いよいよ12月も後半に差し掛かり、2018年も間も無く幕を降ろす。米TIME誌が色々なジャンルから選んだベストTVシリーズランキングとともに、今年放送された質の高いTVドラマ10作品をピックアップ。昨日の＜前編＞5作に続き、本日はトップ5をご紹介しよう。現在日本で観られる作品と来年日本に上陸する作品で構成される楽しみなランキングとなった。
目次
5.『グッド・プレイス』（米NBC）
死後、天国のような善人しか行けない‟グッド・プレイス"に住むようになった主人公エレノア。本作はここの住人たちが生前にどんなに素晴らしい偉業を成し遂げたかを耳にした彼女が、自分が間違ってこの場所に送りこまれたことに気づき、"バッド・プレイス"に送られたくない一心で心を入れ替えて良い人間になろうと必死になる様子がドタバタで描かれるコメディ。今年シーズン3を迎えたが、軸をぶらさずに、哲学と倫理の一連のおもしろおかしいレッスンや、登場人物たちが自分の人生をよりよく変えていこうとする過程を描き、視聴者を楽しませている。日本では『グッド・プレイス』シーズン1から3までをNetflixで配信中。見た後はこちらの作品データベースで視聴記録を付けよう！
4.『パトリック・メルローズ』(米Showtime)
イギリスの文学賞ブッカー賞にノミネートされた英作家エドワード・セント・オービンの同名半自叙伝を映像化し、表題役はかねてより同役を切望していたというベネディクト・カンバーバッチ（『SHERLOCK／シャーロック』）が演じている。原作では、主人公パトリック・メルローズの40年にわたる依存症、虐待、深刻な家族の機能不全を記録し、苦悩しながらも立ち直っていく彼の姿が描かれている。ベネディクトは感情的な張り綱の上を歩き、心の灯火を消すことなく役の闇を表現しきったと称賛されている。『パトリック・メルローズ』はスターチャンネルにて、1月7日（月）からの本放送に先駆けて12月23日（祝・日）より第1話先行無料放送する。見どころはこちらの作品データベースでチェック！
3.『アトランタ：略奪の季節』(米FX)
ドナルド・グローヴァー（『ハン・ソロ／スター・ウォーズ・ストーリー』）が主演だけでなく企画・製作・監督・脚本も務める『アトランタ』は、元カノの家に居候するダメ男アーンが駆け出しラッパーのマネージャーとなり、相棒と共に（家賃をきちんと払える）一人前の男を目指すというコメディドラマ。シーズン2となる『略奪の季節』では、それぞれの自立へのさらなる追求が描かれ、盗みをテーマにした1話完結型で予測できないドラマを展開し、視聴者の心を掴んだ。見どころはこちらの作品データベースでチェック！
2.『KIZU-傷-』(米HBO)
HBOは、監督のジャン＝マルク・ヴァレ（『ビッグ・リトル・ライズ ～セレブママたちの憂うつ～』）、クリエイターのマーティ・ノクソン（『Un REAL』共同クリエイター）、そして女優のエイミー・アダムス（『魔法にかけられて』）とパトリシア・クラークソン（『シックス・フィート・アンダー』）という豪華な面々とドリームチームを結成し、映画『ゴーン・ガール』の原作者であるギリアン・フリンの処女作にしてベストセラー小説の「KIZU-傷-」を映像化。主演のエイミーが、二人の少女の殺人事件を調査するために故郷のミズーリ州に帰ってくるジャーナリストに扮し、中西部の田舎町の閉鎖的な問題や、精神的な痛み、自傷行為など、様々な角度から人間の"傷"を描いている。『KIZU-傷-』はスターチャンネルで放送＆オンデマンド配信中。見た後はこちらの作品データベースで視聴記録を付けよう！
1.『キリング・イヴ／Killing Eve』(BBC America)
作家ルーク・ジェニングスの小説を元にした本作は、精神疾患を患う美貌の暗殺者ヴィラネル（ジョディ・カマー『女医フォスター』）と、仕事に情熱を持てずデスクワーク中心の諜報員イヴ（サンドラ・オー『グレイズ・アナトミー』）という女性二人が中心のスパイドラマ。イヴが現場任務にあたるようになったことで、二人は追いつ追われつ、お互いに執着するようになる。クリエイターのフィービー・ウォーラー＝ブリッジ（『Fleabag フリーバッグ』）が解釈したように、キャラクターは多次元的であるものの不完全で、彼女たちの執着は、自分に欠けているものをお互いが持っているという感覚により助長されたもの。その絶妙な人間ドラマを繰り広げた出演者たち、特にエミー賞にノミネートされたサンドラのパフォーマンスは圧巻だった。『キリング・イヴ／Killing Eve』は2019年2月にWOWOWプライムにて日本独占初放送。見どころはこちらの作品データベースでチェック！
Photo：
『パトリック・メルローズ』© Sky UK Ltd
『キリング・イヴ／Killing Eve』(c) Sid Gentle Films
『KIZU-傷-』
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