2017年も行ってきました、LAスクリーニング！ NAVI編集部スタッフが一足お先に鑑賞してきた新作ドラマをスタジオ別にご紹介していく特別企画。CBSといえば、『NCSI ～ネイビー犯罪捜査班』、『ジェーン・ザ・ヴァージン』、『HAWAII FIVE-0』などの作品を手がけているスタジオ。今年は映画並みのクオリティで見せるミリタリー系の作品が2本も入っている。
※タイトル、クレジットはLAスクリーニング2017開催時のものです。実際の放送時には異なる場合があります。
目次
『9JKL』
『救命医ハンク セレブ診療ファイル』で7年に渡りハンク・ローソンを演じていたマーク・フォイアスタインと彼の妻で『フレンズ』や『フアン家のアメリカ開拓記』などでプロデューサーを務めたダナ・クレインが手掛けるシットコム。
離婚後、12年ぶりに昔暮らしていたニューヨークの親元へ戻ってきた俳優のジョシュ（ハンク・ローソン）。久々に家族との生活を"適度に"楽しもうと思ったのもつかの間...かわいい息子が近くにいるという嬉しさでひっきりなしに彼との時間を過ごそうとやってくる両親。
実はジョシュが暮らすアパートの部屋（9K）の隣には両親（9J）と子どもが生まれたばかりの兄家族（9L）が住んでおり、そんな彼らに挟まれ"サンドウィッチ状態"のジョシュ。母親はアパートのベルボーイにこっそりお金を払いジョシュが帰宅したら連絡をするように仕込んだり、義理の妹はジョシュの家の冷蔵庫を勝手に使ったり（牛乳だと思ってジョシュがコーヒーに入れていたのが実は...）とやりたい放題。久々に再会した憧れの女性とのデートの約束をするも両親が邪魔に入ってきてしまい、うんざり。慰謝料を払っているためすぐに新しい家を探すお金もないし...。仲が良すぎる家族に悩まされるジョシュのこれからはどうなっていくのか？
ジョシュの父親を『フレンズ』のジャック・ゲラー役（ロス＆モニカの父親）を演じていた実力派俳優のエリオット・グールドが、母親をリンダ・ラヴィン（『マイ・インターン』）、兄をデヴィッド・ウォルトン（『バッド・ママ』）が演じている。
製作スタジオ：CBS
放送局＆放送開始日：CBS 2017/10/02
製作総指揮：マーク・フォイアスタイン（『救命医ハンク セレブ診療ファイル』）など
出演者：マーク・フォイアスタイン、エリオット・グールド（『フレンズ』）、デヴィッド・ウォルトン（『New Girl ～ダサかわ女子と三銃士』）ほか
『Wisdom of the Crowd』ジェレミー・ピヴェン主演の犯罪サスペンスドラマ
海外ドラマファンには『アントラージュ★オレたちのハリウッド』のヤリ手エージェントことアリ・ゴールド役、そして『セルフリッジ 英国百貨店』では主役ハリー・セルフリッジとしてお馴染みのジェレミー・ピヴェン主演の犯罪サスペンス・ドラマ。
1年前に殺された愛娘ミアの命日を1週間後に控えたシリコン・バレーの天才ジェフリー・タナー（ジェレミー・ピヴェン）は、不特定多数の人々の寄与を利用するクラウド・ソーシングを利用した新たな犯罪解決アプリの立ち上げを発表した。その名は「ソフィー」。ミアの殺人罪で勾留中の青年は真の殺人犯ではないと疑い始めたジェフリーは、"少数のアイデアより多数のアイデアをまとめて解析したほうが正確な結果を得られる"という法則に則り、真犯人の糸口を得ようと「ソフィー」を開発するにいたった。
ミアの殺人事件に対する有力な新情報提供者には1億ドルの報酬を与えると公表したあと、当時ミアの殺人事件を担当していたものの理由不明なままに担当を外されていたキャバナー刑事に協力を頼む。アプリによるプライバシーの侵害と警察の捜査への悪影響を懸念するキャバナーは渋々協力を引き受けるものの、やがて一般犯罪においてもアプリが持つ不特定多数パワーの効力に圧巻される。アプリが娘の殺人事件以外でも貢献できると認識したアプリのCTOでジェフリーの恋人でもあるサラは、ジェフリーにアプリを使用して娘の殺人事件を解決するだけでなく一般犯罪の解決にも役立てるべきとすすめる。弁護士でジェフリーの親友でもあるマイクは、そんな状況に懸念の念を示すものの、「ソフィー」の一般犯罪への使用をジェフリーは推進する決定をする。
タイトルにもなっている、「Wisdom of the Crowd」は直訳すると「大衆の英知」ということになるものの、その「大衆」が直面するインターネット上でのプライバシー問題、そして大衆が提供できる「英知」と共に群集心理の恐ろしさといったものを、さりげないコントラストで見せているパイロット版は、今作のこれからの展開を期待させる。（取材・文： 明美・トスト / Akemi Tosto)
製作スタジオ：CBS
放送局＆放送開始日：CBS 2017/10/1
製作総指揮：テッド・ハンフリー（『グッド・ワイフ』）など
出演者： ジェレミー・ピヴェン（『セルフリッジ 英国百貨店』）、リチャード・T・ジョーンズ（『ターミネーター：サラ・コナー クロニクルズ』）、ナタリア・テナ（『ゲーム・オブ・スローンズ』）、モニカ・ポッター（『ボストン・リーガル』）ほか
『Instinct』アラン・カミングが元CIA捜査官に扮する注目作
Join us on Sunday 6/11 for a sneak screening of new @CBS thriller #Instinct, w/creator @Michael_Rauch, director @MarcW + star @bojnovak! pic.twitter.com/t0mSyZ15bx
— ATX TV Festival (@ATXFestival) 2017年5月25日
大ヒットドラマ『グッド・ワイフ』のイーライ・ゴールド役や映画『X-MEN2』のナイトクローラー役などで知られる演技派俳優アラン・カミング主演の犯罪サスペンスドラマ。
やり手のCIA捜査官だったディラン・ラインハート博士（アラン）は、退職後売れっ子の作家としてデビューし、大学で教鞭も取るという悠々自適な生活を送っていた。だがある日、出版社の担当ジョーンから「作品のタッチに鋭さがなくなった」と指摘され、現在の人生に自分が求めるものは何かと自問自答を始める。そんな矢先にNYPDの有能捜査官リジー・ニードハム（ボヤナ・ノヴァコヴィッチ）から、ディランの著書を参考にした連続殺人が発生したので協力してほしいと要請が入る。一匹狼で周囲を拒絶しているリジーは上司の心配の種でもあった。ディランはリジーとの関係に困惑するものの、やがて彼女の邪険な態度は、1年前の不幸な事件が発端となった心の傷からであることを知る。ディランはリジーと心が通いだすとともに、犯罪捜査の興奮を再び味わうことになり心を踊らせる。一方、ディランの夫アンディは、一緒になる時にディランが交わした「2度と犯罪捜査の危険な世界に戻らない」という誓いを破りつつあることを悟って暗い気持ちになるのだった。
米国ネットワーク局製作ドラマシリーズ初主演のアラン。主人公がゲイの元CIA捜査官というのも中々フレッシュなアプローチで、繊細な演技を得意とするアランの活躍が期待できそう。主人公ディランの出版社の担当ジョーンをウーピー・ゴールドバーグが演じているというのも面白い。（取材・文： 明美・トスト / Akemi Tosto)
製作スタジオ：CBS
放送局＆放送開始日：未定
製作総指揮：アラン・カミング、アレックス・カーツマン（『スター・トレック：ディスカバリー』）など
出演者：アラン・カミング（『グッド・ワイフ』）、ボヤナ・ノヴァコヴィッチ（『シェイムレス 俺たちに恥はない』）、ウーピー・ゴールドバーグ（『天使にラブ・ソングを...』）、マイケル・B・シルヴァーほか
『Seal Team』デヴィッド・ボレアナズが米海軍特殊部隊のキャプテンに！
大人気シリーズ『BONES −骨は語る−』のシーリー・ブース役で知られるデヴィッド・ボレアナズが世界最強と言われるSEAL（米海軍特殊部隊）のキャプテンを演じるミリタリードラマ。
ジェイソンは米海軍特殊部隊の仲間たちはもちろん、軍のトップ関係者からも一目置かれた優秀なリーダー。不可能と思われる作戦も成功に導く冷静沈着さと鋼の精神力でエリート部隊を率いてきた。家族を含む部外者は当然のこと軍の中でもトップシークレット扱いの緊急かつ危険なミッションを遂行してきたジェイソンだが去年の冬の作戦で払った犠牲は大きく、PTSD（心的外傷後ストレス障害）を懸念した軍から心理カウンセリングを受けるように命令を受けていた。嫌々ながらに受けるカウンセリングでたびたびフラッシュバックに襲われるジェイソン。だが絶対に弱味を見せない性格のジェイソンは心の傷を隠し続ける。大切な祖国と人々を守るためそして自己防衛のために築いた心の壁は愛する家族をも遠ざけて溝を広げていく。そんな渦中にあろうとも、周囲に同じ境遇を抱える仲間たちと困難な境遇に立ち向かいながら、ジェイソンは命をかけたミッションに果敢に乗り込んでいく。
『BONES』でも陸軍元スナイパーという肩書きのある役を演じているデヴィッドだが、この新番組でもエリートSEAL隊員として大活躍。敵地に怖いもの知らずで乗り込んでいく主人公のジェイソンが普段の自信過剰ともとれる態度とイカついルックスとは裏腹に、過去の痛手に苦しむ伏線はデヴィッドの繊細な演技が光り見ているものを惹きつけ、アクションばかりになりがちなSEALを扱ったドラマに厚みを与えている。（取材・文： 明美・トスト / Akemi Tosto）
製作スタジオ：CBS
放送局＆放送開始日：CBS 2017/9/27
製作総指揮：サラ・ティンバーマン（『エレメンタリー ホームズ＆ワトソン in NY』）など
出演者：デヴィッド・ボレアナズ（『BONES −骨は語る−』）、マックス・シエリオット（『ベイツ・モーテル』）、Ａ・Ｊ・バックリー（『CSI：ニューヨーク』）ほか
『Valor』美男美女で贈るミリタリー系ミステリードラマ
タイトルにもなっている「Valor」とは戦場での「武勇」あるいは「勇気」を表す言葉。
主人公となる米陸軍秘密部隊ヘリのパイロットであるリーランド・ガロ隊長と、女性操縦士ノラ・マダニ隊員はソマリアでの敵軍重要参考人の秘密抽出作戦での働きから武勇勲章を授与された仲間だ。ノラはそのミッションから戻って以来、被弾した脚の激痛と不安症状に悩まされていた。いよいよ任務復帰の初日。上司かつ同棲中のBFでもあるポーター中尉はノラが痛み止めへの依存を隠しているだけでなく、もっと重要なことを隠している気がして仕方がない。
一方、ノラはソマリアでの恐怖を唯一知っているリチャードと久々に会うのは嬉しかった。彼が担当するヘリのパイロット・テストに合格しなければ彼女はパイロットとしての任務に復帰できない。ノラにとってデスクワークなど死ぬのと同じだ。ソマリアでの悪夢が蘇り危うくテストに落第しそうになるが、ギリギリで合格したノラはリチャードと見つめ合う。この二人がソマリア作戦の最中に恐ろしい国家機密を目撃してしまっていた事実はまだ誰も知らなかった...。
ガロ隊長を演じるマット・バーは人気シリーズ『スリーピー・ホロウ』後半に登場したニックを演じていた男優だが、『Valor』がネットワークにおける初の主演作品となる。主役ノラを演じるクリスティーナ・オチョアも新人の域だが、本作での活躍が期待される。（取材・文： 明美・トスト / Akemi Tosto)
製作スタジオ：CBS
放送局＆放送開始日：CW 2017/10/9
製作総指揮：ビル・ヘイバー（『リゾーリ＆アイルズ』）など
出演者： マット・バー（『スリーピー・ホロウ』）、クリスティーナ・オチョア（TV版『Animal Kingdom（原題）』）、ブライアン・スタップ（『ウォーキング・デッド』）ほか
『Salvation』『HAWAII FIVE-0』と『マスケティアーズ』のイケメン二人が地球を救う!?
リアムはマサチューセッツ工科大学の大学院生。徹夜で研究室につめた挙句、思い切りセミナーに遅刻してしまう。今日のスピーカーはリアムも尊敬するテック業界のスーパースターであるダリウス・タンツ。宇宙開発の提唱者であるダリウスは、地球上から恐竜を絶滅させた隕石の落下、最近ロシアで起きた予期せぬ巨大隕石の落下などの例から見ても地球絶滅規模の隕石落下は時間の問題で、人類を守るために火星への移住計画は夢物語などではなく必須事項であると解く。
そんな矢先にリアムは自分が開発した宇宙監視システムが異常データをはじき出していることに気づく。このままだと3カ月で巨大隕石が地球に激突する。最初はリアムのセオリーを取り合って来られなかった大学院の博士もリアムのデータが正確であることを知り、慌てて政府の知り合いに連絡を取る。やがて恩師を訪ねて行ったリアムは、教授の住まいがメチャクチャに荒らされているのを発見すると共に政府の手下らしき男から後を追われることになる。
命の危険を感じ必死の思いでダリウスに助けを求めるリアム。ダリウスもリアムのセオリーが正しいと判断し一緒にペンタゴンへ飛ぶ。だがダリウスの友人で国防副長官であるハリス（イアン・アンソニー・デイル）は外部の助けを一切受け付けない政府のスタンスを守り、状況をひた隠しにしようとするのだが...。
全米で7月12日に放映開始予定のSFサスペンス。映画『アルマゲドン』のお膳立てと『アイアンマン』のトニー・スターク的な二人のヒーローが主人公で、特撮満載ドラマとくれば興味を持たずにはいられない。（取材・文： 明美・トスト / Akemi Tosto)
製作スタジオ：CBS
放送局＆放送開始日：CBS 2017/7/12
製作総指揮：スチュアート・ギラード（『新ビバリーヒルズ青春白書』）ほか
出演者：イアン・アンソニー・デイル（『HAWAII FIVE-0』）、サンティアゴ・カブレラ（『マスケティアーズ／三銃士』）、ジェニファー・フィニガン（『女検察官アナベス・チェイス』）など
『ツイン・ピークス The Return』：鬼才デヴィッド・リンチのカルト的シリーズの続編
1990年代前半にカルト的な人気を誇った『ツイン・ピークス』の復活版。
クーパー捜査官を引き続き演じるカイル・マクラクランをはじめとしたオリジナルキャストが多数登場するほか、新キャストとして、アマンダ・セイフライド（『レ・ミゼラブル』）、ナオミ・ワッツ（『マルホランド・ドライブ』）、モニカ・ベルッチ（『007 スペクター』）なども加わり、217人ものキャスト名が発表されている。
ブラック・ロッジにてローラから「25年後にまたあなたに会うわ」と告げられたクーパー捜査官。それから時が経ち、ツイン・ピークスの町では保安官のトミーが"丸太おばさん"ことマーガレットから「クーパーに関する何かがなくなっている」という連絡を受ける。一方、NYでは透明な箱を見つめるだけという謎のアルバイトをしている青年が恋人ともに得体の知れない何者かに殺害される。また、サウスダコタ州のアパートでは女性の変死体が発見されるのであった...。
製作スタジオ：CBS
放送局＆放送開始日：米Showtime／WOWOWにて放送中
製作総指揮：マーク・フロスト（『ツイン・ピークス』）、デヴィッド・リンチほか
出演者：カイル・マクラクラン（『デスパレートな妻たち』）、シェリル・リー（『ダーティ・セクシー・マネー』）、メッチェン・エイミック（『リバーデイル』）、ナオミ・ワッツ（『ヤング・アダルト・ニューヨーク』）など
『The Good Fight』日本上陸期待！『グッド・ワイフ』スピンオフ
7シーズン続いた大ヒット法廷ドラマ『グッド・ワイフ』の最終話から1年後を描くスピンオフ。手掛けるのは、オリジナルのクリエイターであるロバート＆ミシェル・キング夫妻。
『グッド・ワイフ』初回から芯が強く経験豊かな女性として登場していたダイアン・ロックハートの法律事務所に、彼女が名付け親として可愛がっている新米弁護士マイア・リンデルが入所。ダイアンは貯めてきた財産で自由気ままな生活を送るべく引退を宣言、マイアは期待の新人としての一歩を踏み出し、全てが順風満帆かと思われた。しかし、ある金融詐欺に関与した容疑でマイアの父親が逮捕されたことから、評判がガタ落ちしたマイアは職を失うことに。その詐欺に投資していたダイアンは貯金がゼロとなり、屈辱の中で事務所のメンバーや昔の仕事仲間に職を乞うも、全員に首を横に振られてしまう。
そんな時、ダイアンはオリジナルのシーズン7でレギュラーとして登場していたルッカ・クインの働く法律事務所から誘われ、マイアを連れていくことに。全財産を失い、自分が築いた事務所に爪弾きにされたダイアンと、すっかり打ちのめされてしまったマイアは、再生に向けて歩き出す...。
この物語は当初、ヒラリー・クリントンが大統領になることを見越して製作されたものであったため、ドナルド・トランプの就任が決まった際には、彼の大統領就任ニュースを唖然と見つめるダイアンのアップの映像が、急遽冒頭に付け足されたという。第1話でダイアンの口から発される「正しいかどうかでなくて、必要とされているかよ」という台詞は、登場人物だけでなく、クリエイターなどあらゆる人々の思いが凝縮された重みのある言葉ではないだろうか。
製作スタジオ：CBS
放送局＆放送開始日：CBS シーズン2が2018年に放送予定
製作総指揮：ロバート・キング、ミシェル・キング（『グッド・ワイフ』）、リドリー・スコット（『NUMB3RS ナンバーズ ～天才数学者の事件ファイル』）など
出演者：クリスティーン・バランスキー（『グッド・ワイフ』）、クシュ・ジャンボ（『ヴェラ ～信念の女警部～』）、ローズ・レスリー（『ゲーム・オブ・スローンズ』）、デルロイ・リンドー（『BELIEVE／ビリーブ』）、エリカ・タゼル（『JUSTIFIED 俺の正義』）、サラ・スティール（『LAW & ORDER ロー＆オーダー』）、ジャスティン・バーサ（『ハングオーバー！ 消えた花ムコと史上最悪の二日酔い』）ほか
