映画『アメリ』『ミックマック』のジャン=ピエール・ジュネ監督が手がける笑いと涙と驚きが飛び出す、感動の物語『天才スピヴェット』。本作に、実はロビン・ウィリアムズが出演する予定だったことが明かされた。
10歳の天才科学者スピヴェット。彼のもとにスミソニアン学術協会から、最も優れた発明に贈られるベアード賞受賞の知らせが届く。授章式でスピーチをするため、家を出てアメリカ大陸を横断するという、ちいさな10歳の科学者の"壮大なスケールの家出"模様を描いたストーリー。ジュネ監督自身初となる3Dに挑戦しており、独自の世界観を極めたプロダクション・デザイン、徹底的に作りこんだ映像で観る者をまさに夢の旅へ連れ出してくれるような感動作品に仕上がっている。昆虫の研究に人生を捧げる風変りなスピヴェットの母親役にはティム・バートン監督作品などでおなじみのヘレナ・ボナム=カーターが昆虫博士の母を演じている。
そのほかにも、ジュネ映画らしい一筋縄ではいかないキャラクターがたくさん登場。その中でも虚栄心と野心の塊をもつ博物館の次長シブセンはなかなかクセのある人物で、今回そのシブセンを演じたのは、映画『ローマでアモーレ』でウディ・アレンに振り回される妻役などを演じたオーストラリアのベテラン女優ジュディ・デイヴィスだ。
しかし、このシブセン役は当初、ロビン・ウィリアムズが演じる予定だったことをジュネ監督自身が明かしている。ロビン・ウィリアムズといえば、今年8月に急逝し、その名優の死に全世界が悲しみに包まれた。
ロビンは撮影数日前に、突然出演することに「ノー」を突きつけてきたのだという。その為、監督はじめ関係者はあえなく断念したとのこと。その当時のロビンの状態についての詳細は不明だ。出演していれば本作がウィリアムズの遺作のひとつになっていたかもしれない。
そんな難航したブッキングの末、なんと撮影の2日前にデイヴィスが決定したのである。デイヴィスもさすがベテラン、見事にスピヴェットを利用しようとする鼻持ちならない女を、確かな演技力でコミカルに、そして見事に演じきっている。ロビンが一度は演じようと思っていたキャラクター、博物館の次長シブセンにも注目して観てみたい。
『アメリ』のジュネ監督がおくる感動作『天才スピヴェット』は11月15日(土)より、シネスイッチ銀座、ヒューマントラストシネマ渋谷ほかで全国ロードショー(海外ドラマNAVI)
Photo:ロビン・ウィリアムズ、映画『天才スピヴェット』
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