大人気ドラマ『CSI』シリーズでおなじみのジェリー・ブラッカイマーが製作総指揮を手掛け、米CBSにて2003年から2010年まで7シーズンにわたり放送された『コールドケース』。"コールドケース"と呼ばれる未解決の凶悪犯罪を再捜査するフィラデルフィア警察の活躍を描いた犯罪捜査ドラマは、日本版が作られた通り、放送終了から5年以上が経った今でも深い印象を残している。その歴史を築いた出演者のその後を追ってみたい。
■キャスリン・モリス(リリー・ラッシュ役)
フィラデルフィア警察殺人課の紅一点(番組当初)で、自身の辛い過去もあって被害者たちに深く感情移入するリリーを演じたキャスリン。アカデミー賞主演男優賞・主演女優賞に輝いた映画『恋愛小説家』や、『プロビデンス』『ジェシカおばさんの事件簿』といったTVシリーズに端役で出演していたが、21世紀に入るとスティーヴン・スピルバーグ監督の『A.I.』(2001年)と『マイノリティ・リポート』(2002年)、ベン・アフレック主演の『ペイチェック/消された記憶』(2003年)と数々の話題作に印象的な役で登場した。『コールドケース』で世界的な知名度を得た後は、『パーフェクト・ガイ』『ラストウィーク・オブ・サマー』といったサスペンス映画のほか、ジョシュ・ホロウェイ(『LOST』)とサラ・ウェイン・キャリーズ(『プリズン・ブレイク』)主演のSFドラマ『Colony(原題)』にゲスト出演。サラ・シャヒ(『パーソン・オブ・インタレスト』)主演の新作ドラマ『Reverie(原題)』に出演することも決まっている。私生活では、『コールドケース』で共演したジョニー・メスナーと2010年から交際し、2013年8月に双子の男の子を出産しママとなっている。
■ダニー・ピノ(スコッティ・ヴァレンズ役)
麻薬課から殺人課へ異動してリリーの相棒となった、熱血漢のスコッティを演じたダニー。そのスコッティ役で同じくブラッカイマーが製作総指揮を担当する『CSI:ニューヨーク』にゲスト出演したこともあったが、ドラマファンには『コールドケース』に続いてレギュラー出演を果たした『LAW & ORDER:性犯罪特捜班』のニック・アマーロ役でもおなじみだろう。ニックとしては、『LAW & ORDER』同様にディック・ウルフがプロデュースする『シカゴ P.D.』にも登場している。『あの日、欲望の大地で』『2ROOMS トゥー・ルームス』といった映画にも出演しているが、現在も主な活動場所はTVで、『グッド・ワイフ』のクリエイターが手掛けた『BrainDead(原題)』のほか、2018年全米放送予定の犯罪ドラマ『Gone(原題)』への参加が決まっている。
■ジェレミー・ラッチフォード(ニック・ヴェラ役)
お調子者だけど憎めないヴェラを演じたジェレミー。アカデミー賞4部門受賞の西部劇『許されざる者』(1992年)で保安官を演じたほかは、小さめの映画やTVドラマのゲスト出演が続いていたが、2001年から2003年にかけて母国カナダの刑事ドラマ『Blue Murder(原題)』でメインキャストの一人に起用される。『コールドケース』終了後も、『シェイムレス 俺たちに恥はない』や『パーセプション 天才教授の推理ノート』『フィラデルフィアは今日も晴れ』で刑事を演じた。また、『HAWAII FIVE-O』『メンタリスト』『BONES』『クリミナル・マインド 国際捜査班』『NCIS ~ネイビー犯罪捜査班』といった人気ドラマにも顔を出している。声の仕事も何作か経験しており、『X-MEN』のアニメーションシリーズではバンシー/ショーン・キャシディの声を担当していた。
■トム・バリー(ウィル・ジェフリーズ役)
古株で穏やかな性格のジェフリーズを演じたトム。1990年代は『シカゴ・ホープ』『ER 緊急救命室』『アポロ13』『インデペンデンス・デイ』といった人気ドラマ、大作映画で端役を演じていたが、2000年頃から『ワイルド・スピード』シリーズでエージェント・ビルクニスを演じたのをはじめ、『ザ・ホワイトハウス』『ザ・プラクティス/ボストン弁護士ファイル』などで複数のエピソードに出演と、出番を増やしていく。『コールドケース』放送中に『crash クラッシュ』にゲスト出演。終了後は『Dr.HOUSE』『グレイズ・アナトミー』『パーセプション 天才教授の推理ノート』でゲストを務めた。新作映画は、エディ・マーフィ主演のコメディ『Mr. Church(原題)』やアクション『Phoenix 454(原題)』。
■ジョン・フィン(ジョン・スティルマン役)
チームの頼れるボス、スティルマン警部を演じたジョン。デンゼル・ワシントン共演の『グローリー』、シルヴェスター・スタローン主演の『クリフハンガー』、クリント・イーストウッド監督・主演の『トゥルー・クライム』、ロバート・デ・ニーロ主演の『アナライズ・ユー』、レオナルド・ディカプリオ主演の『キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン』といった話題作に出演していたベテラン。ドラマでも『X-ファイル』『NYPD BLUE ~ニューヨーク市警15分署』『ドーソンズ・クリーク』『シカゴ・ホープ』といった人気タイトルでゲストを務めた。『コールドケース』出演後も『SUITS/スーツ』『HOMELAND』『ブラックリスト』『エレメンタリー ホームズ&ワトソン in NY』『NCIS ~ネイビー犯罪捜査班』『グッド・ワイフ』といったドラマで活躍。キャサリン・ハイグル主演の『Doubt(原題)』にも出演していたが、同作は最初の2話を放送した時点で打ち切られることに。現在は新作映画が数本待機中。クリス・エヴァンス(『キャプテン・アメリカ』)主演の『gifted/ギフテッド』が11月23日(木・祝)から日本公開されるほか、ブラッド・ピット主演の『Ad Astra(原題)』、ソフィア・ベルガラ主演の『Bent(原題)』などの公開が控える。
Photo:『コールドケース』
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