『プラダを着た悪魔』のアン・ハサウェイがニューヨークのファッションサイトの社長に扮する映画『マイ・インターン』が、10月10日(土)に公開される。彼女の会社に"シニア"インターンとしてやってくるベンを演じるのは、名優ロバート・デ・ニーロ。こわもて役が多い彼の今までのイメージからは想像もできないほど、本作では古風で優しい演技を見せている。今回、そんなデ・ニーロが元ボクサーを演じた前作『リベンジ・マッチ』(2013年)と、スーツ姿で優しい笑顔を見せる本作との比較画像が解禁となった。
『リベンジ・マッチ』では、お調子者でスケベな全盛期を過ぎた元ボクサーを演じ、シルベスター・スタローンとの本気の殴り合いのシーンでは狂気をも感じさせる迫力を見せつけたデ・ニーロ。これまで『ゴッドファーザー PARTⅡ』や『タクシードライバー』『アンタッチャブル』など数多くの犯罪映画に出演しているため、とんでもなく恐ろしい人というイメージがある。しかし、本作では怖い印象など微塵も感じさせない。40歳年下の上司であるジュールズ(アン・ハサウェイ)の一歩後ろに下がり、彼女が悩んでいれば優しい言葉でアドバイスし、成長を陰からいつも見守っている。映画の中で何人も殺してきたこれまでとは正反対の役を演じているのだ。
本作でメガホンを取ったナンシー・マイヤーズ監督は、デ・ニーロの"変身"について「みんな、彼をタフガイだと思っているでしょう。『ミート・ザ・ペアレンツ』や『アナライズ・ミー』といったコメディ映画の中でさえ、ちょっと怖い役だものね。今まで作り上げてきたマフィア的な要素を、役の中にも生かしているからだと思うわ。でも、この映画の中での彼はそんな要素を一切感じさせないの。終始ニコニコしているから、彼の俳優人生50年分の笑顔の数を全部足したとしても、この映画の笑顔の数には及ばないわね(笑)」と話している。
デ・ニーロ自身は、本作で演じたベンにとても共感できたそう。「ベンとは似ている部分もあったから、自分の中にあるものを引き出して演じられてとても共感できた。ベンは相当古風な男なんだ。僕も、新聞は紙で読みたいし、いくらテクノロジーが進化したって、メールじゃなくて顔を合わせて直接話をしたいと思う。僕と同世代の人はみんな共感してくれるんじゃないかな」と打ち明けている。ただし、「ベンはとても愛すべきキャラクターで、そういう人物は演じていても楽しかった。でも、もし続編をやるなら誰かをやっつける役がいいね(笑)」とも語っており、本作で見せる優しい笑顔にあふれた演技はとても貴重なものになりそうだ。
優しいデ・ニーロが見られる唯一の機会かもしれない映画『マイ・インターン』は、10月10日(土)より新宿ピカデリー、丸の内ピカデリーほか全国ロードショー。(海外ドラマNAVI)
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『マイ・インターン』のロバート・デ・ニーロ
『リベンジ・マッチ』のロバート・デ・ニーロ(右はシルベスター・スタローン)
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