【まとめ】現実に起きた事件の影響で放送が延長になったTVシリーズ9作品

TVドラマでは、予定していた放送内容が現実社会で起きてしまった事件と類似した内容、もしくは想起させてしまう場合、放送を延期させたり、放送内容を変更させることがしばしばある。今回は、放送延期&お蔵入を余儀なくされたTV番組9作品をご紹介。

1.第40回アカデミー賞
1968年4月8日に授賞式が行われる予定だった第40回アカデミー賞。しかし、そのわずか4日前にキング牧師の名で親しまれたマーティン・ルーサー・キング・ジュニアが暗殺されたことを受け、予定より2日遅れて開催された。黒人俳優として初めてアカデミー主演賞を獲得したシドニー・ポワチエ(『野のユリ』)やブロードウェイで活躍したサイミー・デイヴィス(『キャノン・ボール』)ら、アカデミー賞授賞式に出席予定だった多くの俳優たちが同日(4月8日)に執り行われたキング牧師の葬儀へ出席するためだったようだ。

2.『バフィー〜恋する十字架〜』
1999年4月20日に起きたコロンバイン高校銃乱射事件の影響で、2度の放送延期があった本シリーズ。1度目はシーズン3第18話「声が聞こえる距離(原題:Earshot)」。ライフル銃を手にした学生を中心とした物語で、コロンバイン高校の事件の翌週に放送予定だった。2度目はシーズン3最終話の「卒業の日パート2(Graduation Day, Part Two)」。このエピソードには大事件の末、学校が破壊されてしまうシーンが盛り込まれていたため、放送予定の2時間前に延期が決定、約2カ月後に放送された。

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3.『ハンニバル』
本作のシーズン1第4話は、洗脳された子どもが家族を殺してしまうというあらすじだった。しかし、放送日の約4カ月前、2012年12月14日に起きたサンディフック小学校銃乱射事件を踏まえて、米国での放送はキャンセル。後にiTunesやAmazonで販売、DVDに収録された。

4.第53回エミー賞
2001年9月16日に授賞式が行われる予定だった第53回エミー賞。しかし、その5日前に起きたアメリカ同時多発テロの影響で延期された。その後別の日程で開催が予定されたが、アメリカがアフガニスタンに対し空爆を開始したため再度延期に。最終的に、授賞式は11月4日に開催されたが、エミー賞のようなメジャーな賞の式典が2度も延期されたのは初めてのことだった。

5.『フレンズ』
アメリカ同時多発テロの影響を考慮したのはエミー賞だけではない。『フレンズ』シーズン8第3話「衝撃のロス(原題:The One Where Rachel Tells...)」には、当初チャンドラー(マシュー・ペリー)が空港内で爆発に関するジョークを言ったためにセキュリティーチェックで引っかかり尋問を受ける、というシーンが用意されていた。テロ後に脚本は書き直され、二人が飛行機の座席をアップグレードさせようと策を練るという展開に変更された。

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6.『キャッスル 〜ミステリー作家は事件がお好き』
人気ドラマのシーズン5第22話「爆弾(原題:Still)」は、時限爆弾を探し解体するという話で当初は21話目の放送予定だったが、2013年4月に起きたボストンマラソン爆弾テロ事件の影響で次週分のエピソードを先に放送することになった。

7.『MR.ROBOT/ミスター・ロボット』
シーズン1の最終話は米USA Networkにて2015年8月26日に放送予定だったが、バージニア州ロアノークで記者二人が銃殺される事件が発生し、犯人はその後自殺。同日放送予定だったこのエピソードには自殺に関連したエピソードが含まれていたため、翌週まで延期された。

8.『ザ・ラストシップ』
『ザ・ラストシップ』シーズン3初回はナイトクラブで男が銃を乱射するシーンから始まるが、2016年6月12日にフロリダ州オーランドのナイトクラブで起きた銃乱射事件を受け、放送を延期した。

9.『ザ・シューター/極大射程』
同様に、ライアン・フィリップ主演の『ザ・シューター/極大射程』はテキサス州ダラスで起きた警察官射殺事件、ルイジアナ州バトンルージュで発生した警察官襲撃事件を受け、度重ねて放送スケジュールを変更していた。

Photo:『HANNIBAL / ハンニバル』シーズン3 (C)2015 Sony Pictures Television Inc. All Rights Reserved. 『キャッスル~ミステリー作家は事件がお好き』シーズン8 (C)ABC Studios.