【お先見】『キャッスル』スタナ・カティックがFBIに!『アブセンシア〜FBIの疑心〜』は、家族と愛、そして犯罪が絡む紆余曲折の作品

好評のうちに終了した『キャッスル~ミステリー作家は事件がお好き』でケイト・ベケットを演じたスタナ・カティックが主演する新作ドラマ『アブセンシア~FBIの疑心~』が、WOWOWプライムにて3月24日(土)より日本初放送となります。一足早くシリーズを視聴した印象をご紹介。全10話、一気見間違いなし!です。

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スタナが女優デビューしてから5年目に行われた『キャッスル』のオーディションは、第5次審査まで行われた厳しいものでしたが、その厳しいオーディションを勝ち取った実力と、8シーズンにわたる主演経験からか、今作では製作総指揮者としても携わっています。制作側によると「家族と愛、それにサスペンスと正義を組み合わせたエキサイティングな新しいスリラー」とのことですが、それらがどのように絡み合っていくのでしょうか。

本作の舞台となるのはアメリカ、マサチューセッツ州ボストン。シリアルキラーを追っていたFBI女性捜査官のエミリー・バーン(スタナ)は、ある日突然姿を消してしまう。殺されたと思われていたが、6年後に夫であったニック(パトリック・ヒューシンガー)に謎の人物から電話があり、電話に導かれるままに彼は森の中で瀕死の状態のエミリーを救出する。6年ぶりに家族の元へ戻ったエミリーたが、夫は既に別の女性と再婚し、息子も新しい母親に馴染んでいるどころか、本当の母親であるエミリーを覚えていなかった。やがて、自分を襲った犯人の捜査に取り組むエミリー。しかし、ある殺人事件で遺体の爪から彼女のDNAが発見されてしまう...。

『キャッスル』でのスタナは、聡明で恋愛経験が豊富。華やかですが、男勝りな雰囲気もありました。『アブセンシア』のオープニングでは、明るいスタナが垣間見れますが、それも一瞬のこと。その後は、6年間の監禁生活から現実に引き戻され、その間の記憶がないことへの不安、とまどい、夢に見るフラッシュバックに苦しめられます。さらには夫とその再婚相手、自分の子どもとの人間関係に悩むという、『キャッスル』とは真逆のキャラクターで、真相解明のために一人で戦うというタフな女性を演じています。このシリーズでのスタナは、『キャッスル』のケイトを演じた同じ女優とは思えません。今までのスタナのイメージが一新される、新境地開拓といったところでしょうか。また、スタナはゴーカートや冷たい水の中でのスタント練習をし、体当たりで演じているあたり、この作品に対する意気込みが感じられます。

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このシリーズの一番の特徴は、何と言っても全10話を同時撮影をしたということです。通常のTVシリーズは、第1話分を撮影してから次のエピソード、と順に撮影していきますが、本作は「撮影する場所」を優先したのです。例えば「第1話と第8話にしか登場しない撮影場所」を同時に撮影するという、珍しい撮影方法なので、編集する技術担当は大変だったことでしょう。

また、ドラマを見始めてすぐに感じたのが、イギリスのドラマっぽいなということ。アメリカが舞台でFBIと聞くと派手なアクションシーンや銃撃戦などをイメージしてしまいますが、そのようなシーンはありません。デンマークの犯罪ドラマ『THE KILLING/キリング』のアメリカ版のような雰囲気で、少しノルディック・ノワールっぽく感じました。

それもそのはず、主要キャストの多くを占めるのはアメリカ人以外の俳優たちなのです。スタナはカナダ人、そしてアリス役のカーラ・テオボルド(『ダウントン・アビー』)を筆頭に、イギリス出身俳優が半数以上。そのほかにもウルグアイ出身のアンヘル・ボナニ(『運命の銃弾』)、メキシコ出身のブルーノ・ビチル(『ナルコス』)と国際色豊かなキャスティングです。これではイギリスっぽい雰囲気が漂うのは、不思議ではないような...?! そうそう、主要キャストで忘れてはいけないのが、デュランド家の愛犬Bitchbo(本名Riggs)です。犬好きの人はついつい目で追ってしまうかも?

『キャッスル』でお馴染みのスタナのファンだけではなく、ノルディック・ノワールや英国ドラマ好きの人にも楽しんでいただける作品です。

文:Carillon
プロフィール:とにかくヨーロッパ大好き!イギリスドラマやヨーロッパドラマに嵌っています。マイブームは、ドライフラワーでのスワッグ作り。

Photo:『アブセンシア~FBIの疑心~』
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