実話をもとに、生まれも性格も全く違う二人の男性の友情を描いて本国フランスをはじめ、日本でも大ヒットを記録した2011年の映画『最強のふたり』で一躍世界的スターとなったオマール・シー。彼の最新主演作で9月9日(土)全国公開となる『あしたは最高のはじまり』に出演するクレマンス・ポエジーのコメントが届いた。
クレマンスといえば、『ハリー・ポッター』シリーズのフラー・デラクール役で知られ、『ホロウ・クラウン/嘆きの王冠』でベン・ウィショーと、『愛の記憶はさえずりとともに』でエディ・レッドメインと共演したほか、英仏合作の犯罪ミステリー『トンネル』では主演を務めるなど、ドラマでも精力的に活動している人気女優だ。
彼女が演じるのは、毎日パーティー三昧のプレイボーイ、サミュエル(オマール・シー)のもとに、突如赤ん坊を抱いて現れるクリスティン。育児ノイローゼで生後3ヵ月の娘を手放し、それから8年後に会いに来るという、複雑な心情を持った役どころだ。「脚本を読んで、とても素敵な映画だと感じたけど、同時にこの役を引き受けるのが怖いと思ったわ。クリスティンは難しい役にもかかわらず、その複雑な行動を説明するようなシーンがほとんどないの。彼女の状況をできるだけ理解しようとしたけど、簡単ではなかった。行動をどう解釈すべきか、監督と長い時間をかけて話し合ったわ」と、難役への挑戦に苦悩した経験を明かしたクレマンス。
そんなクレマンスとオマールはこれが初共演だが、いい化学反応を起こすことができたようだ。オマールは「最初のシナリオを読んだ時点で、クリスティンというキャラクターには耐えられなかった! でも優秀な女優であるクレマンスのおかげで感情移入できるようになったんだ。彼女は見事な表現力で、シナリオの中で僕らが気づかなかったクリスティンという心に傷を抱えた母親の苦悩を理解させてくれた。彼女との共演経験を今後の自分の演技に生かしたいと思っているよ」と、クレマンスの演技を絶賛している。
この『あしたは最高のはじまり』は、昨年12月に本国フランスで封切られると、『モアナと伝説の海』に次いで初登場2位という好スタートを切り、8週連続トップ10入り。全米で異例のヒットを記録したメキシコ映画『Instruction Not Included(英題)』のリメイクで、フランスの2016年公開作として2番目のヒットを記録し、ヨーロッパの周辺国でも大ヒットを飛ばした感動作だ。
南仏コートダジュールで、毎日がバカンスのような気楽な暮らしを送るサミュエル。そこへかつて関係を持ったクリスティンが突然現れ、生後数ヵ月のグロリアを「あなたの娘よ」と預けた後に姿を消す。呆然とするサミュエルを救ったのは、彼にひと目惚れしたゲイのベルニーだった。それから8年、すっかり"普通じゃない"家族になった3人。そんな時、サミュエルが娘に世界をまたにかける敏腕エージェントだから会えないと説明していたクリスティンから当然、連絡が入り...。
好感を持ちにくいキャラクターに息吹を吹き込み、思わず共感してしまう人物像へと昇華させたクレマンスの演技も必見な『あしたは最高のはじまり』は、9月9日(土)より角川シネマ有楽町、新宿ピカデリー、渋谷シネパレスほか全国ロードショー。(海外ドラマNAVI)
Photo:『あしたは最高のはじまり』
PHOTO JULIEN PANIÉ © 2016 - MARS FILMS - VENDÔMÉ PRODUCTION - POISSON ROUGE PICTURES - TF1 FILMS PRODUCTION - KOROKORO