ディケンズの小説の登場人物を描くBBCドラマ、1シーズンで打ち切りに

チャールズ・ディケンズの小説の登場人物を描く英BBCのTVシリーズ『ディケンジアン』が、シーズン1で打ち切られることが判明した。英Digital Spyが報じている。

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昨年末から始まった同番組は、初回放送では500万人が視聴したが、その数字は徐々に落ちていき、今年2月に放送されたシーズン最後の第20話の視聴者数は200万人まで下がっていた。BBCは、「我々はこの作品をとても誇りに思っていますが、時には、新しい番組のために余地を作るという難しい決定をしなければなりません」と述べている。

英国ヴィクトリア朝時代を代表する小説家ディケンズの物語の中から、「オリバー・ツイスト」の窃盗団のリーダー、フェイギンや、「クリスマス・キャロル」のスクルージ、「大いなる遺産」の老齢の富豪ミス・ハヴィシャムをはじめとする28人のキャラクターが登場する本作。ベテランクリエイターのトニー・ジョーダンが脚本&製作総指揮を担当し、製作費に約1000万ポンド(約16億円)をかけ、今後のシリーズ化に大きな期待が寄せられていた。

昨年12月、オミッド・ジャリリ(「互いの友」のミスター・ヴィーナス役)はDigital Spyの取材で、「もしこれ以上番組を続けたら、誰かが大金を失うことになると思う」と、冗談めかして存続は厳しいとコメントしていた。一方で、ミス・ハヴィシャム役のタペンス・ミドルトンは、「トニーは、すでにシーズン20までの計画を立てていると思うわ。彼はその構想とともに走り抜けたのよ。ディケンズの物語には、何百人というキャラクターがいると思うけど、トニーはそのうちの25人くらいに触れたんじゃないかしら? 今回のキャラクターが去っても、彼はまた別なキャラクターを見つけると思うわ。物語には不足しないでしょうね」と、トニーの大きな構想を支持するコメントをしていた。

残念ながら1シーズンで打ち切りが決まってしまった『ディケンジアン』。日本ではAXNミステリーで毎週木曜22:00から放送している。(海外ドラマNAVI)

Photo:『ディケンジアン』
(C) Red Planet Pictures 2015