アメリカのTVがピークを迎えつつあると言われている今日、世界最大の映像配信サービスNetflixの成長はなおも著しく、2018年にも多くの新番組を配信しようとしている。その理由について、同社のコンテンツ部門最高責任者であるテッド・サランドスが、米Varietyのインタビューで明かした。
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Netflixは8月半ば、米ABCの人気番組『グレイズ・アナトミー』や『スキャンダル 託された秘密』を手掛ける売れっ子プロデューサー、ションダ・ライムズと新作ドラマ制作の契約を交わすなど、積極的な攻勢が目立つ。また、オリジナル作品の制作費として、2018年には70億ドルという、前年・前々年を上回る巨額を投じることも明らかになった。「Netflixのラインナップの大多数は、今でもTV局などからライセンスを供与されたコンテンツだが、数年後には、オリジナルタイトルの割合が半分までいくようにしたい」と、サランドスは抱負を述べている。
これだけオリジナル作品に力を入れるのは、最近のハリウッドにおいて、配信サービスに力を注ぐ大手スタジオやTV局が現れているのが理由の一つとなっているようだ。とくにディズニーは、2019年にピクサー作品を含むファミリー映画をNetflixから引き上げ、独自の配信サービスを立ち上げることを今年8月初めに発表している。
サランドスによれば、5年前にオリジナル作品を作り始めたNetflixは、ハリウッドの激震をすでに見越していたとのこと。彼はさらに、「成功を収めれば収めるほど、TV局は番組のライセンスを供与してくれなくなってしまうのではないか」とも語っており、こうした不安もオリジナル作品の制作に拍車をかけているようだ。
その攻勢が成長に結びついている反面、最近では『ゲットダウン』、『センス8』など大予算を投じたドラマの打ち切りが目立ち、今年から本格的に乗り出した映画ビジネスも、順調とはまだいいがたい。それでも、変化の激しい業界において最前線に立ち続けるために、今後もリスクを承知で、オリジナル作品の制作に力を注いでいくということだ。(海外ドラマNAVI)
Photo:Netflix操作画面
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