超貴重!ドラマ 新『ROOTS/ルーツ』クンタ・キンテ役 櫻井孝宏&オモロ・キンテ役 池田秀一に突撃インタビュー!

ピューリッツァー賞を受賞したアレックス・ヘイリーの自伝的長編小説が1977年にドラマ化され、日本でも圧倒的な視聴者数を獲得した伝説のドラマ『ROOTS/ルーツ』。本作がおよそ40年の時を経て現代に蘇ります。先日発表された第68回エミー賞・リミテッドシリーズ/テレビムービー部門にもノミネートされ、世界から今再び注目を集めている新『ROOTS/ルーツ』。さらに、日本語吹替声優キャストも豪華声優陣が集結。新『ROOTS/ルーツ』でクンタ・キンテ役を務めるのは櫻井孝宏さん、そして父オモロ・キンテ役は、77年版でクンタ・キンテを演じた池田秀一さんが担当するという、とても貴重なキャスティング。この度、新旧クンタ・キンテ対談が実現しました。それではさっそくご覧ください!

 

――収録終えてみての、お二人の感想をお聞かせいただけますか?

池田:40年前にクンタ・キンテを演じさせていただいて、その40年後に、今度はその父親をやらせていただいたわけですが...。あれからもう40年経っちゃったんだな...、という感慨深いものがありました。年相応にやらせていただきまして、なかなか面白かったです。

櫻井:テーマがすごくシリアスなものだったので、この作品を通してしか知り得ない事実があるんだな、と感じました。この作品に関わらせていただいて、自分の中ではあまり知らなかった部分を知ることが出来ました。感動もあるんですが、それと同じ位、苦しみ、悲しみ、負の感情でも揺さぶられる、そんな作品だと思います。

――『ROOTS/ルーツ』を今またリメイクする意義はどんなところにあると思いますか?

池田:今回のリメイクについては、40年前のオリジナル版とは、ちょっと視点が違う部分がありますね。また、当時は無かったCGなどの技術も盛り込まれていますし、そういう意味でも非常に楽しみです。

櫻井:そうですね。技術的な面、表現技術の面ですごく進化していますし、当時と今とで、描き方の幅が広がっているという感じがします。歴史的な背景の中で、今だからこそ、こういうふうに描ける、というような年月を感じる。当時はオブラートに包まないといけないようなシーンもあったと思いますが、今回は徹底して事実を突きつけるような映像になっているんじゃないかと思います。残虐なシーンもあるし、目を覆いたくなるシーンもあります。また、オリジナルの生々しさも、今見ても感じるところがあるので、比較するということではなくて、両方とも、並列で観てもらいたいと思いますね。

 

――新クンタ・キンテ(マラカイ・カービー)の印象はどうですか?

池田:今回イケメンですよね(笑)。実は、オリジナル版のクンタ・キンテ役のレヴァー・バートンさんには、40年前にお会いしているんですよ。その時は彼もまだ新人でね。日本に来てとても嬉しいみたいで純粋に喜んでいまして、とても好感が持てる方でしたよ。新作では、また違った視点でキャスティングされていると思いますね。この新しいクンタ・キンテ(マラカイ・カービー)を見た時に、「あ、77年版とは違うんだな!」という気がしました。
でも同じシーンもあって、例えば、第1話での鞭打たれるシーン...。あれは今でも思い出しますね...。

櫻井:このクンタ・キンテという人物の長い年月を演じてみて思うことは、"マンディンカ族の戦士"としての誇りを忘れないという、もしかしたら、ちょっとかたくなな人かもしれないけど、目立つ存在で、そういう芯の強さと、あとは野生み、躍動感、エネルギッシュなイメージがあります。ずっと反骨精神というか、強いマインドを持ち続けて行く人物です。はじめに登場した時のあどけなさ...でもオーラがある、そして他の仲間たちとはちょっと考え方が違う人物だった、ということですね。最初があどけないだけに、後に彼の身に起きることを考えると、とてもいたたまれなくなります。あと、やっぱりイケメンだと思います(笑)。

 

――池田さんへの質問です。池田さんのキャリアの中で、『ROOTS/ルーツ』はどんな作品ですか?

池田:僕はまだその頃、声の仕事はあまりやっていなくて、これが2本目か3本目だったんです。初めて洋画の吹替えをやったとき、「この土俵に上がってはいけないな...。こんな疲れる仕事はやめよう」と思っていたんですよ(笑)。そんなところに、クンタ・キンテ役の仕事の話が来て。オーディションだったんですけどもね。作品自体も素晴らしいし、これをやらせて頂いたおかげで、「ああそうか...、もしかして、声の仕事をやってもいいのかな」っていう気にもなった。この作品に巡り合えたことは、僕にとってそういうきっかけになったと思います。

――櫻井さんに質問です。今回、オリジナル版でクンタ・キンテを演じた池田さんが、父・オモロ・キンテ役ということで、緊張、プレッシャーなどはありましたか?

櫻井:リスペクトですね。実際に、今回の新作でもオリジナルと同じシーンが出てくると、胸躍る!というか...。同時にこれだけ注目される作品なので、やはりプレッシャーは少しありました。これまでのキャラクターを演じる中でも、これほど一人の人物の長い年月をお芝居する経験は、ほとんどはじめてに近いです。その世代ごとのクンタ・キンテを演じる、ということに集中しました。あと、池田さんと親子役と聞いたときはドキッとしました。でも、僕は幸いにも池田さんの父オモロの声を聞きながらクンタを演じることができたので、それはすごく助けになりました。道しるべというか...。

池田:『ROOTS/ルーツ』を新しく作っていて、また吹替の仕事があるかもっていう話は聞いていたんですが、最初ね、「16歳の役はもう無理だなあ...」って勝手に思ってたんだけど、お父さん役だって聞いて「あ、よかった、それなら。」と思いました(笑)。もし、やれって言われたら......やったかな?(笑)。
で、さっき、クンタとオモロ、二人の掛け合いのシーンを観たんですけど、しっかり愛情は通じていたと思いますよ。

櫻井:ありがとうございます!

――お二人それぞれの、ご自身の思う"親子の絆"やエピソードについて教えて頂けますか?

櫻井:僕は子供の頃は母親のほうが話しやすかったですね。親父が怖い存在だったので、学校のこと話すのも、けんかするのも母親で。でもお酒が飲めるようになってからは、親父との会話が増えました。さらに年を重ねて、これまで全く話さなかったような話もするようになりました。「どじょうを捕まえて、近所の店に売っていたりした」って、親父の子供の頃の話とか。なんでもっとはやくこういう話をしなかったのかなと思います...。

池田:僕は親父とはわりと縁が薄くてね。小学校上がる前ぐらいに両親が離婚しまして、親父のことってあまり覚えていないんですよ。でもある時、20数年経って、僕のアパートに訪ねて来たんですよね。20年以上会っていなかったのに。でもね、何年経っても親父だ、ってわかるんです。「おお、どうも」って。お互い呼び方がわからなくて、むこうも秀一って呼び捨てにできないみたいで。後で聞いたら、兄にも妹にもお袋の所にも会いに行っていたみたいなんですよ。――その半年後に亡くなってしまって。「会いに来たのかな」って思いますね...。うん、何か感じますよね。その後、親父の故郷の墓参りにもみんなで行きましたけどもね。

――ありがとうございました。最後に、番組を楽しみにしている視聴者へ向けてのメッセージをお願いします。

櫻井:かつて、人ではないような扱いをされていた――、そんな事実があったなんて...と衝撃を受ける作品です。この作品をリメイクするのは、この歴史を風化させないようにしたい、という想いがあるからだと思うんです。40年経っていろいろな技術が進歩して様々な表現方法が可能になりました。後の何世代にも残る話として、今も語り継がれ続けているなんて、クンタ・キンテはその時思ってもいなかったのではないでしょうか。がむしゃらに生きたクンタ・キンテの人生を見守ってほしい、と思います。

池田:日本の若い子たちに特に観てもらいたいですね。こういうこともあったんだよ、ということをね、知ってもらいたい。おじさんの大きなお世話かもしれないけど(笑)。これを観て「俺も何かやろうかな」と思ってくれればいいなと思っています。

 

新たなキャストで甦る、新『ROOTS/ルーツ』は、ヒストリーチャンネルにて8月22日(月)23:00より4夜連続放送となります!お見逃しなく! また、今作の放送を記念し、ヒストリーチャンネルでは、制作チームによるチャレンジを追った番組「徹底攻略!ドラマ『ROOTS/ルーツ』の世界」や、奴隷制の史実を紹介する「ドラマ『ROOTS/ルーツ』が語る奴隷制の歴史」、そして77年のオリジナル版『ROOTS/ルーツ』も放送! 詳しくはヒストリーチャンネル公式番組紹介ページでチェックできます!

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