「万引き依存症」の少女3人が紡ぐ友情...Netflix『トリンケット~小さな宝物~』

ディズニー・チャンネルのドラマ『恋のからさわぎ』や、映画『キューティ・ブロンド』『男と女の不都合な真実』などの脚本を手掛けたキルステン・スミス。彼女の同名小説を映像化したNetflixオリジナル作品『トリンケット~小さな宝物~』が、6月中旬から配信されている。

3人の主人公に扮するのは、『デッドプール』シリーズでクールな女性ミュータント、ネガソニック・ティーンエイジ・ウォーヘッドを演じたブリアナ・ヒルデブランドと、Facebook Watchで配信中の話題作『Sacred Lies(原題)』や『THE FLASH/フラッシュ』に出演するキアナ・マデイラ、そしてゼンデイヤが主演するティーンのドラッグと心の闇に迫る米HBO製作の衝撃作『Euphoria(原題)』に出演するクインテッサ・スウィンデル。これからのハリウッドを担っていく若手女優3人が、大人になりかけの少女たちの悩みや喜びを瑞々しく演じている。

まったく個性の異なる3人の共通点は万引き!

転校生で、学校ではちょっと浮いているエロディー(ブリアナ)。アウトローに見せかけてずば抜けて勉強ができるモウ(キアナ)。そして、スクールカーストの一軍に君臨するタバサ(クインテッサ)。付き合う仲間も生活環境もまったく異なるこの3人の女子高生を繋ぐものは「万引き依存症者の会」。最初は同じ学校に通っていることも隠したがるような彼女たちだったが、ミーティングに通ううちに不思議な友情が芽生えていく。

ヤングアダルト小説の醍醐味がぎゅっと詰まったエピソード

ヤングアダルト小説を原作としたドラマや映画にはかなりの確率でメガヒットの作品が生まれるが、この『トリンケット』もヤングアダルト小説が原作の話題作だ。

同作について、米Vultureは心地よいまでに「完全なるティーンドラマ」であると書く。主人公3人のまわりではさまざまなできごとが起きるが、それらの結末は、ストーリーの進行とともに流されていき、視聴者は結末を知ることはできない。しかし、「このドラマでもっとも大切なことは彼らの友情であり、途中の矛盾やプロット上の穴などは、大きなチェーン店から万引きされた安物のイヤリングようなものだ」とVultureが例えるように、それほどまでにメインテーマが魅力的なのだ。

「ほかのヤングアダルト小説を原作とした作品よりも"頭一つ抜けている"」と米Screen Rantも『トリンケット』に対する評価は高い。同メディアが特に注目するのは、3人の若い女優たち。作品中の3人のキャラクターは女優たちの瑞々しい演技によって息を吹き込まれることで、よりいっそう信憑性が高く、面白いものになっていると述べる。「見る価値のあるヤングアダルト作品である」と称賛する。

『トリンケット』は、現実的な突っ込みや論理的な批判は入れず、ティーンという難しい年ごろだからこそ感じる痛みや喜び、学校生活と友情、本当の自分を見つけようともがく若い情熱などを描く。ヤングアダルト小説の醍醐味を味わい、そしてそれに流されながら楽しんで欲しい作品だ。

Netflixオリジナルシリーズ『トリンケット~小さな宝物~』シーズン1全10話は現在配信中。作品見どころやレビューは海外ドラマNAVI作品データベースをチェック!(海外ドラマNAVI)

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Netflix『トリンケット~小さな宝物~』(c)Allyson Riggs/Netflix