血の海に染まった校舎内で、ほぼ無傷で唯一生き残った少女。混乱し立ちすくむ彼女に、警察は殺人の容疑をかける。4月上旬から配信が始まったNetflixオリジナルシリーズ『クイックサンド: 罪の感触』は、ショッキングな描写を含む話題作。あまりのリアルさに、実在の事件をベースにしているのではとの憶測すら生んでいる。
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惨殺現場から保護された少女
富裕層が暮らすスウェーデンのストックホルム校外の高校で銃乱射事件が発生。絶命した同級生たちの血にまみれながらも、18歳の少女・マヤ(ハンナ・アーディアン)はほぼ無傷で生き延びる。校内へ突入した警察と救命士たちに保護されると、ショック状態のまま警察署へ。担当のニルソン刑事(レベッカ・ヘムセ)は困惑するマヤに対し、殺人の容疑を告げる。
独房での監禁生活が始まったマヤの脳裏に、恋人のセバスチャン(フェリックス・サンドマン)と家族ぐるみで過ごした南仏でのバカンスがよぎる。幸せ一杯だった当時と比べ、いまや両親との面会すら禁じられ、不安と恐怖のどん底に。弁護士のサンダー(ダーヴィッド・デンシック)による主張も虚しく、裁判所は検察側からの無期限の拘留請求を認める裁定を下す。まったくの濡れ衣のようにも見えるマヤだが、実は高校に銃声が轟く直前、恋人のセバスチャンと取っていた怪しげな行動が判明し...。
刺激の強い描写に、実在事件との憶測も?
4月5日(金)から配信が始まった本作は、インターネット上で早くも話題沸騰。原作は2016年に北欧犯罪小説大賞を受賞した、マリン・ペルソン・ジオリトのベストセラー小説「Quicksand」を原作としているが、その内容があまりにもリアルなことから、現実の銃乱射事件に着想を得ているのではと思わされるほど。
オープニングは、息絶えた無数の生徒たちの遺体が映し出され、次いで血まみれで呆然と立ち尽くす主人公マヤに迫るというショッキングな構成。ぞっとするようなショットと米Deciderは表現している。
アメリカで相次ぐ銃乱射事件との関連を指摘するのは米Insiderも同様だ。現実世界で後を絶たないショッキングな乱射事件だが、ドラマの展開次第ではこうした事件への向き合い方を社会に教えてくれるのでは、と期待を寄せている。
一見無関係な回想シーンだが...
衝撃的なオープニングが過ぎると流血シーンは鳴りを潜め、裁判を通じた真相究明にストーリーの主眼がシフトする。独房で孤独に過ごす時間や、ニルソン刑事による尋問中など、折に触れてマヤは恋人セバスチャンと過ごした日々を回想する。豪華なヨット上で二人きりで過ごした時間など、贅沢な南仏旅行へのフラッシュバックに多くの時間を割いているのは予想外だとDeciderは述べているが、ストーリーの背景を理解する重要なヒントはこうした豊富な回想シーンの中に潜んでいるのだ。
原作小説を紐解きながら、米Bustleは物語の骨子を紹介。小説版ではマヤが何らかの形で事件に関与していることが早い段階で示唆されており、具体的に何を行ったかという点と、その動機とに読者の関心が移ってゆく趣向だ。ドラマ版でもフラッシュバックシーンにマヤの心情の変化を読み解くヒントが隠されており、ドキュメンタリーを思わせる描写はついつい物語に引き込まれてしまう。
事件当日の様子が明らかになった時、マヤとセバスチャン、そして彼の崩壊している家族との隠された関係も明るみに出る――。リアルな描写が話題の『クイックサンド: 罪の感触』は、Netflixで独占配信中。(海外ドラマNAVI)
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Netflixオリジナルシリーズ『クイックサンド: 罪の感触』