ホイットニー・ヒューストン娘を襲った悲劇から1年。現在の状況は?

ホイットニー・ヒューストンの一人娘であるボビー・クリスティーナ・ブラウンが、アトランタにある自宅の浴室で意識不明の状態で発見されてから1年が経った。米E!Onlineはこの件に関しては解決していないことがあると報じている。

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クリスティーナは、意識不明になってからおよそ半年後の2015年7月26日、22歳の若さで亡くなった。ジョージア州のロズウェル警察は同年6月に調査を終えていたが、彼女の件は「今も調査中だ」と、フルトン群地方検察局のイヴェット・ジョーンズはE!Newsに明かしている。

地方検察局はその調査については口を堅く閉ざしており、彼らが結論を下すまでは、どんな調査が行われているのか、誰かが起訴されるのかも不明の状態だ。現在のところは、クリスティーナの財産後見人により訴えられた彼女の婚約者ニック・ゴードンを含め、誰も起訴されていない。ニックが訴えられたのは、クリスティーナが意識不明の状態で発見された時、彼女の顔に複数の傷があったことが原因。そのためDV疑惑が浮上し、事故ではなく事件の可能性が生まれたのだ。

しかし、彼の弁護士は「彼の人生において最愛の人であり、最も大事な友人を亡くした彼は、民事訴訟で嘘の主張をされ、記者に繰り返し中傷されて人間性を奪われたのです。にもかかわらず、ニックは強いままで、周囲の人々から受け取った多くの愛と支持に心から感謝しています」と、E! Newsへの声明で述べている。

裁判で被告側弁護士を担当しているダリル・コーエンは、「本当に長い闘いです。地方検事が納得するまで待たされ続けるのです。時効はありませんが、もし起訴されれば陪審員は決めることが困難になるでしょう」と裁判についてコメント。「事件から裁判までの時間が長いものほど、より困難になるでしょう。決定的な証拠不足で告訴が進むのは深刻な問題です。彼らはどんな証拠を分析しているのか、なぜその分析にこれだけ時間がかかるのか? このことが私にとっては(ニックが有罪ではないという)大きい"理由"なのです」と裁判の状況について説明し、「動かぬ証拠、あるいは捜している目撃者は本当にいるのですか?」と、地本検察局の捜査の不透明さを指摘した。

アトランタエリアを担当している被告側弁護士も「時間が経つほど新たな目撃者も見つからなくなるし、証拠も得られなくなる。そして、我々弁護側が地方検察局に対して"それでは法に基づいた告訴ができませんね?"と突きつける時が来る。検察側は自信がないか、事件に対する自分たちの考えを確信することに苦労している」と捜査に要している不自然な時間の長さについて意見した。

薬物による事故という見方から一転、ニックの暴行疑惑が浮上して裁判に発展したが、なかなか決定的な証拠を見せない曖昧な検察の調査に対し弁護側は大きく構えている現状。事故か事件か確定するのにはもう少し時間がかかるようだ。

昨年にリハビリ施設で長期間過ごしたニックは、今でも自身のSNSにクリスティーナとの写真を投稿している。一方、クリスティーナの父ボビーを知るという関係者は、「ボビーは、起こったすべてについてまだ混乱している。彼には多くの後悔があるが、新しい家族がいるし、彼らのために彼は生きなければいけない」と明かしている。(海外ドラマNAVI)

Photo:ボビー・クリスティーナ・ブラウン
(C) Retna USA/amanaimages