『ブルックリン・ナイン-ナイン』が帰ってきた!移籍後初のシーズン6、ファン歓喜の良作に

『ブルックリン・ナイン-ナイン』は、ニューヨークの警察署が舞台の人気コメディ。お気楽な性格だが捜査の才能は確かなジェイクが、堅物のレイモンド署長率いるチームとともに、ブルックリン地区で勃発する難事件を解き明かす。米NBC移籍後初となるシーズン6の放送が1月上旬からスタートした。

♦お堅い署長、署員のハネムーンに鉢合わせ

ニューヨーク・ブルックリン地区の一角にある99分署。前シーズンで警視総監への昇進がかかっていた生真面目なレイモンド署長(アンドレ・ブラウアー)は、不採用の結果を受けて激しく落胆。傷心を癒すため、独り熱帯のリゾートへ向かう。しかし、そこにはハネムーンを満喫するお調子者のジェイク(アンディ・サムバーグ)とエイミー(メリッサ・フメーロ)の姿が。鉢合わせに動揺し、着替えも持たずにその場から退散したレイモンドは、哀れにもお土産屋ですべての服を買い直すハメに。

着替えを終えた堅物所長の胸には、パイナップルの柄と「節操なし」の文字が踊る。パイナップルが節操のなさを自認しているのか、それともパイナップルが節操のない人間に呼びかけているのかをめぐり、ジェイクと署長は激論を展開。熱心すぎてどこか抜けているレイモンド署長、幸せな新婚生活を送るジェイク、その妻で整理整頓が大好きなエイミー、ヨーグルトに並ならぬこだわりを持つテリー(テリー・クルーズ)など、おなじみのメンバーが新しい笑いを届けてくれるシーズンだ。

♦待望のカムバック

元々の放送局であったFOXは、本シリーズを昨年のシーズン5で打ち切ると発表していた。NBCに移籍する形で放送継続となり、Entertainment Weekly誌はその復活を手放しで喜ぶ。お馬鹿だがそこが愛おしいという本作最大のセールスポイントは、移籍によって何ら損なわれていない。休憩室の電子レンジをめぐり全力で争奪戦が繰り広げられたり、「自由詩の父」と呼ばれる詩人・ホイットマンを意識した思いがけずインテリな会話があったりと、さまざまなタイプのジョークを視聴者に仕掛ける。底抜けに笑える質の良いコメディ作品だ。

局が移っても独特のユーモラスな雰囲気をキープした点は、Vulture誌も手放しで喜んでいる。キャンセルの危機から救われたものの、NBCへの移籍で別物になってしまうことを心配したという同誌。蓋を開けてみれば、これまで通りの間抜けさ、温かさ、そしてキレの良さをキープしており、視聴者の高い期待に応えるシーズンとなった。

♦笑いあり、感動あり

第2話からは、署内のピエロ役であるヒッチコック(ダーク・ブロッカー)とスカリー(ジョエル・マッキノン・ミラー)による、荘厳なまでに不条理な80年代の回想シーンが炸裂。NBCへの移籍を機に観始めた視聴者ももちろん楽しめる上に、キャラクターの個性やこれまでのシーズンで蓄積されてきたジョークを知っているファンならば輪をかけて爆笑できる、とEntertainment Weekly誌は力説している。

今シーズンも『ブルックリン・ナイン-ナイン』の伝統的なギャグが多く観られるだろう、とVulture誌も質の高いギャグに期待。観ているだけで心が温まるようなチームメンバーの友情をベースに、シリーズ伝統のユーモアを盛り込んだ本作。さらには、旧態然とした業務の進め方が成り立たなくなっている警察組織内部の機微をも描くなど、ジョークと現実味の絶妙なバランス感覚の上に成り立っている。今シーズン、警視総監への出世が見送りとなったレイモンド署長は、波風を立てまいとする旧来のスタイルでは実績をアピールできないことに気づく。警察の革新の必要性を意識した彼の力強いスピーチにも注目したい。

お気楽捜査チームと生真面目署長の贈る『ブルックリン・ナイン-ナイン』シーズン6は、米NBCで放送中。日本ではNetflixにてシーズン1~4までが配信中。『ブルックリン・ナイン-ナイン』視聴記録やユーザーレビュー投稿はこちらより。(海外ドラマNAVI)

<span style="font-size:0.8em;color:#999999;">Photo:アンディ・サムバーグ © Kathy Hutchins / Shutterstock.com</span>

Photo:アンディ・サムバーグ©Kathy Hutchins / Shutterstock.com