メル・ギブソン＆ダニー・グローヴァー主演の大ヒット映画シリーズを、マックG（『SUPERNATURAL スーパーナチュラル』）、マット・ミラー（『CHUCK／チャック』）といったヒットメイカーがドラマ化した『リーサル・ウェポン』。ファースト・シーズンのブルーレイ＆DVDが4月4日（水）よりリリースとなるのに合わせて、日本語吹替えで命知らずな刑事マーティン・リッグスを演じる津田健次郎、その相棒で家族思いのロジャー・マータフを演じる磯部勉を直撃！ リッグスとマータフ並みに息の合った二人のインタビューを2回に分けてお届けします！
――回を増すごとにリッグスとマータフの掛け合いに磨きがかかっていく感じですごく楽しいのですが、ああした掛け合いでアドリブをされることもあるのでしょうか？
津田：そんなにはないですね。たまーに磯部さんが面白い声出したりとかくらいかな（笑） でも面白いことに、リハーサルビデオをいただいて家でリハーサルするんですけど、今では台本を読むだけで磯部さんのマータフの声が聞こえてきます。
磯部：本が面白いですから、台本通り会話していれば、リッグスとマータフの面白さが出てくると。作り込まない方がいい気がしています。
――とはいえ、台本通りにやっているだけとはとても思えない息の合いっぷりです。何か絆を育んだといったきっかけがあったのでは？
津田：現場で、磯部さんのマータフそのもののような誠実さに込められた台詞に乗っかっていけば成立しちゃうんですよね。
磯部：どうしても人間性って出てきちゃうじゃないですか。「あ、この人、嘘やってるな」とかって、長いことやってると見えてきますよね。でも津田さんってすごく率直なんですよ。それに応えるには、こちらも同じように率直になって向き合うしかない。不思議な感じだよね、ドラマって。あんまり作り込んじゃうと外れていっちゃう感じがして。多分、実際クレインとデイモンもすごく率直にやってると思います。
津田：お芝居に本当に嘘がないんですよね。楽しそうなシーンでは本当に楽しそうだったり。僕、磯部さんのマータフが大好きなんですけど、「すぐ調子に乗るから！ なんで余計なことした!?」みたいなところがいっぱいあるじゃないですか。楽しませようとしたらそれが裏目に出るばっかりっていう（笑） そんなところで本当に困ってたりとか、怒る時には本気で怒ってたりとか、そういうところがすごく磯部さんとダブってます。脚本家や演出家も、エンターテイメント性はもちろん考えながら、誠実に作ろうとしているのを画面から感じますね。
――映画版と本作の違いはどんなところでしょう？
津田：一番違うのは、ドラマは一話完結な中で、その底辺に大きな問題がずっと続いているという、ドラマならではの作り方をしているところですね。そして毎回脚本が本当に良くできていて、リッグスやマータフの問題が綺麗に絡んでくるんです。映画の2時間尺では描き切れないことをすごく丁寧に一話一話描きつつも、映画版をリスペクトして作っている部分も強く感じますね。ですので、映画版を知っている方たちも新鮮な気持ちでご覧いただけると思います。
――18話もあると、キャラクターに感情移入する度合いも映画版とは異なりますよね。
津田：そうですね。僕自身、いち視聴者として応援したくなります。「二人、頑張れ！」って。
――映画版にも関わられていた磯部さんはいかがですか？
磯部：そうですねえ。映画版ってやっぱり一発バカーン！っていく感じなんですけど、本作は津田さんがおっしゃったようにいろんな部分の伏線があったりして、その都度ドカン！といくんです。どっちのパターンも面白いので、見る方にはそれぞれの魅力を味わっていただけると思います。
――リッグス、マータフの魅力をあらためてご説明していただけますか？
津田：リッグスの場合、一人でいる時と、誰か、例えばマータフといる時では随分違っていて、抱えている大きなトラウマがずっとあるんですが、それでもとにかくよく笑うんですよ。その笑いが引きつっている時もあれば、きちんと笑えている時もあって、苦しいんだけれどもなんとか生きようとしている、死ねないから生きているところもあると思うんですけど、そういう哀愁は本当に素敵です。演じる上でしんどくはありますけど。
彼は振れ幅が大きくて、悲しみがものすごく深い一方、その反動で大暴れするんですよね。基本的に自暴自棄で生きているんですけど、その中でマータフを中心に他の人と徐々につながりを築いていく、そういうポジティブな瞬間に振れた時に見せる感情の豊かさ、一瞬の輝きみたいなものが魅力ですね。
磯部：マータフを見ていると、人間って本当に対応力が必要だなって思います。家族や警察の仲間といったいろんな人との付き合い方がうまいです。リッグスは辛い過去があるから仕方ないのかもしれませんが、本来なかなか付き合いづらい人で、マータフも厄介な奴だなって思っているんですよね。でも人間って、どこまで自分を開けるかで相手との距離感を縮めていくというのがありますよね。そういう意味で、マータフの開き方ってすごいと思うんです。僕自身は開くのが苦手なタイプで、性格的に閉じていると思うので、自分のリハビリのつもりでやっているところもあります（笑） ああ、こうすれば自分を開けるんだって。マータフはすごく対応力ありますよ。
――この作品には玉手箱のように素敵な要素がたくさん詰まっていますが、お二人のオススメポイントを教えていただけますか？
津田：昨今いろんなドラマがあって脚本が複雑化しているものも多いと思うんですが、いろんな方に本作の感想を聞いてみると、「懐かしいくらいストレートだね」ってよく言われるんです。もちろん複雑なこともあるんですけど、回収の仕方がとてもシンプルで、ストレートに笑えますし、グッときますし、なんだったらちょっと泣けちゃったりとか、アクションも分かりやすく毎回一台くらいは壊れるし、しかもその壊れ方がちょっと小粋だったりと、『リーサル・ウェポン』という30年前の映画版のカッコ良さが脈々と受け継がれている。正面突破みたいな潔さが最大の魅力ですね。どなたでも楽しめる作品だと思います。
本当にいろんな要素があって、笑いあり涙ありアクションあり、どこかを気に入ってもらえると思います。登場人物も全員キャラが立っているので、誰かは好きになれるんじゃないかな。
磯部：先程「玉手箱」という表現がありましたが、毎回毎回これだけいろんな人が出てくる中で誰かしらがいいことを言うんですよ。『リーサル・ウェポン』は「最終兵器」という意味ですけど、最終兵器というのは実はドカンドカンというアクションではなく「言葉」なんじゃないかと思うんです。マータフの奥さんのトリッシュもいいことを言いますし、二人の上司のエイヴリーも結構本質的なことを言うんですよね。検視官のスコセッシも面白いですし。みんな一回くらい、いいことを言うんです。だからそういうのを毎回味わっていただくのも面白いんじゃないでしょうか。
――それでは最後に、ファンのみなさんにメッセージをお願いいたします。
津田：本作は直球もののエンターテイメントであり、アクションでありバディものであり友情もの。何より僕はマータフ一家の大ファンなので、彼らのストーリーは泣けます。リッグスとマータフは本当に両極端なんですよね。でもそんな二人が深い絆で結ばれていて、それが徐々に交わっていく部分がたまらないです。
そして特徴の一つであるアクションでは、毎回毎回とにかく全力疾走。犯人を走って追いかけたり、カーチェイスを繰り広げたり、銃をバンバン撃ったり。銃の持ち方が必ず、真っすぐ腕を伸ばすのではなく、肘を曲げて身体から離さないようにしているんですが、あれもきっとすごくリアルなんですよね。そういうところの緻密さも含めて丁寧に作ってある作品です。アクションシーンは大変なんですけどね。かなり叫びますし。でもこの作品で楽しいのが、アクションとコメディが同時に出るところなんです。カッコ良いシーンなのにマータフがちょっと笑わせてくれる、バディものの醍醐味であるそうしたところにも注目していただければ。
まず第1話をご覧いただければ、僕の言っていることが分かっていただけると思います。
磯部：ほぼ話してもらっちゃいましたね（笑） マータフって心臓が悪いんですよ。だからあまり激しいアクションはできないんですけど、それでも一生懸命リッグスについていくんですよね。そんな風にとにかくストレートというか、率直さがドラマの中に出ていて、無茶やる一方で、みんなが一生懸命、率直に生きているところが、僕は一番好きです。
あと、警官たちの心的外傷ケアにあたっているセラピストがいるのも面白いですよね。何か問題があった時に相談できる人がいるのはいいかもしれないです。こうした組織構造、津田さんのおっしゃっていた拳銃の持ち方も含めて、いろいろ知ることができると思います。とにかく面白いので見てください。
■『リーサル・ウェポン＜ファースト・シーズン＞』商品情報
4月4日（水）ブルーレイ＆DVDリリース、デジタル配信スタート
＜セル＞
ブルーレイ...13,600円＋税／DVD...12,000円＋税
＜レンタル＞
DVD Vol.1～9
発売・販売元：ワーナー・ブラザース ホームエンターテイメント
公式サイトはこちら
Photo：
津田健次郎、磯部勉
『リーサル・ウェポン＜ファースト・シーズン＞』
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