英ITV製作の大人気ドラマ『ダウントン・アビー』。現在、本国では最終章となるシーズン6が放送中だが、同シリーズの熱狂ファンの間では、物語の行方以上に気になって仕方ないことがあるという。それは番組終了後、キャストが身につけた豪華な衣装は一体どうなるのかということだ。
そんなファンの疑問に、同番組のコスチューム・デザイナーを務めるアナ・ロビンズが答えた。英Radio Timesによると、ロビンズは英チェルトナムで開かれた文学フェアにて、番組で使用した衣装について次のようにコメント。「衣装は完璧な目録を作成した後、必要な修繕を施し、すべて非常に良好な状態で保存しています。それぞれラベル付きの衣装バッグに入れて、現在はイーリングの倉庫に保管してあります」
衣装の処遇について、まだはっきりしたことは確定していないようだ。だが、ロビンズは将来、ファンが番組で使われた衣装を間近で見られるような場を設けたいという。「いつか衣装を展覧会で披露したいと考えながら、ずっとデザインをしてきました。みなさんにもう一度衣装をちゃんと見ていただきたいのです」とロビンズ。「衣装がカメラに映るのはほんの一瞬ですが、もっと近寄ってじっくり見てもらいたい。それを常に念頭に置いてデザインしてきたので、作業は本当に大変になってしまいましたが、結果的にはとてもやりがいのある作品となりました」と、これまでの6年間を振り返った。
実は、同シリーズの衣装展は過去にも開かれている。2013年8月から1ヵ月間、番組ロケ地のバンプトンにて小規模だが展示会が行われた。放送終了後、番組を懐かしむファンのために改めて衣装展覧会が開かれることは大いに考えられる。
また、時代モノのドラマや歴史映画では衣装やジュエリーを使い回すことは珍しくなく、作品を超えて衣装の再利用が盛んに行われている。実際に、シーズン1でメアリー(ミシェル・ドッカリー)が着用した美しい黒レースのドレスは、製作総指揮のジュリアン・フェロウズが手掛けた2012年のミニシリーズ『Titanic(原題)』でジェラルディン・サマヴィル扮するマントン伯爵夫人が着ており、またメアリーの別のドレスは『セルフリッジ 英国百貨店』でローズ(フランセス・オコナー)が身にまとっている。今後も『ダウントン・アビー』の豪華衣装がこうしたリサイクルに活用されることは間違いないだろう。
『ダウントン・アビー』がもうすぐ終了するのは残念だが、今後はその衣装を他の作品に見つけるという隠れた楽しみ方も生まれそうだ。(海外ドラマNAVI)
Photo:『ダウントン・アビー』
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