Amazon Prime Videoで配信中のサスペンスドラマ『ザ・ウィドウ ~真実を求めて~』は、飛行機事故で夫を亡くした妻の物語。生存を信じて勇敢に現地アフリカで調査に乗り出す彼女を通じ、視聴者は思わぬ新事実を目撃し、心地よい混乱の渦に巻き込まれる。
♦︎夫の失踪をめぐる疑惑
ジョージア(ケイト・ベッキンセイル)が夫ウィル(マシュー・レ・ネヴェズ)を空港まで送った日が、二人の長い別れの始まりとなった。コンゴの首都キンシャサに向かう飛行機に搭乗したらしいウィルだが、機体はレーダーから消えてしまう。ジャングルに墜落しており、現地運輸省によると捜索は難航。ニュースが伝える無残な機体の残骸を見る限り、生存者がいる見込みはない。
それから3年。コンゴでの内戦の模様を伝えるニュース映像に、ウィルらしきシャツと帽子を身に付けた者の後ろ姿が映り込む。一瞬の映像を、片時も夫のことを忘れたことのないジョージアは見逃さなかった。人違いだと諭されるも聞かず、彼女はキンシャサに飛ぶ。同じ事故で妻を亡くしたエマニュエル(ジャッキー・イド)の手助けを受け、現地で情報収集を開始。すると、銃を持った男がウィルと思しき男性に同行していたこと、犠牲者の一人が偽名だったこと、さらには事故機の搭乗者名簿に南アフリカの旅客の名が一切ないことなど、不自然な事実が浮かび上がる。進展を喜ぶジョージアだったが、謎の勢力から脅迫めいた襲撃を受けるようになり...。
♦︎秀逸なサスペンス作品
緊迫したストーリーとよく練られたペース配分だ、とNew York Post紙は好感。夫ウィルの発見は一見容易に思われるが、そこから状況は一変。観客はジョージアと同様、乱気流に揉まれる飛行機のように、混乱のただ中に放り込まれる。連続ドラマのなかには一度に手掛かりをばら撒いてしまうシリーズも多いが、本作では鍵となる事実を明かすタイミングが綿密にコントロールされている点で秀逸。最も興味を惹くタイミングで手掛かりが観客に届くよう設計されている。
主人公とともに当惑を覚え、不安定な浮遊感を楽しむことのできる本作。秘密と嘘が織りなす多層構造の迷宮に惹き込まれる、とLos Angeles Times紙は述べている。非常に観ごたえのある作品であり、秀逸な演技や型にはまらないスタイルなど魅力がいっぱい。ジョークやロマンスでお茶を濁さず、サスペンスフルな展開をどっしりと柱に据えた本作は、まるで一本の映画のような出来栄えとなっている。
♦︎勇敢な妻を演じるケイト・ベッキンセイル
調査を進めれば進めるほど矛盾する事実が明るみに出て来るため、ジョージアは混乱の渦に呑み込まれてゆく。元アフリカ兵のベロ(バート・フーシェ)など、彼女の周りには掴みどころのない怪しげな人物の影がちらつく。夫の生存を祈るジョージアは、勇猛果敢に聞き込みと調査を続ける。
ケイトの久々のドラマ出演をLos Angeles Times紙は歓迎。ここ2年ほどはニューヨークでの希望と切なさの新生活を描く『さよなら、僕のマンハッタン』など、映画作品を中心に活動していた。本作では度重なる警告にもめげず真相を追う、勇敢な妻を熱演している。
ドラマ復帰のケイトが心地よい混乱の渦へと誘う『ザ・ウィドウ ~真実を求めて~』は、Amazon Prime Videoで配信中。(海外ドラマNAVI)
Photo:
Prime Original 『ザ・ウィドウ ~真実を求めて~』