『グレイテスト・ショーマン』ゼンデイヤが白人枠のオーディションを受け続ける理由

9月1日に22歳の誕生日を迎える人気若手女優のゼンデイヤ。ディズニー・チャンネルの人気ドラマ『シェキラ!』のロッキー役でブレイクした後、昨年は『スパイダーマン:ホームカミング』、『グレイテスト・ショーマン』と立て続けに大ヒット映画に出演した彼女は、自身のキャリアを以ってハリウッドの壁を壊そうとしている――。英Digital Spyが伝えた。

【関連記事】頭が良過ぎるヒロイン?!『スパイダーマン:ホームカミング』ゼンデイヤ直撃インタビュー

米女性誌「マリ・クレール」の9月号に登場したゼンデイヤは、元々脚本に書かれていた人種に関係なく、どのようにオーディションを選び受けているのか、彼女のキャリアの築き方について赤裸々に明かした。

女優ならばオーディションでの"Yes"と"No"を経験することは避けて通れないわけだが、ダイバーシティ(多様性)という言葉が叫ばれている現在でも、白人を選びがちなステレオタイプの製作者は少なくない。そんな中で、ゼンデイヤは「私がオーディションを受けるほとんどの脚本は、黒人の女の子のために書かれたものではないわ。私はいつも自分の演劇マネージャーにこう伝えているの。"白人の女の子用のオーディションがあったら私を送って。私に受けさせて。きっと彼らは考えを変えるはずだから"ってね」と、自らその垣根を越えているという。

『スパイダーマン:ホームカミング』で演じたミシェルも、元々黒人の女の子として書かれていたわけではなかったことを説明し、製作者の気持ちを変えるためにとにかくアピールしなければならないと、オーディション前から意気込んでいたことを明かしている。「いくら、"そのキャラクターがフィクションでどんな人が演じても構わない役だとしても、製作サイドは多分これまでと同じ"スタンダード"なタイプを今回も選ぶだろう"と思い込んでしまっていたのね」

だが実際のところ、製作サイドはキャストに多様性を求めており、ゼンデイヤは自分の思い込みが間違っていたと気づいたのだという。「"どうか彼らがエスニック(業界で使われる非白人の呼び方)にいきますように"と祈っていたの。髪の毛を真っ直ぐにしようとまで思ったのよ」「彼らがより多様性のあるキャスティングをしようと考えていたことを私は知らなかったの。みんなのために、自分が壁を破らなければいけないことに慣れていたの」と語り、すでにこれまでのハリウッドのルールを破っている状況の中にいるとは思ってもいなかったと打ち明けた。

人種の問題について声を上げることは簡単ではないが、誰かが叫ばなければ変わることはない。そんな責任感を持ちながらハリウッドに挑んでいるゼンデイヤだが、彼女はとてもシンプルに、自分の生き方がファンの生き方にも反映されることを信じている。

「私は、自分が知らないことがまだまだたくさんあるってことはわかっているけど、自分が持つプラットフォームでベストを尽くしたい。自分のことを見てくれているたくさんの人がいることを知っているから。私はファンが最高の人生を送って、もっと教育を受けて、自分たちのために学んでくれるように、私がインスパイアを与えたいと思うから、自分の気持ちを伝え、最高の人生を送る事に最善を尽くしているわ」(海外ドラマNAVI)

Photo:ゼンデイヤ
(C) ABC/Rick Rowell