『ブレードランナー』のタッグ再び!仮想SFドラマ『高い城の男』の魅力を出演者の尾崎英二郎が紹介

シーズン3まで配信中で、シーズン4の製作も決まっているAmazonオリジナルドラマ『高い城の男』。フィリップ・K・ディックの同名小説を原作とした本作は、「第二次大戦でドイツと日本が敗北せず、連合国軍を打ち破って北米を占領していたら?」という設定で仮想の1960年代を描いたSFドラマだ。その魅力を、シーズン3から出演する尾崎英二郎が紹介している。

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エミー賞を受賞し、批評サイト「ロッテン・トマト」の評価も高い本作の製作総指揮を手掛けるのはリドリー・スコット。彼の名作『ブレードランナー』もディックの「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」を原作としており、『高い城の男』では二人のタッグが再び実現したことになる。

単に1960年代を切り取った歴史ものではなく、もしかしたらこうなっていたかもしれないという「仮想の60年代」を描くにあたり、いかに緻密に作られているかを尾崎が説明する。文化と言語考証のスーパーバイザーも雇い史実を調べ上げ、そこへかなりの度合いの創造性を加えて「この世界観における正しい姿」を映し出すという非常に手の込んだ形でストーリーや美術が構成されているのだ。日本人の軍人を演じる尾崎は、カメラに映らないようなセットの細かいところまで正しい日本語で表示されているといった現場の細やかな仕事ぶりに称賛を送る。

また、本作に登場するドイツや日本側のキャラクターも、みな悪役というわけでなく、現状に反発したり苦悩する者もおり、占領下となった北米を舞台に様々な人間ドラマが展開。そんな登場人物の中で2人の日本人役が重要なポジションを担っていることも特徴の一つだ。そうした特徴や魅力の数々は、ぜひコラム本文でご確認いただきたい。

そもそもディックが「アンドロイドは~」のアイデアを得たのは「高い城の男」がきっかけだったという。どちらの作品も、世界のあるべき姿とは?どう生きていくべきか?を問いかけている。今、世界では移民が問題視され、一部で白人至上主義が再び勢いを増している。そんな状況だからこそ、ディックが書き残し、珠玉のスタッフ&キャストが映像化した『高い城の男』から我々は学ぶべきことがあるのではないだろうか。(海外ドラマNAVI)

Photo:『高い城の男』