8月25日(金)より大ヒット公開中の『ワンダーウーマン』。女性からの支持も高く、彼女の正義を貫く姿に泣けると感動の声が上がっている。そんな本作だが、実は『ワンダーウーマン』の原作者ウィリアム・モールトン・マーストンは心理学者でありウソ発見器を発明したという意外な人物。そしてウソ発見器は、縛られると真実を告白してしまう"真実の投げ縄"というワンダーウーマンの武器で本作にも登場している。
本作は女性だけの島にプリンセスとして生まれ育ったダイアナが、最強の美女戦士ワンダーウーマンになるまでを描いたアクション・エンターテイメント。劇中では彼女が使う武器がたくさん登場するが、ぜひ"真実の投げ縄"に注目して欲しい。これはコミックの原作者であり心理学者であるマーストンが生涯"偽り"に関心を抱いていたことから生まれたアイテムなのだ。マーストンは妻のアイデアをもとに、血圧を測って嘘かどうかを見抜く機械を発明。この機械は科学的信憑性には欠けていたようだが、マーストンはそのウソ発見器をもとに"真実の投げ縄"を登場させている。劇中でもワンダーウーマンが島に不時着したパイロットのスティーブを縄で縛り上げ「僕はスパイだ」と告白させたり、敵と戦う時も縄を振り回して武器としても使ったりしている。
そしてマーストンは、1941年にコミックの中で初めてワンダーウーマンを登場させたが、当時はバットマンやスーパーマンなど男性ヒーローばかりが中心だった。だが彼は、愛情のある従順を通して世界平和をもたらせると考えていたため、愛に溢れ世界を救うスーパーヒーローのワンダーウーマンを描いた。他のスーパーヒーローが特殊能力やマントといった"力"によって勝利していたが、それだけでなく、"愛"によって勝つヒーローが必要だと考えたのだ。マーストンはワンダーウーマンについて「強いことは賢さだ。しかし男の専売特許的ルールによれば、優しくて可愛らしく愛情深く、魅力的だったりすると弱虫だと見なされる。我々の女性観に力や強さ、パワーが欠けている限り、女の子たちでさえ女であることを嫌がる。それを解決する方法は、スーパーマンの強さをすべて持ち、善良で美しく女性としての魅力もすべて兼ね備えたキャラクターを創ることなんだ」と語っている。ただ強いだけではなく、ただ可愛いだけでもなく、両方を兼ね備えたキャラクターにする必要があり、本作でもワンダーウーマンの魅力は変わらずに描かれている。
メガホンを取ったパティ・ジェンキンス監督は、本作を製作する上でつねに意識したことがあるそうだ。「この作品では"ヒーローであることは何を意味するのか?"ということを問いかけているの。悪党をやっつけることだけがヒーローの条件ではない。理解、愛、許しといったことが必要なのよ」と、"愛"を大切にするという精神を本作にも反映させた。それはワンダーウーマンとスティーブとのラブストーリーはもちろん、人間愛や親子愛など本編を通じて描かれている。だからこそワンダーウーマンの強くまっすぐな正義を貫く姿に感動の声が広がっているのだろう。
『ワンダーウーマン』は大ヒット公開中。(海外ドラマNAVI)
Photo:『ワンダーウーマン』
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