ディズニーやNetflixによる『ゲーム・オブ・スローンズ』クリエイター争奪戦、その勝者が決定

世界中で大ヒットとなり、本年度のエミー賞で史上最多の32ノミネートを果たしている米HBOの大河ファンタジー『ゲーム・オブ・スローンズ』のクリエイター、デヴィッド・ベニオフとD・B・ワイスの二人。彼らをめぐる争奪戦が大手プラットフォーム6社により繰り広げられていたが、その勝者が決定した。米Varietyをはじめ複数のメディアが報じている。

一躍ヒットメイカーとなったベニオフ&ワイスとの契約を勝ち取ったのはNetflix。もともとはAmazon、ディズニー、Apple、Netflix、Comcast、HBO/WarnerMediaという大手6社が競い合っていたが、しばらくするとNetflixとAmazon、ディズニーの3社による争いとなり、最後に笑ったのがNetflixだった。契約年数や契約金といった詳細は明かされていないが、米Deadlineは5年契約で3憶ドル(約318億円)相当だと伝えている。

Netflixで独占的に新作ドラマシリーズと映画の脚本・製作・監督を務めるという複数年にわたる契約を結んだベニオフとワイスは、次のような声明を発表した。「私たちは10年以上にわたりHBOで素晴らしい経験をしてきました。心休まる場所を提供してくれたすべての人に感謝しています。ここ数カ月、何時間にもわたり(Netflix重役の)シンディ・ホランド、ピーター・フリードランダー、テッド・サランドス、スコット・ステューバーと話し合いをしてきました。私たちは1980年代の同じ映画の同じシーンを覚えていて、同じ小説に夢中になりました。そして今、類似したストーリーを物語ることができる可能性にワクワクしています。Netflixは前例がないような素晴らしいものを築いてきました。彼らの一員として迎えられたことを光栄です」とコメント。どうやら、重役陣と好みが同じで意気投合したことが決断する上での決め手になったようだ。

2017年よりクリエイターと独占契約を結ぶようになったNetflixは、米ABCで『グレイズ・アナトミー』『スキャンダル 託された秘密』をはじめとする大ヒットドラマを生み出してきたションダ・ライムズ、米FOXで『Glee/グリー』『アメリカン・ホラー・ストーリー』といった作品のクリエイターを務めたライアン・マーフィーのような大物も獲得していた。今回ベニオフとワイスも囲い込むことに成功したことで、さらに力を伸ばしていきそうだ。

現在、似たような争奪戦が行われているのは、『LOST』『スター・ウォーズ』『スター・トレック』『ミッション:インポッシブル』などと次々にヒット作を手掛けるJ・J・エイブラムス。彼に関しては、WarnerMediaかAppleが契約にこぎ着けそうだとVarietyが6月に伝えている。

『ゲーム・オブ・スローンズ』が終了した今、ベニオフとワイスが新たにどんな作品をNetflixで生み出してくれるのか、今後の動向にも注目していきたい。(海外ドラマNAVI)

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『ゲーム・オブ・スローンズ』の鉄の玉座
デヴィッド・ベニオフ(左)とカール・ドロゴ役のジェイソン・モモア
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