観るべき医療ドラマはこれだ! 往年の名作から話題の『グッド・ドクター 名医の条件』まで

医療という人の生死にかかわる重いテーマを、人間関係や社会問題を交えて描く医療ドラマは、テレビシリーズのなかでも最も人気の高いジャンルの一つだ。アメリカでは、最近の話題作に加え、数十年前の作品の人気が再燃するなど、医療ドラマ界は盛り上がりをみせている。新旧交え、これから見るべき海外医療ドラマをピックアップしてご紹介する。

■現在放映中の作品から懐かしの名作まで。医療ドラマベスト15
以下は、レビューサイト、Rotten Tomatoesが発表したベスト医療ドラマのランキングだ(注:カッコ内は放映時期)。

1.『Dr.HOUSE ―ドクター・ハウス―』(2004-2012)
2.『scrubs 〜恋のお騒がせ病棟』(2001-2010)
3.『ER 緊急救命室』(1994-2009)
4.『グレイズ・アナトミー 恋の解剖学』(2005-現在)
5.『グッド・ドクター 名医の条件』(2017-現在)
6.『セント・エルスウェア』(1982-1988)
7.『天才少年ドギー・ハウザー』(1989-1993)
8.『シカゴ・ホープ』(1994-2000)
9.『コード・ブラック 生と死の間で』(2015-現在)
10.『プライベート・プラクティス 迷えるオトナたち』(2007-2013)
11.『シカゴ・メッド』(2015-現在)
12.『The Resident(原題)』(2018-現在)
13.『ナイトシフト 真夜中の救命医』(2014-2017)
14.『ダナ&ルー リッテンハウス女性クリニック』(2000-2006)
15.『City of Angels(原題)』(2000)

■旧作も根強い人気。動画配信で人気再燃も
1位に輝いたのは、米FOXで8シーズンに渡って放送された『Dr. Houseドクター・ハウス』だ。天才的な診断医学の専門医であるハウスが、難解な患者の症状に自らの仮説を立て治療法を解明するという、探偵モノの要素を加えた医療ドラマとなっている。右足が不自由で鎮痛剤中毒、社交性に欠け患者の診察も大嫌いという変わり者にもかかわらず、ときに隠れた優しさを見せるハウス医師のキャラが魅力となっており、高い支持を獲得している。

注目は3位にランクインした『ER 緊急救命室』だ。アメリカでは動画配信サービス米Hulu(日本ではNetflix)で配信されたことから、20年ぶりの大人気になっているという。配信開始後すぐに視聴数でトップ5入りを果たしたということで、リバイバルを懐かしむ世代に加え、若い視聴者が引き付けられているようだ。

■感動ホッコリ系vs辛口社会派。新作も話題沸騰
5位にランクインしたのは、米ABCで昨年から放送され、現在大ヒット中の『グッド・ドクター 名医の条件』だ。韓国ドラマ『グッド・ドクター』のアメリカ版リメイクでもある。昨年10月に放送された第3話は、視聴数1820万を記録し、『ビッグバン★セオリー ギークなボクらの恋愛法則』が持つ最多視聴数記録を塗り替えている(米TVガイド)。

主人公は自閉症で、特定の分野で突出した能力を発揮するサヴァン症候群でもある、ショーン・マーフィー医師だ。天才的でありながらも、周りの理解が得られない若いショーンが、偏見や批判と戦いながら難治患者を救い、医師として成長していく姿を描いている。

製作は『Dr.HOUSE』のデイビッド・ショアが担当している。ニューヨーク・タイムズ紙は、人間嫌いで感情を表さないハウス医師に対し、ショーンは誠実かつ善意の人であると評す。アンチヒーロータイプのハウスとは真逆のキャラクターを使ったこの作品のテーマは、患者を治す以上に医師に必要なのは何か、"良い医師"とは何かという問いだと、同紙は解説している。

12位に入ったのはFOXの新ドラマ『The Resident』だ。敏腕研修医コンラッド・ホーキンスを中心に、現代の医療の善悪を露わにする内容となっている。米Varietyは、人間の本質と企業化された医療にシニカルな目を向ける作品だとし、これまでで最も医療にネガティブなドラマではないかとしている。感動系の『グッド・ドクター』とは一味違う辛口アプローチとなっており、新作二つを比べて見るのも面白そうだ。(海外ドラマNAVI)

Photo:『グッド・ドクター 名医の条件』
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