『ブレイキング・バッド』ブライアン・クランストン、ケヴィン・スペイシーらに「2度目のチャンスを」

ハリウッド全土でセクハラ騒動が持ち上がっていることは当サイトでもお伝えしてきた通り。そんな中、その口火を切ったと言えるハーヴェイ・ワインスタインや、疑惑が報じられた中では特に知名度の高いケヴィン・スペイシーに対し、2度目のチャンスを与える可能性について述べた、ある俳優のコメントが話題となっている。

その俳優とは、『ブレイキング・バッド』のウォルター・ホワイト役で4度エミー賞を受賞し、『トランボ ハリウッドに最も嫌われた男』でアカデミー賞主演男優賞にノミネートされたブライアン・クランストン。先週「(ケヴィンの)キャリアは終わった」と発言していた彼は、その後に受けた英BBCのインタビューで、「ケヴィンやワインスタインが復帰できる可能性はあるか?」と質問され、以下のように語った。

「世間から許してもらうには時間がかかるだろう。彼らは悔いていることを示し、自身が心理的あるいは感情的に根深い問題を抱えていることを理解し、しっかりと時間をかけてそれを解決する必要がある。だが、心から謝罪し、改心して自分の行動を擁護する代わりに許しを求めれば、もしかしたら許されるかもしれない。そうなれば、その人に2度目のチャンスを与えるかどうかは我々次第だ」

ブライアンは続けて、そうした人々に対し、社会的に抹殺したり、その後の人生がうまくいかないよう望むのではなく、「もっと広い心で」接するべきだと説いている。

とはいえ、ブライアンはこの度、セクハラ問題がこれほど注目を集めたことによるポジティブな効果も評価している。「今回は、よく知られた人々が関わっていたことから、これだけ注目を集めた。だが、人を食い物にする行為というのは、ハリウッドに限った話ではなく、社会全体の問題だ。こうしてあらゆる場所に人の目が注がれるようになったのは素晴らしいことだよ」と、こうした問題がかつては陽の目を見ないことが多かった傾向が変わったことを評価。さらに、「人々が、自分の行動を振り返るようになった」と、自分の行動が相手に不快感を与えていないかを誰もが意識するきっかけとなったと述べている。

なお、当のワインスタインは一連の疑いについて否定しているが、自身の会社の会長職から降ろされたほか、アカデミー協会をはじめとした各協会から除名され、これまでに手にした名誉職や勲章も次々と剥奪されている。さらには、匿名の女優からセクハラで民事訴訟も起こされた。

一方のケヴィンは、俳優のアンソニー・ラップが申し立てた、未成年だった当時の彼への性的アプローチについて「記憶にない」と発言。その後、『ハウス・オブ・カード 野望の階段』の主役から降ろされ、全米で12月22日(金)公開予定の新作映画『All the Money in the World(原題)』からは彼の映像がカットされ、急遽クリストファー・プラマー(『人生はビギナーズ』)が彼の役を演じ直すことが決定している。(海外ドラマNAVI)

Photo:ブライアン・クランストン
(C)FAM020/FAMOUS