『オリジナルズ』のヴァンパイアたちは"若い・美形・セクシー"だけじゃない! 現代版ヴァンパイアの要素とは

現在絶賛発売・レンタル中の『オリジナルズ』。本作は大人気シリーズ『ヴァンパイア・ダイアリーズ』のスピンオフ作品としてリリースされたが、主役のクラウス(ジョセフ・モーガン)をはじめとしたイケメンキャストが勢揃いしていることもあり、はやくも本家を上回るほどの人気を獲得してきている。

ヴァンパイア作品はなぜ世代を超えて愛されるのか・・・。現代版ヴァンパイアを作る4つの要素について、作品を比較しながらみていこう。

●1「ファッション」
『吸血鬼ノスフェラトゥ』(1922)は、初期のヴァンパイア映画として知られるドイツのサイレントムービー。《ノスフェラトゥ》は東欧の古語で「不死者」を意味し、ハゲ頭で顔色は悪く、大きな耳と落ち窪んだ目にげっ歯類みたいな口元・・・と、その姿はかなり不気味だった。一方、《吸血鬼》と聞いて多くの人が抱く典型的イメージは「オールバックのポマード頭に夜会服と黒マントの紳士」だろう。しかし、現代のヴァンパイアはそんな「いかにも」な格好はしない。吸血鬼っぽくなくオシャレ。レザーでワイルドさを強調したり、スーツでオトナの雰囲気を演出したり。キャラクターや場面によって変化を付けつつ、ダークな色味でコーディネート。『オリジナルズ』のヴァンパイアも、ZARAやOld Navy のようなカジュアルブランドからBCBGMAXAZRIAやHugo Boss といった高級&正統派ブランドまで幅広く着こなし、本国では、彼らの衣裳が放送直後からネットで話題になるなどファッションアイコンとしても注目を集めている。

●2「弱点」
ヴァンパイアが嫌う物の定番といえば、臭い"ニンニク"。だが『オリジナルズ』『ヴァンパイア・ダイアリーズ』の世界で彼らが苦手とするのは、可憐な花を咲かせる"バーベナ"。ハーブやアロマオイルにも使われる植物で、これを摂取すると力が弱まるという。そして、眠るときは古びた棺桶・・・じゃなくてセンスの良いリネンで整えたベッドを使用。暮らしぶりにも隙がなく、定職に就いているワケでもないのに比較的立派な屋敷に住み、経済的にも余裕がありそう。ヴァンパイアは弱点まで美しく、私生活もスマートなのだ。

●3「ヨーロッパ系俳優」
ヴァンパイアを"本能のままに血を求める化け物"ではなく、"知的でミステリアスな存在"として描くのも近年の傾向。何世紀も生きてきたから経験も知識も豊富、読書好きで歴史や文学・芸術に詳しく、外国語にも堪能。そうしたイメージ固めに大きく貢献しているのが、ドラマを彩るヨーロッパ系俳優たち。ヴァンパイア役にはアメリカ人以外の俳優を充てることが少なくない。クラウスを演じるジョセフ・モーガンはイギリス出身俳優。『トゥルーブラッド』のスティーヴン・モイヤー(英)やアレクサンダー・スカルスガルド(スウェーデン)らの彼らのエレガントな佇まい、やけに古風なセリフ回しと西欧(特にイギリス)なまりの英語は、知性と気品をアピールするのにもぴったり。

●4「ツンデレ」
男を食い物にする「妖婦」「魔性の女」を、vampire を略して《vamp》というが、『オリジナルズ』をはじめ人気シリーズのヴァンパイアは男女問わず相手を惑わす力がある。気のないそぶりでつらく当たったかと思えば、誰より早く駆けつけてピンチを救ってみたり、奔放そうに見えて意外と一途だったり。まさにツンデレを絵に描いたような性格。冷酷で
凶暴な面と、時折見せる紳士的で優しい部分とのギャップが視聴者を惹きつける。美男美女な上にファッショナブルでスマート。洗練された知性派だが、蠱惑的なまでの魅力を持つ者。この4つのキーワードが現代の典型的ヴァンパイア像といえそうだ。

『オリジナルズ』シーズン1は現在好評発売中。(海外ドラマNAVI)


Photo:『オリジナルズ』
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