世界中で大ヒットしている大河ファンタジードラマ『ゲーム・オブ・スローンズ』(以下『GOT』)に登場した撮影ロケ地が、観光客が殺到して環境に悪影響を及ぼしていることを理由に車両通行止めになると、英Digital Spyが報じている。
【関連記事】『ゲーム・オブ・スローンズ』に現地アメリカはどう反応してきたか?
車両通行止めとなったのは、北アイルランドのアントリム州アーモイにあるブレガー通りで、ここは『GOT』シーズン2第1話「王の乱立」に登場したキングスロードのロケ地として有名な場所。劇中では、少年の恰好をして王都を逃げ出したアリア・スターク(メイジー・ウィリアムズ)が、ジェンドリー(ジョー・デンプシー)とともに馬車に乗って通った道として知られている。
ブナの木が立ち並んで天然のトンネルのように見える並木道は非常に美しく、『GOT』のファンではなくとも見るに値するほどの景観だ。しかし近年は同シリーズのロケ地を一目見ようとこのブレガー通りを通り抜けようとする人たちや車で込み合うようになったため、当局が車両通行止めを発令する事態にまで発展。この通りのブナの木々は18世紀に植えられたとのことで、増加の一方を辿る車両が排出する排気ガスのせいで周囲の環境が壊されることを危惧した環境保護団体が警鐘を鳴らしていた。
地域住民が乗る農耕作業用車両と緊急車両を除き、一般車両やツアーバスなどは通行禁止となり、これを破った者には1100ユーロ(約14万5000円)の罰金が課せられる。先月にはドラゴンストーン城のロケ地となったスペイン・バスク地方の礼拝堂が、観光客殺到により環境保護局が文化財の保護に向けて動き出すという話も伝えられている。美しい場所が被害をこうむるのは残念な話だが、これも『GOT』の人気のほどを物語っていると言えそうだ。(海外ドラマNAVI)
Photo:『ゲーム・オブ・スローンズ』
©2012 Home Box Office, Inc. All rights reserved. HBO® and all related programs are the property of Home Box Office, Inc.