超常現象ホラー『ワイノナ・アープ』は、アクションに怪奇譚、そしてロマンスと、要素てんこ盛りのシリーズ。保安官の子孫である勇敢な女性ワイノナ(メラニー・スクロファーノ)が先祖伝来の銃を片手に、押し寄せる悪霊に立ち向かう。Netflixで公開中の過去シーズンに続き、米Syfyでは7月20日(金)より最新のシーズン3がスタートしている。
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■伝説の保安官の末裔、無敵チームを結成
27歳の誕生日を迎えたばかりのワイノナが舞い戻った故郷、煉獄の名を冠するパーガトリーの町。彼女は伝説的な保安官ワイアット・アープの子孫でありながらも、町では煙たがられている。それもそのはず、この町を度々襲う悪霊やモンスターの類は、祖先の保安官によって殺された無念の魂たち。街が襲われる原因の一端はワイノナの一家にあるというわけだ。現時点ではモンスターたちを駆除できるのは、彼女のほかにいない。一家に伝わる"ピースメーカー"と呼ばれる銃を片手に、果敢にも異形の者たちに立ち向かう。
シーズン3の第1話では、どこからともなく現れた満員のバスが町に到着。乗客は揃ってセクシーな容貌だが、どこか様子がおかしい。実はその正体は、よく知られたあるモンスター。一団がパーガトリーの町にはびこる前に、ワイノナは正体を見抜けるだろうか。妹のウェイバリー(ドミニク・プロヴォ=チョークリー)、不死身の相棒ドク(ティム・ロゾン)、そして政府が組織した対超常現象部隊に所属するドルズ(シャミア・アンダーソン)を味方に付け、爽快なまでの勝利を収めるワイノナ。しかしモンスターの襲来は、シーズン3で待ち構える壮絶な厄災の序章でしかなかった。
■色々なジャンルを、トロの部分だけ
第1話からシリーズのパワフルな凱旋を印象付ける今シーズン。シーズン2でワイノナは幾多の試練に見舞われるが、それを乗り越えて戦線への復活を遂げた。モンスターを容易に薙ぎ払うシーンは軽快なトーンで描かれ、まさにシリーズの魅力満載、と評するのは米The Verge。上品に振舞おうとしてもついつい地が出てしまうワイノナはコミカルで、一方、妹ウェイバリーと保安官ニコル(キャサリン・バーレル)の間には女性同士のロマンスの気配が。超常現象、ホラー、西部劇、コメディ、ラブ・ストーリーと、様々なジャンルの旨みを楽しむことができる。
ジャンル横断的な特性には米USA Todayも注目しており、たとえ超常現象に興味がなくとも、ラブ・ロマンスとして十分に楽しむことができると、幅広い層に本作を勧めている。ホラーの古典に学び、超常現象と個人のサブ・プロットをうまく融合させているとも述べており、多様な要素をミックスしながらも無理なくまとまっているのが特徴だ。
■キャラクター同士のケミストリー
独創的なキャラクターも本シリーズの売りの一つ。『ワイノナ・アープ』の魅力は、なんといっても主演メラニーが魅せるドライで聡明なキャラクターだとUSA Todayは指摘する。結核の治療を引き換えに石の魔女から永遠の命の呪いをかけられた相棒ドクとともに、故郷の町を守り抜く。戦闘のパートナーという関係性を越え、お互いを特別な存在として意識する二人の距離感にも注目。
ワイノナと、妹ウェイバリーとの名コンビも視聴者を楽しませてくれる。ウェイバリーはアープ家にまつわる伝説に興味津々。爽快なユーモアに溢れる姉妹の間にはケミストリーが感じられる。視聴率がずば抜けて多いとは言えない本作だが、世界中に存在する熱烈なファン・コミュニティの声援を受けシーズン3更新が決定した。一度ハマるととことん好きになるシリーズというわけだ。
『ワイノナ・アープ』シーズン3は、米Syfyで放送中。日本ではNetflixでシーズン2までを配信中。(海外ドラマNAVI)
Photo:メラニー・スクロファーノ
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