特別だったのはあの人との共演シーン!『ダウントン・アビー』ミシェル・ドッカリー(メアリー・クローリー役)インタビュー

上流社会と使用人との間で巻き起こる愛憎劇を描き、世界中で大ヒットとなった英国ドラマ『ダウントン・アビー』。ファイナル・シーズンのブルーレイ&DVDがついに7月21日(金)にリリースとなる本作から、クローリー家の長女メアリーを演じるミシェル・ドッカリーのインタビューが到着。6年間メインキャストを務めた彼女が、撮影最終日の心境や、お気に入りのシーン、キャサリン妃のセット訪問などについて語ってくれた。

――撮影の最終日、どのような気持ちでセットにいましたか?

ドラマの開始から6年が経っているから、最終テイクを迎えて「撮影終了!」の言葉を待つ間、感情がとても高ぶったり、気分が滅入ったりしてとても複雑な気分だったの。私は階下での撮影で最後のシーンを迎えたけれど、そのシーンはとても胸を打つものだったわ。その時は、ジム・カーター(執事のカーソン役)、フィリス・ローガン(家政婦長のヒューズ役)、ヒュー・ボネヴィル(グランサム伯爵役)の3人と一緒だったのよ。撮影の終わりとしてはとても素敵なものだったわね。特にジムと一緒だったことは嬉しかった。メアリーとカーソンが最後の瞬間を共有できたのは良かったわ。

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――メアリーは流行に敏感ですが、あなたご自身はいかがですか?

メアリーはオシャレだけど、ファッションにハマっているわけではないと思うわ。ローズ(リリー・ジェームズ)ほどではないわね。ローズは斬新な服を好む奔放な若い女性だけど、メアリーはもう少し落ち着いた感じかしら。私自身は今ではファッションに関心があって、新作のファッションを見るのが好きよ。みんなも同感してくれると思うけど、ファイナル・シーズンで見られる衣装には好きなものがたくさんあるわ。真珠がたくさん使われていたり、シャネルの影響を強く受けていたり、素敵な帽子も登場したりするの。私はドラマの中でその素敵な帽子をかぶったり、セクシーで斬新なサングラスをかけたりしているのよ。

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――では、ドラマの衣装を着ることがなくなって寂しいのでは?

本当にそうね。衣装がとても素晴らしかったの。今回は特に。スタッフはファイナル・シーズンのために全力を尽くしてくれたし、私はこのドラマで服や宝石を身につけるのが嫌になったことは一度もないわ。

――ファッションにはもともとお詳しかったのですか?

いいえ、大体は番組を続けていく中で学んだわ。最初はファッションにはあまり関心がなかったの。服は好きだったけど、ファッションセンスのことやデザイナーのことを知る機会がなかったから。でも、番組が始まってからは2~3ヵ月ごとに写真撮影があって、その度にいろんなスタイリストやデザイナーと会うから、ファッション界のことをある程度学べたの。おかげで、ファッション界をとても面白く感じるようになったわ。

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――写真撮影は楽しいですか?

ええ。でも、最初の頃はちょっとプレッシャーに感じることもあったの。どうやって立ち振る舞えばいいかよく分からなかったから。それでも続けていくうちに、私が何を着たいのかってことは、どうでもいいって分かったの。スタッフがどんな写真を望んでいるのかが大切で、そういうことに今では少しは柔軟に対応できるようになったと思う。それに実を言うと、撮影中いつの間にか役を演じている自分に気づいたの。「インタビュー・マガジン」(1969年にアーティストのアンディ・ウォーホルらによって創設された雑誌)の写真撮影の時はすごかったわ。スーパーモデルのように見せつつも、労働者階級の人のようにも見える写真を撮って、その写真にコントラストを持たせたの。あれはすごくカッコよかったわ。その時はメアリーとは全く違う役になったの。キャスティング・ディレクターやプロデューサーの中には、あの写真を見たらそれまでとは違う私の姿に目が留まって、「彼女はこんな意外な役が演じられるんじゃないか」って言う人もいるんじゃないかしら。今では、写真撮影はそういうものだって理解しているの。つまり、違うことを試す場だって。それを楽しんでいるわ。

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――このドラマのクリエイターであるジュリアン・フェローズの脚本が秀逸だったことから、恵まれたと感じますか?

このドラマに関われたことは信じられないほどすごいことだと思う。脚本が一番重要なの。脚本を読んで最初の2ページでストーリーにのめり込んだら、それはやるべき作品ってこと。脚本が本当にすべてで、そこからすべてが始まるの。作品の土台なのよ。

――脚本を書くことに憧れたことは?

私は作家ではないし、憧れたことはないわ。そういうことを考えたことがないの。でも、監督はいいわね。まだやってみたことはないけど、いつか経験できたらと思う。ぜひ挑戦してみたいわ。

――『ダウントン・アビー』で最も印象的なシーンは?

シーズン2でマシュー(ダン・スティーヴンス)と一緒に駅にいるシーンは本当に特別だったわ。それから、シーズン2最終話のプロポーズの場面ね。他にもたくさんあるの。マギー(・スミス/バイオレット役)やジム、それからローラ(・カーマイケル/イーディス役)と一緒のシーンは、どれもとても気に入っているわ。

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――このドラマが大人気になっていると分かった瞬間は?

初めてそう思ったのは、第1話が放送されてから1~2週間経った日曜の朝よ。牛乳を買いに雑貨屋に行ったら、私とローラとジェス(ジェシカ・ブラウン・フィンドレイ/シビル役)の三姉妹が新聞3紙の表紙を飾っているのを見つけたの。牛乳を買いに行っただけなのに、信じられなかった。それが決定的な瞬間ね。それからも人気は高まっていって、ある日ニューヨークにいたら突然、周りから気づかれるようになったの。それ以来、何度も騒ぎになるようなことがあったわ。

――この作品で学んだことは? 例えば、以前から乗馬はできたのですか?

はっきり言って、すべてが勉強だった。この間ローラが言っていたんだけど、ある意味で私たちは今回卒業していくようなものなの。もちろん、『ダウントン・アビー』に出演する前から仕事はやっていたわ。このドラマにキャスティングされるまでに6年間働いていたの。でも、マギー・スミスやペネロープ・ウィルトン(マシューの母イザベル・クローリー役)のようなベテランの演技を見たり、その隣で演技をしたりと、大先輩と一緒に仕事をしたことはすごく勉強になったわ。それから当時の歴史の勉強にもなったの。馬の乗り方も教わったし、当時のファッションや流行も学んだ。あと、最初の頃はインタビューされるのがとても苦手だったわね。初めてのことだったし、自分が話す内容に自信がなかったから、インタビューが怖かった。それでも時間が経つにつれて慣れたの。結局、ストーリーを話せばいいのよ。作品のストーリーが語れるものであることは重要で、それはジュリアンの優れたところだわ。『ダウントン・アビー』は一つの壮大な物語だけど、その中では同時に18~23ものストーリーが複雑に絡み合っているの。ジュリアンは本当に才能豊かな人ね。

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――名残惜しくない点はどんなところでしょう?

きっと、ハイクレア城での寒い朝ね(笑) あの城の周りでは風が吹き抜けて寒かったから。

――ケンブリッジ公爵夫人キャサリン妃がファイナル・シーズンの撮影に訪れた時はセットにいたのですか?

ええ、今までにないくらい夢のような日だったの。キャサリン妃がセットに足を踏み入れる瞬間まで興奮と期待が高まって、その瞬間はとても素晴らしかったわ。プロデューサーがドラマに関わっていた人たちを呼び出して、みんなでキャサリン妃を出迎えたの。キャサリン妃は全員に挨拶してくれたのよ。とても美しくて、その存在感は素晴らしいものだったわ。セットを歩く姿には、王女の品格と同時に、親しみやすさもあった。光栄にもキャサリン妃のご妹弟と知り合うことができたわ。とても素敵な方たちよ。

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――キャサリン妃はファッションにかなり詳しいらしいですが......。

衣装デザイナーのアンナ・ロビンスといろんなことを話したようね。キャサリン妃は美術史の学位を持っているから、興味があったんでしょう。二人はコスチュームのことでたくさん話したそうよ。それよりも、私はセットに訪れる人たちの反応を見られたのが楽しかったわ。キャサリン妃もセットを目にして圧倒されていたのが見て取れたの。そういう反応を見られたのは嬉しかった。セットで過ごした中で一番楽しかった日だったわね。

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■『ダウントン・アビー ファイナル・シーズン』商品情報
7月21日(金)リリース、レンタル同時開始
ブルーレイ...9,800円+税/DVD...7,800円+税
レンタルDVD Vol.1~5
発売・販売元:NBCユニバーサル・エンターテイメント

Photo:『ダウントン・アビー』
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