イヴとは誰を指す?『キリング・イヴ』エンディングは決まっていない

ヨーロッパ各地を舞台に、英国諜報機関MI6の諜報員とサイコパス暗殺者という女性二人の攻防を描くブラックユーモアを盛り込んだ犯罪サスペンスドラマ『キリング・イヴ/Killing Eve』。BBCアメリカでシーズン2が放送開始された4月7日の翌日には早くもシーズン3の製作が発表された大ヒット作だが、クリエイターは「まだエンディグは決まっていない」と語った。米Hollywood Reporterなどが報じている。

同作のプロデューサーであるサリー・ウッドワード・ジェントルは、現地時間5月14日(火)にロンドンで行われたイベントで、どのように幕を閉じるのかは決まっていないと発言した。「本当に決まっていないのよ。サンドラ・オー(『グレイズ・アナトミー』)が演じる主人公イヴは、タイトル通りに殺されるのかはわからないわ。『キリング・イヴ』の"イヴ"は、(アダムとイヴから)女性全員を指し示す名前でもあるから、どの"イヴ"を意味しているのかは誰も知らないことなのよ」と明かした。

同作は、ルーク・ジェニングスによる小説を原作とした8話構成のスパイドラマ。MI6に所属するイヴ(サンドラ)が、雇われ暗殺者ヴィラネル(ジョディ・カマー)による一連の殺人事件を追うサスペンス。強烈な個性を放つ二人の女性キャラクターと、ジャンルの伝統を踏襲しつつも急激な変化球を織り交ぜた予測不能のプロットを武器に、2018年の放送直後から大ヒットとなり英国アカデミー賞で3つの部門に輝いた作品だ。サンドラはこのイヴ役でエミー賞にノミネートされ、ゴールデン・グローブ賞と全米映画俳優組合賞のTVドラマ部門で最優秀主演女優賞を受賞している。

通常のドラマとは違って、シーズンごとにショーランナーが交代するという同作。クリエイターで、シーズン1のショーランナーを務めたフィービー・ウォーラー=ブリッジは、シーズン2でエメラルド・フェネルにバトンタッチした時の心情を次のように述べた。「とてもつらかったわ。だって、家族のような人たちとプロジェクトから身を引かなくてはいけないのだから。でもまだ作品には関わっているのよ。フェネルが引き継いでやってくれる姿はとてもクールだったわ。次の人に任せてその人の新しいアイデアを作品に吹き込むことはとても素敵に思えるわ。その方が、物事がいい方向に進むと思う」

またシーズン2が終わった後、『フィアー・ザ・ウォーキング・デッド』でエピソードの脚本を担当したスザンヌ・ヒースコートが、シーズン3のショーランナーと脚本チームのリーダーとなる。

クリエイターのウォーラー=ブリッジは「この作品をいつも新鮮なものにしておきたいの。毎シーズン、イヴとヴィラネルのイタチごっこを描き続けていくわけにはいかないと思っている。だから、毎回何かびっくりするようことをして作品をリフレッシュさせたいと思うの。でも本当にこの先どうなるのかは見えていないのよ。それに原作者のルークは、TV版が始まった時、3、4冊しか書いていなかった。だから彼の執筆よりも早くTV版が進んでしまったの。ルークが今後どうする予定だったかなども、少しは聞いたわ。でも、もう今はTV版と原作は違うものになっている。原作ではヴィラネルはもっとたくさんセックスするけど、TVではそういうシーンはほとんどないわ。それくらい違うのよ。」と述べた。

英国のBBC iPlayerオンデマンドで最もリクエストが多かった本作。その数は今までに4900万人にも及ぶ。BBCでは、「Obsessed With...Killing Eve(『キリング・イヴ』に夢中)」というポッドキャストまであるほどだ。今後の展開もますます気になる『キリング・イヴ/Killing Eve』の見どころやレビューは、海外ドラマNAVI作品データベースをチェック!(海外ドラマNAVI)

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『キリング・イヴ/Killing Eve』
(c) Nick Briggs/BBCAmerica