『ウォーキング・デッド』とスピンオフ版『Fear the Walking Dead』がクロスオーバーしない理由

全米大ヒットドラマ『ウォーキング・デッド』のスピンオフ・シリーズ、『Fear the Walking Dead(原題)』。同シリーズは米AMCにて好評のうちにシーズン1全6話を終了したが、ファンが待望する本家シリーズとのクロスオーバーは、どうやら実現しない見通しだ。

英Digital Spyによると、スピンオフ版の製作総指揮ゲイル・アン・ハードは、オリジナルとクロスオーバーさせるには両作品の舞台となっている地域が地理的に遠すぎる、と考えているようだ。「『ウォーキング・デッド』の生存者たちは6シーズンかけても、それほど遠くない首都ワシントンにすら行き着きません。なのに、スピンオフのキャラクターたちはアメリカを横断してしまうのですか? それも何のために? 彼らは何を求めて横断するのでしょう? キャラクターたちがワシントンや南東部に向かう動機を一体どう設定したらいいのですか?」とハード。「スピンオフのキャラクターたちの人物像や、番組スタート時に彼らが住んでいた場所を考えると、(クロスオーバーが)自然な成り行きとはどうしても思えないのです」と語っている。

もともとハードは、一般的なクロスオーバーに対しても否定的なようだ。「(クロスオーバーでは)つい無理のある筋書を押しつけて作品をねじ曲げてしまいがちですが、重要なのはキャラクターたちへの愛なのです。『ウォーキング・デッド』が絶好調のままシーズン6を迎えられるのは、リックやミショーン、ダリルやディクソンやモーガンなど、個々のキャラクターへの愛があったからです。新たに登場したキャラクターたちも同じように愛さないといけません。スピンオフでもそれは同じだと思います」と述べ、クロスオーバーよりも、地道にキャラクターたちを育てる重要性を説いた。

8月のインタビューにて、スピンオフの主人公トラヴィスを演じるクリフ・カーティスがオリジナル・シリーズの主人公リック(アンドリュー・リンカーン)との共演を希望したことでクロスオーバーのウワサが再燃していたが、ハードのコメントを聞く限り、実現の可能性はなさそうだ。

『Fear the Walking Dead』シーズン2は13話編成で2016年に放送予定。そして本家『ウォーキング・デッド』シーズン6は、10月11日より米AMCにて放送開始となり、日本でも翌12日からFOXでオンエアされる。(海外ドラマNAVI)

Photo:『ウォーキング・デッド』
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