ディズニー・チャンネル新番組『アンディ・マック』アンディ役の鈴宮早織に直撃インタビュー!

ヒラリー・ダフが主演を務めたディズニー・チャンネルの人気作『リジー&Lizzie』のスタッフが贈る最新ドラマシリーズ『アンディ・マック』が、ディズニー・チャンネルにて2018年1月8日(月・祝)よりいよいよ日本初放送となる。主人公のアンディは13歳の誕生日、姉のベックスが実は自分の母親で、両親と思っていたのが本当は祖父母だということを知ってしまう。衝撃の事実に戸惑いながらも、アンディは新たなカタチの家族や親友に囲まれて新しい一歩を踏み出すことに...。現代の子どもたちや家族の形に寄り添う新世代の物語だ。

そんなアンディの声を担当する鈴宮早織を直撃! 吹替にかける思いや、本作の見どころ、演じるキャラクターの魅力などを語ってもらった。

――アンディ役に決まった時はどのような心境でしたか?

「本当に私に決まったの?」とびっくりしました。マネージャーさんからメールで「決まりました」と連絡を頂いたので、何度もメールを見返してしまいました(笑) その後にすごく嬉しくなったんですけど、冷静になってきたらプレッシャーを感じ始めましたね。初めての収録が始まるまで1週間ぐらいだったんですけど、その間はあんまりご飯も食べられなくて、ずっとソワソワしてフワフワした気持ちで過ごしていました。初めての主役だったので、勝手にプレッシャーを感じて、「どうしよう......」と思っていました(笑)

――最初の収録で第一声を出した時のお気持ちは?

アンディというキャラクターに合っているのか不安があったんですけど、そのことについては特に触れられることもなかったので、私が思っている通りで良かったんだと安心しました。それと同時に、やっぱりアンディを吹き替えるのが楽しいという気持ちになったので、これからずっと楽しく演じられそうだなと思いましたね。

20180104_andi mack_05.jpg

――アンディというキャラクターの第一印象は?

劇中でアンディは自分のことをすごくインドアだと言っているんですけど、実際はわりと活発で、13歳にしてはすごく自分の意思を持っているし、それを自分で発信する力がある女の子だなと思いました。インドア派で運動が得意じゃないというのが私とすごく似ていますね。それに、アンディは曲がったことが嫌いなんですけど、それも似ているなと思いました。ただ、それを発信していく勇気というのは13歳当時の私にはなかったですね。

――そんなアンディを演じるにあたって何か意識したことはありますか?

自分で意見をハッキリと言う子で、ちょっと大人っぽい部分があるんですけど、演じる際に大人っぽくなりすぎてしまうことがあるんですよね。大人っぽいところが垣間見えてもアンディ自身にはやっぱり13歳の女の子らしい部分がいっぱいあるので、大人っぽくなりすぎないようには気をつけました。

――アンディを演じているペイトン・エリザベス・リーに対する印象は?

アンディ役じゃないところでこの女優さんが活動しているところを見る機会がなかったんです。でも、彼女が「『アンディ・マック』を楽しみにしててね」と言うディズニー・チャンネルで流れるCMの吹替収録をさせていただいたんです。その時は本当に彼女自身がアンディそのもので、すごく可愛い13歳の女の子なんだなと思いました。

20180104_andi mack_09.jpg

――本作は人気ドラマ『SEX AND THE CITY』のコンサルタントも担当したテリー・ミンスキーが製作総指揮を務めていることもあって、今までのディズニー・チャンネルのドラマより少し大人向けのイメージがありますが、どんなところに魅力を感じましたか?

毎回いろんな事件や出来事が起こって、アンディやみんながそれぞれの問題に対して前向きに明るく乗り越えていこうとするところが魅力だと思うんです。すごく暗くて重たいお話になるような題材も扱っているんですけど、笑いも所々にあるので楽しく見られる作品ですね。アンディはある日突然に姉のベックスが本当は自分の母親だという家族の秘密を知ってしまうんですけど、最初にその話を聞いた時は「え!? いきなりネタばらししちゃうの?」と思って、びっくりしちゃいました。私だったら絶対、アンディみたいに前向きに捉えられないですよ。でも、いきなり衝撃の展開で始まったので、逆に次の話がどういう風になっちゃうんだろうという期待感みたいなのがすごくあって、台本をいただくのが毎回すごく楽しみでした。

――その後の展開として、"父親が誰なのか?"というのがキーポイントになってくるのでしょうか?

そう思いますね。父親が登場するかどうかかは見てのお楽しみですけど(笑) 私たちも収録中、「(父親は)出てくるのかな? 出てこないのかな?」という思いだったんです。ディレクターの方も先のことはあえてあまり言わないようにしていましたし、アメリカ本国で放送されていましたけどその情報は入れないようにしていました。なので、先の展開がどうなるかは台本をもらってから知る感じでしたね。

20180104_andi mack_02.jpg

――先の展開を知らないことは演技をする上で影響しましたか?

私自身がそこまで器用かどうか分からないので、先の展開を知っていても影響されるかどうか分からないんですけど、アンディ本人はもちろん知らずに生きていくので、私が彼女を演じるにあたって知らないことが新鮮なのかなと感じました。あえて自分から今後の展開を調べず、その時期が来てから知ったことをアンディとして表現できたらなとは思っていました。でも、先の展開を知っていながら演じることを難しいと思ったことはないですね。伏線を分かった上で演じる方が良い場合もある気がするんです。その人がそこでどう生きているのか、その人を私が表現できているのかを考えるので、先を知っているからやりづらいとか、やりやすいとかはあまり考えたことがないですね。

――本作は、鈴宮さんがかつて吹替えされていたディズニーXDの『とび蹴り アチョ~ズ!』のような笑い声が入っていないなど、シットコムとはまた違った30分ドラマですが、そういう作風は気にされましたか?

特にそういう意識はなかったですね。本当にいろいろなことが起きるドラマなので、アンディだったらどう思うんだろうと常に考えながらやっていました。

――シットコムではありませんが、クスッと笑えるシーンやセリフがうまく散りばめられた作品ですよね。第3話の冒頭で今まで母親だと思っていた人がおばあちゃんだったことで、どう呼べばいいのかのやり取りなど、クスッと笑えるような吹替になっていると思いました。

そう言ってもらえて良かったです。吹き替える時、笑わせようという意識は全くなくて、本人たちは真剣なので私も真剣にやっていました。その結果、笑ってもらったらいいなぐらいで。真剣にやった結果で面白いみたいなのができたらいいなと。

20180104_andi mack_10.jpg

――本作の視聴者層はアンディと同じくらいの10代前半が多いと思いますが、それについて何か意識されましたか?

収録に入る前にテンションを上げてキラキラした気持ちでやろうとは思っていました。13歳くらいっていろんな可能性があって、これから楽しいことも絶対たくさんあるはずなので、そういう作品をやるとなったらキラキラしたことがいっぱいあると思うんですよ。だから、私自身がキラキラしてないとダメだと思って、まずは自分が楽しんで演じるように心がけました。

――お気に入りのシーンは?

実は第12話が一番好きなんです。そのエピソードではアンディが気を使って、ある二人を二人きりにしてあげるシーンがあるんです。だけど、その後に結局13歳の女の子らしく、「ねえ、どうなったの? どうなったの?」と聞きに行くところが可愛くて好きなんですよ。個人的に笑えるシーンだと第3話、ホラー映画を見て怖くなってしまうエピソードで、図書館司書が出てくるシーンのアンディの反応がすごく面白かったですね。家でチェックしていた時も、「ちょっとこれ大丈夫かな」と自分でも笑っちゃうぐらいのシーンでした。私自身ホラーが苦手だから、「あんな人が出てきたらああなっちゃうよな」と思いましたね(笑)

20180104_andi mack_06.jpg

――本作は、13歳のアメリカ人少女の目から見た等身大の学園生活や日常が描かれている作品でもありますね。

今回はクリスマスのような具体的なイベントはなかったんですけど、アンディは友達のバフィーとサイラスと一緒に毎日のようにお店に行ってチョコレートを飲んで、お菓子をつまみながら話しているんです。私が13歳の頃はそういう経験がなかったですし、アメリカって今こうなのかなとか思わせるシーンですね。収録中もキャストの方たちと「毎日こんなことできて羨ましいよね」とか「楽しそうで、いいよね」と話していました。

――収録現場の雰囲気はいかがでしたか?

最初は初めましてという感じで、私も含めて全員に緊張した部分があったんですけど、こういう楽しい作品なので、みんなで和気あいあいとできましたね。アンディが憧れている男の子のジョナが着ているシャツにフリスビーのチーム「スペース・オッターズ」のカワウソの絵があるんですけど、シーンによって微妙に絵の種類が違っていて、「これは口が開いている! これは口が開いてない!」という風に盛り上がっていました(笑) それから、アンディのお城みたいなプライベートルームがあるんですけど、「あんな部屋があったらいいよね」とみんなで話したりとか、そういう風に楽しく笑いながら収録していました。

――収録していた皆さんの中で人気のあるキャラクターは誰ですか?

ジョナのガールフレンドのアンバーちゃんですね。「アンバーちゃんが意外と面白いよね」とか、「キャラクター濃すぎるよね」みたいにみんなで話していたら、ディレクターの方も「アンバーちゃんが面白いよね」みたいなことを言っていて、ひそかな人気はアンバーちゃんでした(笑) 私はもちろんアンディが大好きなんですけど、サイラスがまた面白いんですよ。彼はちょっとトンチンカンなことを言うんですよね(笑) 周りからは呆れられたりするんですけど、彼は彼なりに一生懸命なんだろうなと思うと、サイラスのことが好きになってしまいました。

20180104_andi mack_07.jpg

――鈴宮さんだけでなく、ベックス役のニケライ・ファラナーゼさん、サイラス役の西川舞さん、バフィー役の田中杏沙さん、ジョナ役の福田芽衣さんと、若手声優の方がたくさん出演されていますね。

若手のみんなはほぼ同年代なんですよ。だから、夏に行われた収録では、花火大会とかバーベキューの話で盛り上がりました(笑) それに、アンディの祖母セリア役の佐藤しのぶさんや祖父ハム役の金子由之さんというベテランの方々ともお話しできてありがたかったです。「このシーンのここが面白かったよね」といった話もいっぱいしましたね。収録がお盆を挟んでいてその時期は帰省したこともあって、出身地の話をしたり、お土産をいただいたり、皆さんで食事に行ったり、打ち上げもさせていただきました。そういうところでコミュニケーションやチームワークを高めましたね。だから、チームワークも抜群だと思います(笑)

――収録を通して勉強になったり影響を受けたことはありましたか?

いっぱいありました。自分が思っていた表現と違う返し方があるんです。でも、確かにそちらの方がそのキャラクターらしかったり、アンディを心配する様子がより出ていたりして。予想と違うお芝居を見ると、そういう風にお芝居するにはどういう考えをするんだろうと考えたり、勉強になることがたくさんありましたね。私が関わっていないセリアとベックスとのやり取りでも「あっ、すごい......」と思う時があったんですけど、「すごい」という思いしか出てこなくて(笑)

――その演技を受けてご自身の演技が変わることもありましたか?

変わればいいなとは思っているんですけど、変われていたかどうかはまだ自信がないです(笑)

20180104_andi mack_04.jpg

――本作のストーリーから感じたことや、影響を受けたことは?

13歳ってもっと子どもだと思っていたので、結構しっかりしているんだなということですかね。それと私は少しネガティブなところがあるので、アンディみたいにポジティブに生きたらもっと楽しくなるんじゃないかと感じて、ちょっとポジティブになれるように頑張ろうと思いました。

――鈴宮さんは13歳の頃、どんな女の子でした?

アンディとは全然違う子でした。思い出してみてもこんなに活発じゃなかったですね。アンディはハッキリと自分の意思を持っていて、第1話の最初のシーンでも「13歳になったからスクーター買っちゃった」って突然スクーターを買ってきたりしますよね(笑) 私ならこんなの絶対できなかったです。そんなことしたら家を追い出されちゃうと思いますし(笑) そう考えると自分はすごく子どもだったんだなと思います。かなり静かな子で、中学生当時は部活を一生懸命やったり、習い事に行ったりしていました。吹奏楽部だったんですけど、顧問の先生がすごく厳しい方で、一生懸命やっていたのを覚えていますね。

――アンディの衝撃的な誕生日から始まる本作ですが、鈴宮さんにとって印象的だった誕生日はありますか?

アンディみたいな衝撃的なことはなかったです(笑) 最近だと、誕生日が私の1日前の10年来の友達と二人で誕生日を祝ったことですかね。その子とちょっと良いホテルに泊まりに行って、その子の誕生日を祝って、日をまたいでから私の誕生日を祝ってもらうという自分たちだけの寂しいお祝いをしました(笑) でも、楽しかったですね。ケーキを贈り合ったりして楽しく過ごしました(笑)

20180104_andi mack_03.jpg

――子どもの時にお好きだった海外ドラマは?

『フルハウス』が大好きでよく見ていました。録画されていないと家族に怒っていました(笑) ジョーイおじさんがすごく好きでしたね。物語も子どもが見ても楽しめる内容でしたし、親も好きだったので一緒に見ていました。あの一家の不思議な関係性が面白くて、常に笑って見ていました。

――『フルハウス』は単純なシットコムではなくて家族の新しいカタチを描いた作品でもありますね。そういう点では『アンディ・マック』に通じるものがある気がします。

通じるところはあると思います。『フルハウス』ももちろん大人の方でも楽しめますけど、『アンディ・マック』は大人の方にもぜひ見てほしいと思えるドラマですね。家族で一緒に見られると思います。それに、このドラマを通して「今時の子どもって意外としっかり見ているんだよ」というのを感じさせられますね。ベックスとセリアがケンカするシーンでも、アンディは「私のためじゃなくて二人のためのケンカでしょ」みたいに怒っちゃうこともあるんですよ。

20180104_andi mack_08.jpg

――最後に、本作をこれからご覧になる皆さんへメッセージをお願いします。

どんなことにも前向きに乗り越えていく、アンディをはじめとしたキャラクターたちのポジティブな面を見てほしいですね。毎回いろいろなことが起きて、アンディがどういう成長をしていくのかというところも楽しみに見てください。衝撃的なシーンから始まるのでびっくりすると思うんですけど、その分、次はどうなるんだろうとすごく期待できるストーリーになっています。個人的に第12話が一番好きなのでぜひ見ていただきたいですね。思い入れのある作品ですので、この『アンディ・マック』のファンになって、作品として愛していただけたらと思います。ぜひご覧ください。

Photo:鈴宮早織 『アンディ・マック』 ©Disney