『インスティンクト』アラン・カミング、大手TV局初の同性愛者の主役を演じることを語る

人気リーガルドラマ『グッド・ワイフ』のイーライ・ゴールド役で知られるアラン・カミング。新作の犯罪捜査ドラマ『インスティンクト-異常犯罪捜査-』で、アメリカの大手ネットワーク局のゴールデンタイム史上初めて、同性愛者だとカミングアウトしている主人公を演じることについて、本人がインタビューで語っている。ニュージーランドのメディア、Stuffが報じた。

同作は、米ベストセラー作家ジェームズ・パターソンの小説「Murder Games」を原作とする犯罪捜査ドラマ。米CBSで今年3月にスタートすると同時に全米視聴率ランキングで上位の常連となり、放送開始後わずか2ヵ月後の5月に第2シーズンの製作が早くも決定した。

アラン演じる異常行動学を教える大学教授兼作家のディラン博士は、夫がいる元CIAスパイ。膨大な知識に加えて鋭い観察眼・分析力を持ち、その直感(インスティンクト)で数々の事件を解いていく。ニューヨーク市警のコンサルタントとして刑事リジー・ニーダム(ボヤナ・ノヴァコヴィッチ)の相棒となった彼が、異常犯罪を自己流で解決していくというストーリー。

「(同性愛者の主人公を演じることは)光栄で素晴らしいことだと感じるが、それと同時にひどいとも思うよ。なぜならそれが実現したのがようやく今になってで、これほどの長い月日を要したからね」と、自身も同性愛者である53歳のアランは答える。「私の演じるディランは、矛盾だらけの人間で、いろんな側面を持っている。彼の性的嗜好はそんな彼の3番目か4番目に面白い一面でしかないんだ。(CIAスパイ時代に)世界中でさんざん人を殺しておいて、結局愛のためにそれを止めるんだからね。そんな彼を演じるのはとても楽しいよ」また警察についての基礎知識や専門用語などについての情報を得るため、実際にCIA局員に会って色々とリサーチに励んだという。

ディラン博士の面白い設定の一つとして、子ども時代にミュージカルの神童で、耳にしたことは一瞬にして記憶するというものがある。よって、メモなどを取らずにポケットの手を入れたままでいいというところも気に入っているそう。「今までのアメリカのドラマ、特に大手ネットワークでの作品で描かれていた同性愛者というのは、面白おかしいか、いかにも同性愛者という感じか、セックスはしないというもので、放送するに安全なイメージで作られたものだった」と過去の作品と比較。「ディランの夫との関係も気に入ってるよ。彼らはカップルがする当たり前のことをするし、いちゃいちゃすることもある。私は同性愛カップルの現実をきちんと描くことはとても大事だと思っているからね」と述べ、これまでのドラマでは描かれていなかった部分にも今作が焦点を当てていることに惹かれているようだ。

これまでとは一味も二味も違う犯罪ドラマ『インスティンクト-異常犯罪捜査-』は、8月9日(木)よりWOWOWプライムにて日本初放送予定。(海外ドラマNAVI)

Photo:『インスティンクト-異常犯罪捜査-』
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