自殺をテーマに、悩める10代の若者たちを描いたNetflixオリジナルシリーズ『13の理由』。ハンナの自殺を乗り越えようとする、複雑な過程が描かれるシーズン2がいよいよ明日5月18日(金)より全世界同時ストリーミングとなるが、来日を果たしたクリエイターのブライアン・ヨーキーにショッキングなシーンの意図や、現場での様子など話を伺った。
『13の理由』は、自殺を図った高校生ハンナ・ベイカー(キャサリン・ラングフォード)が、生前に友人クレイを含む13人にカセットテープを送り、そのテープには衝撃的の事実が語られていた...というミステリードラマ。
イディナ・メンゼル(『アナと雪の女王』)主演の『If/Then(原題)』など、舞台を中心に手掛けてきたヨーキーが『13の理由』に携わることになったのは、映像化を進めていた歌手のセレーナ・ゴメスと彼女の母親と本作の製作について話し合った際に、意見がとても合ったからだと語る。全身性エリテマトーデスやうつ症状の治療のため活動休止をしていたこともあるセレーナだが、「彼女はこのシリーズの"道しるべ"のような存在なんだ。自身の病についても正直に公表しているし、多くのファンが世界中にいるよね。本作を通して、同じような気持ちでいる人たちに"あなたのことを気に掛けているよ""手を差し伸べているよ"といったことを伝えているから、僕は彼女のことを本当に尊敬しているんだ」と愛情いっぱいに語ってくれた。
本作に出るまでほとんどプロの女優としての経験がなかったハンナ役のキャサリン・ラングフォード。そんな彼女を抜擢したきっかけはオーディション動画で印象に残った"彼女の目"だったそうだ。「ハンナは秘密を抱えていて、彼女しか知らないことがいっぱいある。だからこそ、目が大事だったんだ」と、その理由を続けた。
作品のテーマでもある、ハンナの自殺シーンだが「ストーリーを語るうえで、正直であるということを念頭に置いていたし、命を絶つという話は初めからわかっているのに、いざそのシーンになって何も映像として見せなかったらある意味、視聴者を裏切ることになるよね。たくさんの話し合いをした上で、そうすることに決めたんだ。あのようなシーンを撮影することは精神的にものすごく痛みを伴うけれども、残された人たちの痛みも感じ取って欲しいと思ったんだ。実際に本当に辛いことだから、正直に、そして責任を持って描いて、その辛さを伝えたかったんだよ」と、痛いほどリアルに表現した理由を話してくれた。
『13の理由』はNetflixにて配信中。(海外ドラマNAVI)
Photo:『13の理由』ブライアン・ヨーキー