『NIP/TUCK マイアミ整形外科医』や『FBI:Most Wanted~指名手配特捜班~』といった作品で主演を務め、特に海外ドラマの世界でその存在感を放ち続けたジュリアン・マクマホンが、癌との懸命な闘病の末、7月2日に56歳でこの世を去った。
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【訃報】『NIP/TUCK』『FBI』ジュリアン・マクマホン、闘病の末56歳で逝去
『NIP/TUCK マイアミ整形外科医』や『FBI:Most …
最愛の妻が明かしたジュリアン・マクマホンの最期と感謝の言葉
ジュリアンの訃報は、彼の妻であるケリー・マクマホンが、米エンタメ情報サイトDeadlineへの声明を通じて正式に確認された。ケリーはその声明で、最愛の夫の死を以下のように悼んでいる。
「心を開いて、世界の皆さまにお伝えしたいのは、私の愛する夫、ジュリアン・マクマホンが、癌に立ち向かう勇敢な闘いの末、今週安らかに息を引き取ったということです。ジュリアンは人生を愛していました。家族を愛し、友人を愛し、仕事を愛し、ファンを愛していました。彼の一番の願いは、できるだけ多くの人々の人生に喜びをもたらすことでした。私たちは、この時期に家族が静かに悲しみを癒せるよう、ご支援をお願い申し上げます。そして、ジュリアンが喜びをもたらしたすべての方々が、これからも人生に喜びを見出し続けられますように。私たちは思い出に感謝しています」
オーストラリアからハリウッドへ駆け上がった輝かしいキャリア
ジュリアンの俳優としてのキャリアは、母国オーストラリアから始まった。1989年、短命に終わったソープオペラ『The Power, the Passion(原題)』でデビューを飾り、その後は人気ドラマ『Home and Away(原題)』に出演し、知名度を上げていく。
彼の才能は海を越え、1993年にはNBCのソープオペラ『Another World(原題)』でアメリカデビュー。そして、NBCの『プロファイラー/犯罪心理分析官』でジョン・グラント役を、The WBの『チャームド~魔女3姉妹』ではコール・ターナー役を演じ、レギュラー出演としてその存在感を確立していった。
『Nip/Tuck』でゴールデングローブ賞ノミネート、そして主演の座へ
ジュリアンがそのキャリアで最も輝きを放ったのは、2003年からFXで放送されたライアン・マーフィー(『アメリカン・ホラーストーリー』)のドラマ『Nip/Tuck マイアミ整形外科医』だろう。ディラン・ウォルシュ(『アンフォゲッタブル 完全記憶捜査』)と共演したこの作品で、彼はクリスチャン・トロイ医師という複雑な役柄を熱演。その演技は批評家からも高く評価され、ゴールデングローブ賞にノミネートされる快挙を成し遂げた。このドラマは6シーズンにわたり人気を博し、2010年に幕を閉じた。
『FBI: Most Wanted』のチームリーダーから、最後の出演作まで
『Nip/Tuck』での成功後も、ジュリアンは第一線で活躍を続けた。2019年にはCBSの人気犯罪捜査ドラマ『FBI: Most Wanted~指名手配特捜班~』で、チームリーダーのジェス・ラクロワ役にキャスティングされ、再び主演として視聴者を魅了した。彼はこのドラマで3シーズンにわたりチームを牽引し、2022年3月に惜しまれつつも降板している。
彼の最後の出演作は、今年初めにNetflixで配信されたホワイトハウスを舞台にしたドラマ『ザ・レジデンス』であった。この作品で、ジュリアンはオーストラリア首相を演じた。興味深いことに、この役は彼の父親であるビリー・マクマホンが1971年から1972年に実際に務めていた役職でもあり、親子二代にわたる縁に彼のルーツを感じさせるものであった。
この他にも、ジュリアンはドラマ『マーベル ランナウェイズ』や、2005年の映画『ファンタスティック・フォー』およびその2007年の続編『ファンタスティック・フォー:銀河の危機』といった大作にも出演し、その幅広い演技力で観客を楽しませてきた。
ジュリアン・マクマホンの突然の訃報は、世界中のファンにとって大きな悲しみである。しかし、彼が残した数々の名演は、これからも色褪せることなく、人々の記憶に残り続けることであろう。
ジュリアンの代表作の一つ『NIP/TUCK マイアミ整形外科医』はU-NEXTで配信中。(海外ドラマNAVI)