王道ファンタジーの世界観を継承しながら、まったく予想がつかないストーリー展開で驚かせてくれる、そんな破天荒なシリーズ『マジシャンズ』。『SUPERNATURAL/スーパーナチュラル』のスタッフが手掛ける本作は、最新となるシーズン4が米Syfyにて1月23日から放送されている。
引きこもり魔術師、全知全能の秘密結社に挑む
青年クエンティン(ジェイソン・ラルフ)は内気で引きこもりがちな性格。しかし、愛読小説に登場するフィロリーという国が魔法界に実在することを知り、そこへ辿り着く。その後、魔法使いを育成するブレイクビルズ大学院で、親友のエリオット(ヘイル・アップルマン)やマーゴ(サマー・ビシル)とともに魔術を学ぶことに。彼らはクエンティンを狙うビーストによる襲撃や、世界から魔法が消滅する危機に晒されながらも、前シーズンでは世界に魔力を蘇らせることに成功していた。
このシーズン4では、「オーダー」と呼ばれる図書館司書たちの秘密結社が、クエンティンたちにいっそう激しい攻撃を仕掛ける。オーダーの狙いは、この世の魔力を封印して宇宙の全知を掌握すること。敵の攻撃を受け、精神を別の肉体に転送されてしまうクエンティンたち。本来の肉体を取り戻してオーダーを倒すべく、新たな戦いが始まる。
『ハリポタ』×『ナルニア』? 破天荒なプロット
シーズン1は、ホグワーツ魔法学校にナルニア国の雰囲気を少し混ぜたような雰囲気でスタートしていた本作。その後、辛口のジョークと感情のうねりが導入され、複雑な味わいのファンタジー大作としての地位を確立した。特にシーズン3は最高の出来だった、と米Hollywood Reporter誌は称賛する。奇妙かつ挑戦的なストーリーを生み続ける『マジシャンズ』だが、自我を持ちほかのボートに乱暴を働こうとする船や、儀式で脚を切断された妖精など、戸惑うようなシーンもある。そうした場面ごとに意味を汲むのは難しく、エピソード単位で大局を捉えるべきだと同誌は勧めている。
ピンボールの球のように勢いのある作品だ、と表現するのは米Vulture誌。その玉はまるで重力を無視しているかのように突き進み、突如開いたワームホールに飲み込まれては何事もなかったかのように別の空間に出現して再び暴れ出す。同誌記者は、荒唐無稽な展開についていけず、一時はシーズン1で視聴を止めてしまったと告白。しかしその後に再び見始めると続く2シーズンを1週間でイッキ見するほどのめり込んだという。
宿敵はまるで『ゲーム・オブ・スローンズ』のあのキャラ?
主役のクエンティンについてVulture誌は、「ハリー・ポッターに飲酒癖を足したような人物」と表現。とはいえ、小説版で終始自信のない様子だった主人公像からは大きく改善しており、愛情のこもった優しい仕草で視聴者を惹きつける。彼と行動をともにするのは、同じ大学院に通う陽気な親友のエリオットと、エリオットの側を離れないマーゴ。魔法学校の指針に沿わない反逆児たちが、フィロリーを守るため司書たちに挑む。
『ゲーム・オブ・スローンズ』のファンならば、宿敵のオーダーに既視感を抱くかもしれない。『GOT』には貴族の助言者役として「メイスター」が登場するが、知識に富んだ彼らは叡智を独占しようとする一面も併せ持っている。Hollywood Reporter誌は、オーダーにも似たような性質があり、彼らこそシリーズ最大の悪役である、と述べている。
あらゆる想像を超えた魔法物語『マジシャンズ』シーズン4は、米Syfyで放送中。日本ではシーズン1~3がHuluで配信中だ。視聴記録を付けたり作品の見どころ、キャストなどをチェックできる海外ドラマNAVIの作品データベースはこちら。(海外ドラマNAVI)
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『マジシャンズ』
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