ドラマをやっていた1年は本当に嵐のようだったしね。本当によく働いたから、今何もしていないのが気分がいいんだ。4歳と6歳の息子がいるから、目まぐるしい成長が見られるし、家にいるのがすごく楽しい。

――先ほど、ハリウッドで仕事を始めてもう長いということをおっしゃっていましたが、視聴者には見えない、ハリウッドの裏の魅力とは何だと思いますか?

リーヴ:自分にとって魅力的なものが視聴者にとっても魅力的かどうかはわからないからな。それにこの業界で仕事をしていて馴染みがある分、ハリウッドの裏側や有名人への興味はあまりないんだ。でもセレブが大きな文化になった今、残念だけど中傷したり批判したりする人が裏でたくさんいるのも確かだ。それは視聴者にとっても演じる側にとっても健康的な事ではないと思う。でも、人の見ちゃいけない部分をのぞき見するのは、やっぱり魅力的で面白いんだと思う。

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――あえて裏の部分を見せるのを楽しんでいる人もいますよね。

リーヴ:誰だって秘密を知りたいと思うからね。このドラマでもそこが描かれている。

――脚本家やプロデューサー、監督や俳優さんたちの中にはあえて裏側を見せることを楽しんだり、ハリウッドのスキャンダルを批判するような状況をわざと作ったりしている人もいる気がします。

リーヴ:確かにそうかもしれない。この業界で仕事をしているから、知っていることもあるしね。だから、より身近な事を題材にしているのがこのドラマなのかもしれない。全く知らない分野を描くよりは現実的だし、より面白くできるんじゃないかな。

――このドラマには、きどきわどいシーンが多いですが、他のドラマと比べてより過激だと思いますか?ケーブルだからこそ、自由に表現できるのでしょうか。

リーヴ:そうだね。そこはケーブルのメリットだと思うよ。普通では言えないことが言えるし、見せられない物が見せられる。他のドラマと比べてって聞かれると、実はあまりテレビを見ないから分からないと答えるしかない。でも友人に勧められて『ブレイキング・バッド』と「『ザ・ソプラノズ』」は何話か観たけど、特に僕たちのドラマの方がきわどい感じはしなかったな。でもその2つとしか比べられないからはっきりしたことは分からないんだ。

注目作!『レイ・ドノヴァン ザ・フィクサー』 リーヴ・シュレイバーにインタビュー【前篇】

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【放送情報】
『レイ・ドノヴァン ザ・フィクサー』
海外ドラマ専門チャンネル スーパー!ドラマTVにて
【二カ国語版】毎週金曜22:00~23:00、日曜15:00、火曜23:00
【字幕版】毎週金曜24:00~25:00、日曜24:00、火曜10:30

「レイ・ドノヴァン ザ・フィクサー」公式ホームページ