スティーヴン・キング×デヴィッド・E・ケリーの最強タッグが贈る戦慄のミステリー『ミスター・メルセデス』

2018年2月20日 2022年3月17日 ※本ページにはアフィリエイト広告が含まれます

"ホラーの帝王"スティーヴン・キングの同名ミステリー小説を、米ドラマ界のヒットメーカーであるデヴィッド・E・ケリーがドラマ化した『ミスター・メルセデス』。ベストセラー作家と敏腕プロデューサーの最強タッグによるドラマとして話題騒然の傑作サスペンスが、キング原作のSFドラマ『11/22/63』を放送したBS10 スターチャンネルにて独占日本初放送となる。

■原作は"ホラーの帝王"初の本格ミステリー小説

スティーヴン・キングといえば、ホラーやサスペンスで数々の賞を受賞し、幾多もの作品が映像化されてきた、まさしく帝王の名にふさわしい世界最高峰の小説家の一人。そのキングが今までのホラー色を封印して、初めて挑んだ本格ミステリー小説が本作の原作である「ミスター・メルセデス」だ。かねてより、退職した刑事を主人公にした犯罪小説を書きたいと話していたキング。あの"ホラーの帝王"がミステリーに挑むということで期待も高まる中、2014年に刊行された本書は大ベストセラーとなるだけでなく、翌年に米ミステリー界最高の栄誉であるエドガー賞最優秀長編賞を受賞するに至った作品なのである。

キング作品と聞くと、ホラーが苦手の人は敬遠しがちかもしれないが、実は『ショーシャンクの空に』『スタンド・バイ・ミー』『黙秘』といった映画ファンから愛される作品、ヒューマンドラマや心理ミステリーといったジャンルの原作も手掛けている。だからこそ、「スティーヴン・キング」という名前だけで食わず嫌いせずに観てほしいのが本作だ。そして、ホラーを封印したとはいえ、キングらしさは健在。徐々に忍び寄る恐怖と人間模様がじっくりと緻密に描かれ、その先に待ち受ける展開が現実を超越した超常現象的なものではなく、元刑事とサイコパスな殺人犯との緊迫した対決となっている。

本格ミステリーと銘打たれているが、序盤から犯人の正体は明かされており、謎解きの要素はさほど多くない。しかし、その犯人から挑発された元刑事が相手をどのように追い詰めるのか、ミステリーだけでなく、手に汗握るサスペンスとしての魅力が詰まっている。その上、キングが敬愛する古き良き往年のハードボイルド・ミステリーである探偵小説としての面白さも、主人公である元刑事のホッジスが体現している。

■ノッている敏腕プロデューサーを筆頭に珠玉のスタッフが集結

その小説をドラマ化したのが、米ドラマ界屈指の敏腕プロデューサーであり、脚本家でもあるデヴィッド・E・ケリーだ。もともと弁護士だった彼は脚本業にも関わるようになり、その経歴を生かして数々の弁護士もの、海外ドラマファンならご存じの『ザ・プラクティス／ボストン弁護士ファイル』や『アリー・myラブ』といった人気作品を世に送り出してきた。

近年も『ビッグ・リトル・ライズ　～セレブママたちの憂うつ～』の製作総指揮・脚本・企画を務め、エミー賞をはじめ数々の賞を総なめと高い評価を得ている。ミステリー小説が原作の『ビッグ・リトル・ライズ　～セレブママたちの憂うつ～』をドラマ化して大ヒットさせたケリーが、次に映像化する作品が再びミステリー小説であり、しかもキング作品ということで、この最強タッグによって生み出されるドラマが面白くないわけがないのだ。

今回のドラマ化にあたって、ケリーは製作総指揮だけでなく脚本も担当。製作総指揮・監督を務めるのは『LOST』やキング原作の『アンダー・ザ・ドーム』を手掛けたジャック・ベンダー、コンサルティング・プロデューサーとして人気ミステリー作家のデニス・ルヘインが参加と、スタッフは錚々たる顔ぶれだ。

■幕開けは衝撃的、以降は大人の濃密ミステリー

高級車メルセデスを暴走させて多くの人命を奪った謎の殺人者"メルセデス・キラー"。その捜査を担当していたホッジス刑事は、解決できないまま定年退職を迎えてしまう。事件発生から2年後、無気力に過ごすホッジスの元に殺人者からのメッセージが届く。それは、凶悪な殺人犯と元刑事との闘いの幕開けだった......。

冒頭の暴走車による殺人シーンは非常にショッキングな映像だ。また、キング作品ならではの緻密な人間描写が、ノワールのような空気が漂う映像の中で丁寧に表現されている。その空気感を醸し出している主人公のホッジスが定年退職した元刑事ということからも大人向けの作品と言えるだろう。さらに、米パンク・ロックバンドのラモーンズによる楽曲「ペット・セマタリー」が劇中で流れたり、ピエロが登場するなど、キングファンを喜ばせるような演出が随所に盛り込まれている点も見どころだ。

出演は、ホッジス役にブレンダン・グリーソン（『ハリー・ポッター』シリーズ）、殺人犯のブレイディ役にハリー・トレッダウェイ（『ナイトメア』）。他にも、メアリー＝ルイーズ・パーカー（『Weeds　～ママの秘密』）、ホランド・テイラー（『Lの世界』）、ケリー・リンチ（『新ビバリーヒルズ青春白書』）、ジャハール・ジェローム（『ムーンライト』）という豪華で実力派のキャストが名を連ねる。

原作は3部作の第1作。全米では本作が高評価を得ており、すでに第2シーズンの製作が決定している。日本放送前から早くもトリロジーの到来が待ち遠しいと思わせる、そんな本格ミステリードラマである。