HBO、オスカー受賞スタッフと次々に社会派ドラマを制作へ

米HBOが、新たに2本のファミリードラマを制作することを発表した。米Varietyによると、この度発注された2本のパイロットは、『マネー・ショート 華麗なる大逆転』で監督・脚本を務めたアダム・マッケイと、『ハート・ロッカー』で女性監督として初めてアカデミー賞監督賞に輝いたキャスリン・ビグローが、それぞれ手掛けるとのことだ。

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マッケイが監督を務めるのは、『Succession(原題)』というファミリードラマ。資産と権力がありながら問題を抱える家族を焦点に、家族の忠誠心、国際ビジネスと21世紀の問題について描く。『俺たちニュースキャスター』や『アザー・ガイズ 俺たち踊るハイパー刑事!』といった作品で何度もマッケイとタッグを組んでいるウィル・フェレルが製作総指揮として参加し、『フレッシュ・ミート』のジェシー・アームストロングが脚本を執筆する。

一方、ビグローが手掛ける『Mogadishu, Minnesota(原題)』は、ミネソタ州ミネアポリスでアメリカ人として暮らすソマリ族の家族を取り上げ、ジハードの世界も描くという。カナダで活動するソマリ族のラッパー、ケイナーンが、パイロット版の監督と脚本を担当する。また、『ゲーム・オブ・スローンズ』のキャロリン・ストラウスがビグロー、ケイナーンとともに製作総指揮を務める。

HBOは昨年、『クラッシュ』で2つのオスカーを獲得したポール・ハギスとともにミニシリーズ『HERO 野望の代償』を製作している。同作は、New York Timesの記者が執筆したノンフィクション小説を元に、1980年代後半から1990年代前半にかけてニューヨーク州ヨンカーズ市で実際に起きた人種間の対立問題を描いた社会派ドラマだった。

映画界で実績を残した監督たちとともに、現実に起きる様々な社会問題をドラマ化しているHBO。今回の新作も期待できそうだ。(海外ドラマNAVI)

Photo:キャサリン・ビグロー
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