『オーファン・ブラック』タチアナ・マズラニー、復活版は考えるまでもないことだった

クローン人間として生まれた女性たちを中心に物語が展開するサスペンス・ドラマ『オーファン・ブラック 暴走遺伝子』。本作の続編がTVドラマではなく、デジタル小説で描かれることは以前お伝えした通りだが、その続編について主演のタチアナ・マズラニーが思いを語った。米Entertainment Weeklyが報じている。

オリジナルのTVシリーズを手掛けた製作会社Temple Street Productionsがデジタル出版のSerial Boxと契約し、クローンたちのその後を描く『Orphan Black: The Next Chapter(原題)』を製作。9月12日(木)より全10話のオーディオブックとデジタル小説がSerial Boxにて毎週配信される。全話購入は早割で9.99ドル(約1100円)、通常価格で12.99ドル(約1400円)となる。

『オーファン・ブラック』は、2013年から5シーズンにわたり加SPACEと米BBC Americaで放送され、自分がクローンの一人であることを悟ったサラを中心に、複雑な陰謀が徐々に解き明かされていく。主人公サラをはじめ、10以上ものクローンというキャラクターを演じ分けたタチアナは、その演技力で2016年のエミー賞でドラマ・シリーズ部門主演女優賞に輝いた。

シーズン5の最終回から8年後の世界を舞台にした続編に、TVドラマ終了から約2年ぶりに声でのカムバックを果たしたタチアナは、次のように思いを語った。「(TVドラマの)最終話では、未解決の部分もありました。ですので、続編でその部分をより掘り下げていくのは楽しいですね。ファンが驚くような内容にしているつもりです。なぜなら続編はファンのために製作されたものなのですから」

また、一度終えた役に戻ることをためらう役者もいるがと問われ、「あの世界がもっと広がることにワクワクしました。ですので、同じ役をやるかどうかは私にとっては悩むまでもないことでした。脚本家が非常に優秀なので、そんな人たちとまた仕事ができることが嬉しいです。科学者やテクノロジー関係者に話を聞いて、リサーチしながら書いているストーリーなので、きちんと事実に基づいている部分も多いのです」と語った。

この続編に内容については、「それぞれが人生を満喫しようとしています。ですが、クローンであることは隠さねばなりません。まだ他にもクローンがいるのか―。レイチェルのリストはどうなったのか―。いろいろありますが、私にとってはキラとシャーロットが気になります。二人はクローンではないですからね。それに外見もきっと変わっているはずです」と述べた。

声だけでの演技について、「声優は昔から尊敬しています。アニメ『フューチュラマ』シリーズのビリー・ウェストが大好きなんです。声優という仕事は素晴らしい芸術ですが、あまり評価されていない気がします。今回のような声での演技では、スキルが必要です。想像力を働かせ、声の表現や息遣いなどがわかるようにしています」とその大変さも語った。

今回発表された『The Next Chapter』とは別に、米AMCで『オーファン・ブラック』と同じ世界を舞台にした全く新しい物語の企画が進行中だとも言われており、まだまだあの世界は終わりを迎えていないようだ。『オーファン・ブラック 暴走遺伝子』は、現在Netflixで全シーズン配信中。(海外ドラマNAVI)

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『オーファン・ブラック 暴走遺伝子』
(c) Ken Woroner/BBC AMERICA