LAスクリーニング2015:ABC 作品紹介

■『QUANTICO』
タイトルのクアンティコとはバージニア州に在る、若きエリートFBIの寄宿舎学校の場所の名前である。そこでアメリカ合衆国を守衛するFBIエージェントを養成するのだ。FBI候補生になるだけでも、相当なエリートでないとなれない。この年の候補生たちも例年通り、個性の強い面々であった。元会計士のゲイ、コネで候補生まで上り詰めたイケメン、ターバンを巻いたイスラム、実はFBI捜査官などなど。その中でも異彩を放つ主役のアレックス(プリヤンカー・チョープラ)。彼女を中心に描かれる興味深いFBIの訓練の様子。さらに彼らは9/11同時テロ以降、NYで起こった最悪の地下鉄テロの容疑者でもある。いつこのテロが企画され、実行に移されたのか。緊迫感を持って進むアクション・サスペンス。(TAKO社長)

製作スタジオ:ABC
放送局&放送開始日:ABC 9/27/2015
製作総指揮:ジョシュア・サフラン
出演者:プリヤンカー・チョープラ、アーンジャニュー・エリス、ジェイク・マクラフリン他

■『THE CATCH』
イギリスの作家ケイト・アトキンソンのミステリー小説を基に、『グレイズ・アナトミー』『スキャンダル』のヒットメーカーであるションダ・ライムズが製作総指揮を手がける新作サスペンス。『THE KILLING ~闇に眠る美少女』でサラ・リンデンを演じたミレイユ・イーノス主演ということで、このタッグは非常に楽しみだ。
今回ミレイユが演じるアリス・マーティンは、横領やマネーロンダリングなど、金にまつわる犯罪被害の調査を請け負う訴訟会計のスペシャリスト。仕事の腕はピカイチで、部下たちも優秀。詐欺師顔負けの演技力とリサーチ力で、真実を暴いていく。一方、プライベートでは、キーランという画廊を経営している若くて男前な彼氏がいる。キーランの存在は、仕事で忙しいアリスにとって、唯一の安らぎを感じられる存在だ。そんな彼ともマイホームを買うことが決まり、アリスの人生は順風満帆で、"成功しているキャリアウーマン"の象徴のように見えた。
だが、ある日、彼女を不幸のどん底に突き落とす出来事が。キーランが突然ミレイユの前から姿を消す。はじめは純粋に彼の身を案じ、「事件・事故に巻き込まれていたらどうしよう...」と不安な気持ちで夜を明かすミレイユだったが、翌日、一緒に住むはずだった家の資金、ミレイユの財産のほとんどが口座から消えていた...。その瞬間、ミレイユは自分の身に何が起こったのかようやく悟る。そう、キーランはプロの結婚詐欺師で、それにまんまと自分は騙されていたのだった。
金関係の犯罪者の嘘を暴くことを生業とする彼女自身が詐欺被害にあってしまったことを公にすることも出来ず、アリスは自分でキーランを探すことを決意する。どうやらアリス自身の過去にも何か秘密がありそうだ...。(編集部S)

製作スタジオ:ABC
放送局&放送開始日:ABC 未定
製作総指揮:ションダ・ライムズ
出演者:ミレイユ・イーノス(『THE KILLING ~闇に眠る美少女』)、アリミ・バラード(『NUMBERS 天才数学者の事件ファイル』)他

■『WICKED CITY』
『ゴシップガール』のチャック・バス役で人気を博したエド・ウェストウィックが、本作では殺人鬼を演じる。今も昔もハリウッドの流行発信地はサンセット通り。アメリカが最も輝いていた時代、1984年のサンセット通りで猟奇的な連続殺人が発生するのだが、この作品は最初のエピソードから、その犯人の正体ケント・キャロウェイ(エド・ウェストウィック)と手口を明らかにする。犯行を軸に翻弄されていく二人の刑事、その家族、同僚、犯人の周りに住む普通の人々、そして被害者達の人間を丁寧に描いていくサイコ・サスペンスドラマ。(TAKO社長)

製作スタジオ:ABC
放送局&放送開始日:ABC 10/27/2015
製作総指揮:スティーヴン・ベーグルマン
出演者:ジェレミー・シスト(『ロー&オーダー』)、エド・ウェストウィック(『ゴシップガール』)他

■『CODE BLACK』
ER(緊急救命室)の様子が描かれる医療ドラマ。同名ドキュメンタリーの製作スタッフによってドラマ化された作品。実際の医師がクリエイターとして加わっていることもあり、伝わって来る臨場感はこれまでの緊急救命室ものの中でもトップクラスではないだろうか。
タイトルになっている「CODE BLACK」とは、病院側が受け入れられる範囲を超える患者が殺到した状態のことを表すもので、アメリカの平均的な都市部のERで年5回程発生するところ、この物語の舞台となるLA群立病院では年間300回に上るという...。緊急救命の必要な患者がいるのにも関わらず、医師が足りない状態...。それを乗り越えながら患者の命と向き合う医師たちの姿を描く。
このERチームを率いる女性リーダーを、ベテランの演技派女優、マーシャ・ゲイ・ハーデンが演じており、瞬時の判断が求められる過酷な環境で、冷静かつ思い切った大胆な手法で患者の命を救っていく女性リーダー役が非常に好感度大!
ベテラン医師から新人まで、それぞれの医師たちによる見解の相違、でもそれをお互いに理解しつつ、時にぶつかり、時に尊重し合いながら、日々この過酷な状況を一緒に戦い抜けて行く彼らの姿勢から、たくさんのことを学び取ることが出来るだろう。(編集部S)

製作スタジオ:ABC
放送局&放送開始日:CBS 未定
製作総指揮:マイケル・サイツマン
出演者:マーシャ・ゲイ・ハーデン(『ダメージ』)、メラニー・カノカダ他

■『OIL』
『ゴシップガール』のネイト・アーチボルト役で大ブレイクしたチェイス・クロフォード、そして『マイアミバイス』『刑事ナッシュ・ブリッジス』などで知られるドン・ジョンソン主演の人間ドラマ。チェイスがちょっと頼りないけどでもやる気と度胸はピカイチの青年をナチュラルに演じており、ドンが年季の入った渋さとカッコよさを武器に、初老の実業家を演じている。
野心と希望を胸に、生まれ故郷から石油ブームに沸く田舎町へとやって来たビリー(チェイス・クロフォード)。可愛い妻と一緒に油田開発中の街でランドリーを開こうと、家族や友人たちからカンパしてもらい、洗濯機・乾燥機をトラックに乗せ目的地へと向かっていたところ、なんと運悪く車が転倒してしまう事故をおこし、仕事を始める前から全てを失ってしまう...。
町の有力者ハップ(ドン・ジョンソン)が保有する油田で日雇い作業員となったビリーだが、ハップの息子であるウィックに絡まれ、ここでもトラブルに見舞われることに。しかし、ハップが新たな石油発掘のため土地買収を進めていたことを知り、ビリーは土地確保のための資金集めに奔走する。オイルマネーを求めた人々が密集するこの田舎町で、若い夫婦は果たして成功を掴み、のしあがっていくことができるのか?(編集部S)

製作スタジオ:ABC
放送局&放送開始日:ABC 未定
製作総指揮:ドン・ジョンソン、トニー・クランツ、ジョシュ・ペイト
出演者:ドン・ジョンソン(『マイアバイス』)、チェイス・クロフォード(『ゴシップガール』)

■『THE FAMILY』
傍目には理想的な家族に映るウォーレン・ファミリー。しかし彼らは深い傷を負っていることを周囲の皆は知っていた。次男がまだ幼い時に誘拐され殺害されたのだ。そしてその悲しみを、残りの家族が一致団結して乗り越えたからこそ、理想的な家族なのだ。最も期待されている女流政治家である母親のクラリー(ジョアン・アレン)、成功した文筆家である夫、母親の秘書として公私で支える長女、そして長男の4人家族。しかし実際は家族の気持ちは離れていた。母親がより野心を燃やしていた時に、殺害された筈の次男が家族の元に戻ってくる。(TAKO社長)

製作スタジオ:ABC
放送局&放送開始日:ABC 未定
製作総指揮:ジェナ・バンズ
出演者:ジョアン・アレン、アリソン・ピル、リアム・ジェームズ他

※タイトル、クレジットはLAS2015開催時のものです。実際の放送時には異なる場合があります。