9月2日ブルーレイ&DVDリリースの『バードマン』、緊迫した撮影現場は「命綱なしの綱渡りのよう」

第87回アカデミー賞で作品賞ほか4部門(監督賞・脚本賞・撮影賞)の最多受賞を果たした話題作『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』。9月2日(水)にブルーレイ&DVDがリリースされる本作だが、そのブルーレイには驚きの撮影現場に関する特典映像も収録されている。

この作品は全編ワンカットという驚異的な撮影、編集技術が駆使されており、一体どのようにして撮影されたのかと疑問に思う人も多いはず。今回解禁された特典映像には、気になる撮影秘話が収められている。その撮影方法とは、長尺のワンカットを何本か撮った後、編集によってまるで切れ目が一度も無いような作品に仕上げるというもの。この奇跡のような撮影の裏側には、映画に関わった全キャスト、スタッフの壮絶な試練が隠されていたことを関係者たちも認めている。

アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ監督は「観客には(主役である)リーガンの視点を通して映画を体験してもらいたい。彼が感じるものを観客に感じてほしかった」と、ワンカットにした意図を説明。撮影方法はすべて綿密に計算されており、キャストの立つ位置や動き方、廊下をどれだけ歩いて止まるか、いつ階段を下りるかといったことまで詳細にチェックされ、またカメラの動きも入念なリハーサルを通して完璧を期していったという。主役のリーガンを演じたマイケル・キートンは「一つのミスも許されなかった。すべてが台無しになるからね。私たち俳優はずっと緊張しっぱなしだよ」と、長回しゆえの緊迫感があったことを口にする。その重圧に苦しんだのはマイケルだけではなかったようで、レズリー役のナオミ・ワッツも「長回しに長い台詞、俳優もたくさんいるから、絶対に失敗できない。俳優だけでなくスタッフもたくさん関わっている。みんなの努力を無駄にできない。台詞を間違えた時は死にたくなる」と、気苦労の多かった撮影を振り返っている。マイク役のエドワード・ノートンはそんな撮影現場を「命綱なしの綱渡りのようだ」と表現。しかも自身の出番が終わったからといって気を抜くことはできなかったようで、ローラ役のアンドレア・ライズボローは「それぞれ出番を待ち、扉や壁の影から現れるの。そして出番を終えたら邪魔にならないように消える。場所を間違えるとカメラに映っちゃう」と語っている。NGテイクを出した時のことを話してくれたサム役のエマ・ストーンは「目がけいれんしたこともあるの。マイケルとエドワードが一緒にいる場面で、そこへ私が入ってきてエドワードを案内して歩くだけだった。でも、"歩くのが早すぎてダメ"だって! 25テイク目くらいで目がけいれんしたわ」と、編集できないがために完璧を求められていたことを明かしている。

ハリウッドの第一線で活躍するスタッフとキャストが過去最高の難易度と認め、苦しみながら精魂込めて作り上げ、アカデミー賞授賞式でも話題をさらった『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』は、9月2日(水)、ブルーレイ&DVDリリース。(海外ドラマNAVI)

Photo:『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』
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