「これは科学へのラブレター」。NASA全面協力のSF大作『オデッセイ』イベント開催!

『エイリアン』や『プロメテウス』などでSF映画に大きな影響を与えてきたアカデミー賞監督リドリー・スコットが、マット・デイモンを主演に迎えて描く超大作『オデッセイ』。日本で2016年2月5日(金)より公開となる本作は、一足早く10月2日(金)に封切られた全米では初日3日間の興行収入が5430万8575ドルに達し、秋興行記録の『ゼロ・グラビティ』に迫る勢いで第1位ヒットを切った。その話題作が、米航空宇宙局(NASA)施設で実施したイベントの模様が到着した。

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NASAが、脚本から主撮影までのプロジェクト全般でコンサルタントやアドバイザーを務めた本作。10月4日~10日の「世界宇宙週間」(1957年10月4日に世界初の人工衛星スプートニク1号が打ち上げられ、1967年10月10日には「月その他の天体を含む宇宙空間の探査及び利用における国家活動を律する原則に関する条約」が発効されたことから、国際連合によって定められた)期間中にNASAで行われたイベントには、主演のマット、スコット監督のほか、原作者のアンディ・ウィアー、NASAのサイエンスディレクターであるジム・グリーン博士、宇宙飛行士のドリュー・フォイステルが参加した。

火星での有人探査の最中、宇宙飛行士のマーク・ワトニー(マット・デイモン)は猛烈な嵐に巻き込まれてしまう。彼が死亡したと考えた残りの乗組員は火星を去るが、ワトニーは生き延びていた。厳しい環境の惑星でたった一人取り残された彼は、空気も水も通信手段も無く、食料も残りわずかという極限状況で、知恵と精神力、創意工夫の才能を発揮して、4年後のNASAの救出まで生き延びようとする。ワトニーのいる火星から2億2530万キロ離れた地球では、NASAと各国から集められた科学者が彼を生還させるべく努力を続け、一方でワトニーのチーム乗組員は協力し、不可能とも言える大胆な救出ミッションを計画する...というストーリーだ。

イベントでは、まずスコット監督が本作の魅力について「最大の魅力になっているのは、迫力あるリアルな状況」とコメント。続いてマットが「僕を含む多くの人が、アンディが書いた本の主人公に対して良い反応をしたと思う。彼が持つユーモアと、非常に緊迫した状況にも対処でき、しかも落ち着いていられるところに惹かれる。このキャラクターはユーモアを失わずに、しかも論理的に、実際的に、一度に一つの問題を解決するやり方で対処した。宇宙飛行士たちが実際にやっていることは驚きだ。今、本物の宇宙飛行士の隣に座っているから(笑)」と語ると、宇宙飛行士のフォイステルが「非常にスケールの大きな映画で、原作を見事に息づかせている。この本が素晴らしいのは、とても今日的な話題を取り上げていて、我々宇宙飛行士にとってリアルな内容を扱っていることだ。宇宙飛行士は誰でも、宇宙の探検とか実際に火星へ行き、さらに先を目指したいと思っているからね。原作も映画も実に生き生きと描写していて、宇宙飛行士をかっこよく見せてくれたことにお礼を言いたい」と、ジョークを交えながら称賛した。

フィクションながらリアルな内容だというフォイステルの意見には、グリーン博士も賛成のようだ。博士は「我々の文化にとってSFは非常に大切だ。我々がやることの要因になっているからね。こういう作品は未来のビジョンを反映しているから我々も刺激を受ける。これはすぐ間近の話だ」と口にしている。

そしてマットは、「脚本を書いたドリュー・ゴダードと話をした時、最初に彼が言ったのは『これは科学へのラブレターにしたいと思っている』だった。だから、今の世界に見せるものとしてどれほど素晴らしいものかを僕たちはいろいろと話し合った。この映画を見た子どもが科学に興味を抱いて、人生の中で考えてもらう後押しになればいいね」と本作に込められたメッセージを明かした。

また、スコット監督が自らグリーン博士に連絡を取っていたというエピソードも披露された。博士は「カフェテリアから戻ってくると、職員が走り回って私を探していた。『午後2時にリドリーからの電話を受けてもらえますか?』と言われたので、『あのリドリー・スコットかね?』と聞いたら、『そうです』と返ってきたから、私は『もちろん!』と答えて、予定を全部キャンセルした。それぐらい簡単だったってことだよ」と、当時を振り返っている。

先月NASAが"水がある"と発表したことでも注目を集めている火星を舞台に繰り広げられる、一人の男の不屈の挑戦を描いた『オデッセイ』は、日本では2016年2月5日(金)よりTOHOシネマズ スカラ座ほか全国ロードショー。(海外ドラマNAVI)

Photo:『オデッセイ』
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