マーベル・ユニバースの人気ドラマ『エージェント・オブ・シールド』の主人公コールソンを演じるクラーク・グレッグが初来日。日本でも高い人気を誇るキャラクター、コールソンの魅力を「人間らしく地に足が着いている」と語るグレッグだが、彼自身も落ち着いていて、でも茶目っ気もある魅力的な人物。インタビューではドラマの魅力から、長い付き合いとなったコールソンへの想いまで、率直に語ってくれた。
――あなたにとってコールソンという役とは2008年の『アイアンマン』からの付き合いになりますが、これだけ長い間にわたり彼と付き合ってきていかがですか?
とても幸運に思っているよ。自分ではどうしてこういうことになったのか分からないけどね。最初に『アイアンマン』に出演した時、素晴らしい人たちと一緒に仕事ができて、しかも相手は自分が大好きなキャラクターのアイアンマンということですごく嬉しかった。あの時、僕の役名は単なる「エージェント」でちゃんとした名前はなくて、爆弾を渡して去るだけだった。そんな端役で、コーヒーを飲みながら、この役がもっと大きくなればいいな、なんて空想していたんだ。空想だから普通は実現しないものだけど、その後、コールソンが『アイアンマン2』にも登場すると言われ、その撮影中に今度は『マイティ・ソー』でも出番があると知らされた。それを聞いた時、最初は誰かのタチの悪いイタズラじゃないかと疑ってしまったよ。さらに『アベンジャーズ』で7人の偉大な出演者による大好きなスーパーヒーローたちと共演できると知った時には、失神するかと思った。トニー・スターク、ソー、ブルース・バナー、ナターシャ・ロマノフといった自分が幼い頃からアメコミで目にしてきたヒーローと一緒に仕事ができるなんてね。その劇中で殺されてしまったのは残念だったけど、いい経験ができたなと考えていたんだ。そうしたら電話がかかってきて、「君を主役にしたドラマを作ることにした」と言われた。生き返ることができたのはファンのおかげだと思っている。コールソン自身は普通の人間で何の特殊能力も持っていないことでみんなに応援してもらえて、こうして戻ってこられた。本当に幸運だと思っているよ。
――ついにはTVシリーズの主役にまでなったわけですが、TVシリーズの良さとして、シーズンを重ねていくほどキャラクターなどをより掘り下げていける点が挙げられると思います。役者としてキャラクターを掘り下げていく面白さや、コールソンを演じる上で気を配っていることは何ですか?
いい質問だね。コールソンは初めて登場した時、特定の役割を持っていた。それがどんどん広がって、ちょっと生意気なスーパーヒーローたちをからかったり諭したりするようになった。そして『アベンジャーズ』で死んでしまうわけだけど、奇跡的な生還を果たして、『エージェント・オブ・シールド』には80時間以上にわたって出演してきた。自分の経験上、これほど長く演じた役はないよ。これだけ長く同じ作品や役柄に付き合っていると、自然にいろんなことを模索することを強いられる。人生を生きることだったり、心の中にある欲や闇といったものを掘り下げていけることは、役者冥利に尽きるね。
――小さな役から始まったコールソンですが、今では日本でもとても人気のあるキャラクターになっています。その魅力はどこにあると思いますか?
マーベル作品の中で語られる世界は現実世界を誇張した一種のファンタジーで、超人的な能力を持った人が登場したり、死んだはずの人が甦ったりする。『エージェント・オブ・シールド』の中でもシーズン3ではさらにすごいことが起こるしね。でもそうした物語を伝えながらもこのコールソンというキャラクターがいるおかげで、作品がリアルで非常に人間味のあるものになっている。人間味を保っていることで、この作品が地に足の着いたものになっているんだ。
――死んだはずのコールソンが甦ったことをはじめ、『エージェント・オブ・シールド』ではいろんなサプライズが起きますが、あなた自身が一番驚いたことは何ですか?
二つあるよ。一つは、コミコンでジョス・ウェドン監督に会った時、『アベンジャーズ』で僕に大きな出番があると聞かされたことだ。あれだけ豪華な顔ぶれでコールソンに大きな出番があるなんて信じられなかったけど、数週間後にマーベル側から連絡があって、本当だと知らされた。その時、コールソンにあることが起きて、それによってアベンジャーズのみんなが団結すると聞いて、僕の役にとっては何か良くないことだなと察したよ(苦笑) その通り、ロキに刺されてしまうわけだけど。
もう一つは、『エージェント・オブ・シールド』のシーズン1の終盤の撮影をする時にマーベルの人たちがやってきて、「新たなエンディングを用意した」と、事前に受け取っていたものとは違う脚本を渡された時のことだね。それはコピー不可の赤い脚本で、トレーラーに全員で集合して読むと、ラストが変更されていて、ウォードが実は裏切り者だと書いてあった。みんな驚いて、動揺したり涙を流したりしていたよ。
――つまり、違うストーリーを撮影していて、撮り直すことになったのですか?
いや、偽のラストに関しては脚本を受け取っていただけで、まだ撮影はしていなかったんだ。
――ちなみに、そちらはどういう展開だったのですか?
ウォードがシールドの幹部であるヴィクトリア・ハンドとともに、ビル・パクストン演じる元上司のジョン・ギャレットを収監するために連行するという展開だった。でも実際は、ウォードはギャレットの命令でハンドを殺すことになったんだ。
――先程、シーズン3ではさらにすごいことが起きるとおっしゃっていましたが、そのシーズン3をこれから観るファンに向けて、特にオススメしたい部分を教えてください。
不思議な能力を身に着けたインヒューマンズという人たちが次々と増えていくことになるよ。そしてデイジーはそうした能力者を集めたチームを結成する。さらにはウォードが戻ってきて、さらに邪悪さを増した彼は、想像を絶するようなことをする。そして我々は別次元の世界へと連れていかれるんだ。もしこれを話しても興味をそそられなかったら、何を言えばいいのか分からないよ(笑)
『エージェント・オブ・シールド シーズン3』は2017年2月3日(金)よりブルーレイ/DVDリリース、一挙デジタル配信開始! また、『マーベル エージェント・オブ・シールド 3』が全国無料のBSテレビ局Dlife(ディーライフ)にて2017年1月21日(土)21:00よりスタートとなる。それに向けて、この年末年始に『エージェント・オブ・シールド』シーズン1&2を見ておこう!
■作品情報
シールド VS 特殊能力者(インヒューマンズ)
新たな脅威から世界を救えるのか? マーベルが贈る『アベンジャーズ』のスピンオフ、新シーズン登場! あの『アベンジャーズ』シリーズや『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』などの世界的大ヒット映画を製作するマーベルが贈る本格アクション・ドラマ『エージェント・オブ・シールド』。待望のシーズン3では、悪の秘密結社ヒドラ、そして「インヒューマンズ(特殊能力者)」との死闘の末、世界中に拡散されてしまった未知の物質テリジェンの影響により、人類が次々とインヒューマンズとして覚醒。世界は混乱し始め、シールドはこれまでにない脅威に立ち向かうため、新たなチームの結成を目指す。
Photo:
クラーク・グレッグ
『エージェント・オブ・シールド』
© 2016 MARVEL & ABC Studios