日本でもいよいよ11月からDVDがリリースされる『オリジナルズ』。『ヴァンパイア・ダイアリーズ』のスピンオフで登場した本作だが、アメリカでは本家『ヴァンパイア・ダイアリーズ』を上回るほどの盛り上がりをみせている。クラウスを中心に、ヴァンパイアと魔女、そして人狼がそれぞれの存亡をかけて戦うエンターテイメント大作は、この秋、絶対に見逃せない!
本作の中で主人公ジョセフ・モーガン演じるクラウスとの共演で注目を浴びているマルセル役チャールズ・マイケル・デイビスが本作のシーズン1の撮影について語ったインタビューを公開します!
――『オリジナルズ』は撮影はどこでしているのですか?
アトランタ(ジョージア州)です。
――アトランタでの撮影はどうですか?
悪くないです。これは褒めているんですよ。僕はL.A.に住んでいますが、アトランタには何でもありますからね。実際には、(アトランタから東に約39キロ東にある)コンヤーズという街で撮影しています。そこは実際のニューオリンズよりも道がちょっと広いけど、装飾されてニューオリンズのように見えます。
――最初に脚本をもらったとき、マルセルのどこにひかれましたか?
脚本を読んですぐに、これは自分のために書かれたんじゃないかと思いました。彼は楽しいヤツです。そこに強くひかれました。脚本家たちが、考えて抜いてこの役を楽しいキャラにしているのが感じられ、マルセルがどんなキャラなのか、はっきりと理解しました。
――彼にはユーモアがありますが、邪悪なところもあります。彼は少し邪悪だと言えますか?
いいえ。そうは言いたくありません。誰でも良い意思を持っているのに、その行動が誤解されることもあります。彼は本当に良い意図を持っているのですが、それをやり遂げるために、ウィッチ(魔女)を人前で殺さなければならないと思っています。でも、視聴者はなぜ彼がそういう行動をとったのか理解するでしょう。彼のことを善人だと言う必要はありませんが、彼は心根のいい男だと思います。時々悪いことをしますが...。
――あなたとキャラクターの共通点は何ですか?
ダヴィーナへの愛だと思います。僕は、情熱的な人間です。彼は思慮深く、計画的に物事を進めます。時には、衝動的になることもあります。そんなところが好きですね。脚本を読んだとき、自分ならそうはしない、もっとリスペクトをもつだろうと、同意できないところもありました。
――クラウス(ジョセフ・モーガン)とマルセルは、愛憎関係にあると考えていいですか?
そうですね。それは撮影当初、彼らは対等なのか、それとも街で注目を集めるためや愛情を得るためにただ戦っている兄弟なのか、それ以上のものなのか、明らかにしようとしたことの一つです。そして、クラウスはマルセルに刺激を与える父のような存在であり、マルセルは「僕を見て! 僕にはできるよ!」とクラウスを感心させようとしているのだと、わかってきました。それが、パイロットで描かれたことの一部です。マルセルの心情は、こうです。「見てくれ、あんたがいない間に僕が築いたことを。ある点では、僕があんたよりも優れていることを示すためにやったんだ」。2人は兄弟のように物事を競ったりもします。お互いを傷つけあったり、愛したりするんです。他のキャラクターがクラウスに対してできないような話し方を、マルセルはしていると思います。父子の関係や兄弟関係に、いつでもなりえます。
――このドラマの仕事をする前に、ヴァンパイアに憧れたことはありましたか?
はい。ヴァンパイアものを観て育ちました。『インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア』、エディ・マーフィーの『ヴァンパイア・イン・ブルックリン』も覚えているし、キアヌ・リーヴスとゲイリー・オールドマンが出ていた『ドラキュラ』、『ヴァン・ヘルシングvsスペース ドラキュラ』まで、なんでも観ています。
――役を演じるにあたり、インスパイアされた作品はありますか?
貧乏人が金持ちになる例としてよい物語だと思い、ジェイ・Zの本(自叙伝『Decoded』)を読みました。パイロットでマルセルは不死鳥のように現れますが、ジェイ・Zがどこからきて今どこにいるのかという意味で、すごくよいメタファーだと思います。そして印象に残っているのは、やはり『インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア』で、レスタト(トム・クルーズ)がいかに苦しみ、それを紛らわしていたか、正気を保とうとしていたのが、強く心に刻まれています。パイロットをニューオリンズで撮ったとき、同映画でロケしたのと同じ墓地で僕らも撮影したんですよ。
――ヴァンパイアは本当に存在すると思いますか?
もし彼らが存在するとしたら、隠れるのがすごく巧いですよね。多くの人が彼らを描いて多大な利益を得ているから、きっと彼らはそのことに腹を立てていると思います。「なんで自分たちにはリアリティショーがないんだ?」って(笑)。彼らは、ゾンビがそうであるように、すばらしいメタファーだと思います。
――TVシリーズでも映画でも、どんどんヴァンパイアものが作られています。人々はなぜこんなにヴァンパイアに魅了されるのでしょう?
彼らがパワフルなのは事実です。ティーンエイジャーのころ、人はそんなパワーや能力があったら、永遠に生きられたらと願います。そしてどこかセクシーなところに惹かれるのだと思います。個人的には、コミックブックを読んで育ったので、同じ領域(ファンタジーの世界)にいました。もし突然、誰かに出会って、その人が不死身だと知り、自分をヴァンパイアにしようとしたら、喜んで従うでしょう。そしたら税金や日常の瑣末なことを心配しなくてよくなります。クールなことですよ(笑)。
――ヴァンパイアだったら、税金を払わなくてもいいんですか?
僕はヴァンパイアですが、税金を払っています。たぶん税金を納めるのが好きな愛国心のあるヴァンパイアもいるんです。僕は、税金を納めて学校へのサポートをしています。子供は僕たちの未来だと信じているので。そうして、おそらく彼らの血を吸います(笑)。
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――血の話がでましたが、例えばもし、キッチンで自分の指を切ってしまい、血が流れているのを見たら、どう反応しますか? お母さんに電話しますか?
はい。僕は、しばらく『NIP/TUCK マイアミ整形外科医』が観られませんでした。そして俳優になり、もっとセンシティブになり、血をみると気分が悪くなるようになりました。『グレイズ・アナトミー』で産婦人科医を演じたのですが、出産シーンで、新しいテイクの度に「もっと血が必要!」になり、5,000ドルした(!)本物のように見えるニセの赤ん坊を引き出さなければなりませんでした。
――そのフェイク・ブラッドについて少しきかせていただけますか? 何を使いました?
コーンシロップです。最近、撮影でダニエルが血を吐くシーンがあったんですが、2〜3時間、血を放出し続けなきゃならないんですよ。監督が、「もっと血ある? もっともっと」って(笑)。フェイク・ブラッドは、固まってこびりつくから、イライジャ役のダニエル(・ギリーズ)が僕の首を噛むシーンをやったときに、スタッフはどんどん血を流し込まなきゃならなくて、それが下半身のある部分までしたたってきたから、後でガールフレンドにちゃんと説明しなきゃなりませんでした(笑)。人に噛みつくときシーンでは、そのコーンシロップを口にいれなきゃならないのだけど、楽しいことじゃないですね。できればキレイなままでいたいです。ショーの契約をするときに、こんなことは考えもしませんでした。そう、ショーには血が不可欠な要素です。
――あなたは、『ヴァンパイア・ダイアリーズ』のファンでしたか?
はじめはほんの2~3話観てただけなんです。L.A.に引っ越した頃は、TVをみる余裕もなくて。でも、1話、2話を観て、CWがドラマの中でやろうとしていることは、大胆だと思いました。実際に『ヴァンパイア・ダイアリーズ』はエッジーで、そこにはちゃんと本物のTeeth (威力)がありました。シャレではなく(笑)。
――2つのシリーズの違いはなんでしょう?
最初に『オリジナルズ』の内容を知ったとき、(『ヴァンパイア・ダイアリーズ』に比べ)僕らは「もっとアグレッシブだね」と話しました。キャラたちの過激さや彼らが欲しがっていること臨んでいることからして、ある意味もう少し大人っぽいと思います。それにキャラの年齢層も少し高いです。『ヴァンパイア~』では、ヒロインが高校生から大学生になりますが、僕らのショーでは、もう少し大人のテーマが描かれていると思います。
――スピンオフをスタートするにあたり、一番困難なことは何でしたか?
実際、少しだけ楽でした。明らかに、すでに視聴者は世界中にいるので、従来のドラマのように困難なことはあまりありませんでした。 クオリティーを保つことが課題だと思います。ジョセフ・モーガンが、高水準を保とうとするので、こちらも俳優として現場に行きやすく、よい仕事をしています。初日から、セットで徐々に相手を知るのではなく、すぐに役に入っていきました。もう10年一緒にやっているように、最初のシーンを始めました。
――ジョセフと一緒に仕事するのはどんな感じですか? 彼はドラマの中のようにバッド・ボーイなのですか? それともあれはまったくの演技ですか?
もし誰かに一緒に仕事した人で影響を受けた印象に残っている人は? と聞かれたら、 正直にジョー(ジョセフ)だと言います。認めたくないですが、彼はすごくプロ意識が高く、カリスマ性があります。製作者が彼を主役にした理由がよく分かります。彼は現場に来るとき、とてもよく準備してきます。自分のセリフをガールフレンドやアクティング・コーチと何度も練習するし、ライターたち(脚本家)たちともよく話します。自分の動きやカメラアングル、専門用語まですべてを知っているし、よいアイディア に溢れています。そしてもう一つ上のレベルまで、どうアプローチできるか示してくれます。ジョーはすごいですよ。僕たちはセットでよく笑います。それが彼のすばらしいところです。彼は、物事をあまり深刻にとらえすぎたりしません。仕事に笑いを加えるから、彼はいつもすばらしいんです。
――ジョセフから何かを学んでいると言えますか?
はい。彼は本当にいい仕事をしています。ジョーは彼独自の映画の中にいる、と言われています。どういう意味だか分かりますか? 彼は何かをその場にもたらし、全力をかけます。 彼と一緒のシーンにいると、何かがこすれる感じがして、そこにはリアルな鋭さがあります。綱渡りをする軽業師のような感じです。ジョーは明らかに、自分のキャラクターに惹きつけられています。現場に入ると、(落ちたら死んでしまうような)綱の上を歩いているようです。一人のアーティストとして、喜んで自分を出し、自由であり、弱いところも見せなくてはなりません。ジョーは、僕から多くの感情を引き出してくれます。
『オリジナルズ』シーズン1は、ワーナー・ブラザース・ホームエンターテイメント より11月12日(水) Vol.1~Vol.6 DVDレンタル/オンデマンド配信開始、11月26日(水)DVDコンプリート・ボックス(¥14,300+税/11枚組全22話収録)発売開始。
Photo:『オリジナルズ』シーズン1 DVDコンプリート・ボックス
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