正統派、異端どちらもこなす、スウェーデンの新たな才能ビル・スカルスガルド

スティーヴン・キング原作の人気ホラーを完全映画化した『IT/イット "それ"が見えたら、終わり。』は日本でも大ヒットを記録したので、"それ"と呼ばれるあの強烈なピエロ、ペニーワイズのことを忘れられない人は多いはず。しかし、あれほどのインパクトを与えたキャラクターが実は端正なマスクとあふれる才能を持つことを知っている人はそれほどいないのではないだろうか。今回は本作でブレイクを果たした彼、ビル・スカルスガルドについて取り上げたい。

 

親子や複数世代にわたってハリウッドで活躍する人気俳優一家の例はいくつかあるが、現在特に勢いがある一家としてスカルスガルド家を挙げないわけにはいかない。スウェーデン出身でハリウッドでも30年以上にわたり活躍しており、近年は『アベンジャーズ』シリーズにも出演しているステランを父とするこの一家は、長男のアレキサンダー(『トゥルーブラッド』)、次男のグスタフ(『ヴァイキング ~海の覇者たち~』)も同じ道で名を成している。そしてステランにとって四男にあたるのが、1990年生まれで現在27歳のビルだ。

 

兄たちが父親と同じ俳優、あるいは母親と同じ医者という道に進む中、幼い頃は自分が何をしたいのかがよく分からなかったというビルだが、今から10年前に出演した作品をきっかけに俳優を本格的に志すことに。そして21歳の時、過去にダニエル・クレイグ(『007』)やダニエル・ブリュール(『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』)、レイチェル・ワイズ(『ナイロビの蜂』)なども受賞している、ヨーロッパの期待の若手に贈られるシューティング・スター賞を獲得。2013年にアメリカでスタートしたホラーシリーズ『ヘムロック・グローヴ』では、ヴァンパイア(ウピール)となる主人公ローマン役に起用された。

 

そんなビルの魅力は、兄アレキサンダーと同じ端正な容姿とモデルもこなせる190cm超の身長を誇る一方、演技では正統派のヒーローだけでなく父ステランを彷彿とさせる性格俳優の顔も見せられること。『ヘムロック・グローヴ』での繊細さと妖艶さを併せ持つローマン役も印象的だが、『IT/イット "それ"が見えたら、終わり。』のアンディ・ムスキエティ監督に「子どものような純粋さに加えて、邪悪な面も表現できる」と言わしめた才能の持ち主だ。

 

『IT/イット "それ"が見えたら、終わり。』の製作が発表された際に最も話題となったのは、「一体誰がペニーワイズを演じるのか?」だった。それほど注目されていた役をビルが見事に演じ切ったことは、同作がホラー映画として歴代最高の興行収入を記録したこと、そして彼自身がのちに映画サイトのIMDb、男性ファッション誌GQなどによる"今年の顔"に選ばれたことを見ても明らかだろう。2019年全米公開予定の続編にも出演することが決まっており、ファンにとっては嬉しい限りだ。そのほかにも、同じキング原作のドラマ『Castle Rock(原題)』や歴史アドベンチャー映画『Emperor(原題)』が待機しており、今後さらに羽ばたいていくに違いない。

 

 

■商品情報
・『IT/イット "それ"が見えたら、終わり。』
...ブルーレイ&DVD好評リリース中
・『ヘムロック・グローヴ』<ファースト・シーズン>~<サード・シーズン>
...DVD好評リリース中、デジタル配信中
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発売・販売元:ワーナー・ブラザース ホームエンターテイメント
『IT/イット "それ"が見えたら、終わり。』公式サイトはこちら
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『IT/イット "それ"が見えたら、終わり。』
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『ヘムロック・グローヴ』
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