NHK BSプレミアムにて毎週土曜22:00より最新のシーズン4が放送中の『SHERLOCK シャーロック』。英国発の大人気ミステリーは、原作を生かしつつも原題風にアレンジしたセリフの数々も魅力の一つ。数回にわたってそんなセリフのいくつかを日本語&英語でご紹介していこう。今回のテーマは、本作の根幹を成す、主人公シャーロック・ホームズとその相棒ジョン・ワトソンの友情あふれるやり取りの数々。
(※本記事はシーズン3までのネタばれを含みますのでご注意ください)
同居人を募集していたことから出会ったシャーロックとジョン。変人扱いされる探偵と、戦場から戻り居場所のない軍医という孤独な二人は、運命の糸に導かれるように共同で事件の捜査をすることに。シャーロックからの一風変わったスカウトをジョンはすぐさま受け、二人で"ゲーム"に乗り出す。
シャーロック:君は医者だろ。陸軍の軍医だ。
Sherlock: You"re a doctor. In fact you"re an army doctor.
ジョン:ああ。
John: Yes.
シャーロック:腕はいい?
Sherlock: Any good?
ジョン:とてもね。
John: Very good.
シャーロック:けが人や死体は山ほど見た?
Sherlock: Seen a lot of injuries then. Violent deaths.
ジョン:ああ。
John: Well. Yes.
シャーロック:トラウマになってる?
Sherlock: Bit of trouble too I bet.
ジョン:ああ、そうかも。もう嫌と言うほど見てきたよ。
John: Of course. Yes. Enough for a lifetime. Far too much.
シャーロック:もっと見たい?
Sherlock: Wanna see some more?
ジョン:もちろんだ。
John: Oh god yes.
(シーズン1第1回「ピンク色の研究」)
それまでは推理を披露しても煙たがられるばかりだったシャーロック。しかしジョンは違う反応を示す。
ジョン:見事な推理だ。
John: That was amazing.
シャーロック:本当か?
Sherlock: You think so?
ジョン:もちろん本当だ。見事なものだ。素晴らしい。
John: Of course it was. Extraordinary. It was quite extraordinary.
シャーロック:まれな意見だ。
Sherlock: That"s not what people normally say.
ジョン:ほかの人は?
John: What do people normally say?
シャーロック:「うるせえ」って。
Sherlock: "Piss off".
(シーズン1第1回「ピンク色の研究」)
名推理に対するジョンの称賛は止まらず、シャーロックもまんざらでもない様子。
ジョン:名推理だ!
John: That"s fantastic!
シャーロック:いちいち声が大きい。
Sherlock: Do you know you do that out loud?
ジョン:ごめん、黙るよ。
John: Sorry. I"ll shut up.
シャーロック:いや、いいんだ。
Sherlock: No, it"s... fine.
(シーズン1第1回「ピンク色の研究」)
シリアルキラーの誘いに乗り、自分の選んだ薬が毒薬ではないことを確かめるべく飲もうとしたところで、駆けつけたジョンに助けられたシャーロック。そんな彼の危なっかしさにジョンは強い言葉を浴びせるが、そういうことが言えるのも仲が良い二人ならでは。
ジョン:あの薬、飲むつもりだったろ?
John: You were going to take that damn pill weren"t you.
シャーロック:いいや、まさか。君が来るまでの時間稼ぎ。
Sherlock: Of course I wasn"t. Biding my time. Knew you"d turn up.
ジョン:嘘つけ。自分の賢さを試さずにはいられないくせに。
John: No you didn"t. That"s how you get your kicks isn"t it? You risk your life to prove you"re clever.
シャーロック:僕がなぜ?
Sherlock: Why would I do that?
ジョン:バカだから。
John: Because you"re an idiot.
(シーズン1第1回「ピンク色の研究」)
犯罪界の大物モリアーティと対決することになった二人。相手に捕まり爆弾の付いた上着を着せられて銃で狙われる中、ジョンは自分の身を犠牲にしてでもシャーロックを逃がそうとする。
ジョン:(モリアーティを捕まえて)シャーロック、逃げろ!
John: Sherlock run!
モリアーティ:いいねえ、実にいい!
Moriarty: Oh! Good. Very good.
ジョン:お前の部下が引き金を引けば、僕と一緒に吹っ飛ぶ。
John: Just like that. Pull that trigger, Mr. Moriarty, and we both go up.
(シーズン1第3回「大いなるゲーム」)
モリアーティが去った後、ジョンを気遣い、身を呈そうとしてくれたことに対して、慣れないことだが礼を言おうとするシャーロック。
シャーロック:(ジョンの爆弾が付いた上着を脱がせながら)無事か? 大丈夫か?
Sherlock: Alright? Are you all right?!
ジョン:無事だよ。シャーロック...シャーロック! 大丈夫か?
John: Yeah, I"m fine. Sherlock-- Sherlock! Are you okay?
シャーロック:僕? ああ、大丈夫だ。さっき...僕のために...君がその...してくれようとしたこと...すごい。
Sherlock: Me? Yeah. Fine. Fine. That, ah-- thing that you did. That you, um, you offered to do. That was, um... good.
ジョン:誰もいなくて良かった。
John: I"m glad no one saw that.
シャーロック:ん?
Sherlock: Hm?
ジョン:君に真っ暗なプールで服を脱がされたのを見られたら大変だ。
John: You ripping my clothes off in a darkened swimming pool. People might talk.
シャーロック:噂じゃ済まない。
Sherlock: People do little else.
(シーズン1第3回「大いなるゲーム」)
ある事件で自分に対して初めて疑いを抱き、混乱していたシャーロック。気遣ってくれたジョンに「僕に友達はいない」と言って拒絶するが、その後、彼の存在が大切であることを打ち明ける。
シャーロック:ジョン、ゆうべ言ったことは本当だ。僕に友達はいない。一人を除いて。
Sherlock: This what I said the before, John, is I meant it. I don"t have friends, I"ve just got one.
(シーズン2第2回「バスカヴィルの犬(ハウンド)」)
宿敵モリアーティにはめられ、実は名探偵ではなく詐欺師ではないかと疑われるシャーロックだが、ジョンはあくまで彼を信じる。
ジョン:僕は君を知ってる。
John: I know you"re for real.
シャーロック:自信あるか?
Sherlock: A hundred percent?
ジョン:君の嫌な奴っぷりは演技とは思えない。
John: Nobody can fake being such an annoying dick all the time.
(シーズン2第3回「ライヘンバッハ・ヒーロー」)
そしてシャーロックが児童誘拐事件を自作自演したという疑いをかけられて連行される時には、ジョンはシャーロックの悪口を言った警視正を殴って相棒の仲間入り。
シャーロック:付き合いか?
Sherlock: Joining me?
ジョン:ああ。警視正に一発食らわすのは法律違反らしい。
John: Yeah. Apparently it"s against the law to chin the Chief Superintendent.
(シーズン2第3回「ライヘンバッハ・ヒーロー」)
シャーロックが飛び降りて死ぬところを目撃したが、彼がもういないことを受け入れられないジョン。彼の墓の前で蘇ってくれるよう、涙ながらに懇願。
ジョン:君はこう言ったね、「自分はヒーローじゃない」と。そもそも人間とすら思えなかったこともあったけど、君はいい奴だ。人間らしい人間だった。誰がなんて言おうが、僕は君が嘘つきだったなんて信じない。絶対。シャーロック...僕は孤独だった。君に救われた。あと一つだけ頼む。僕のためにもう一回だけ奇跡を起こしてくれ。ダメだよ、こんな...死んでちゃ。頼む。こんなことやめてくれ。やめろよな...。
John: You... you told me once that you weren"t a hero. Um. There were times that I didn"t even think you were human. But let me tell you this, you were the best man and the most human.... human being that I have ever known, and no one will ever convince me that you told me a lie. And so... there. I was so alone and I owe you so much. Please, there"s just one more thing. One more thing. One more miracle, Sherlock, for me. Don"t be... dead. Would you do that, just for me? Just stop it, stop this...
(シーズン2第3回「ライヘンバッハ・ヒーロー」)
実はシャーロックの死は本人による偽装だったと知った後、怒りのあまり、シャーロックの謝罪を受け入れずに距離を置いていたジョン。しかし危機的状態に陥った際、ようやく本心を明らかに。
ジョン:君は一番の友人だし誰よりも賢い。君のこと...もちろん許すよ。
John: You were the best and the wisest man that I"ve ever known. Yes, of course, I forgive you.
(シーズン3第1回「空の霊柩車」)
ジョンの結婚式でベストマン(付添人)を務めることになったシャーロック。式で、普段は口にしないような感動的なスピーチを披露。
シャーロック:僕が言いたいのは、僕という人間は実に不愉快で無礼で無知で、出会ってしまったら災難としか言いようがない人間だということです。僕は高潔さを否定し、美しさに気づかず、幸せというものをまったく理解できません。ベストマンを頼まれていることを理解できなかったのは、自分が誰かの親友になれるとは思ったことがなかったから。しかもそれが、世界一勇敢で親切で賢い男の親友にだなんて。ジョン、僕はバカげた男だ。君の温かい友情があるからやっていける。
Sherlock: The point I"m trying to make is that I am the most unpleasant, rude, ignorant and all-around obnoxious asshole that anyone could possibly have the misfortune to meet. I am dismissive of the virtuous, unaware of the beautiful, and uncomprehending in the face of the happy. So if I didn"t understand I was being asked to be best man, it is because I never expected to be anybody"s best friend. And certainly not the best friend of the bravest and kindest and wisest human being I have ever had the good fortune of knowing. John, I am a ridiculous man redeemed only by the warmth and constancy of your friendship.
(シーズン3第2回「三の徴候」)
『SHERLOCK シャーロック4』はNHK BSプレミアムにて毎週土曜22:00より放送中。
Photo:『SHERLOCK シャーロック』
© Hartswood Films 2010