大ヒットドラマ『LOST』やスパイドラマ『エイリアス』のクリエイターを務めて名を上げ、リブート版映画『スター・トレック』や『スター・ウォーズ』といった大人気シリーズでもメガホンを取っているハリウッドきってのヒットメイカー、J・J・エイブラムス。次々にヒット作を生み出す彼が率いる製作会社「Bad Robot」が、WarnerMediaと大規模な契約を結んだことが明らかとなった。
エイブラムスはTVシリーズや映画、ゲーム、デジタルコンテンツを製作する大規模な契約を結んだ。各社参加の熾烈な争奪戦が繰り広げられる中、6月時点でWarnerMediaかAppleが契約にこぎ着けそうだと報じられていたが、『FRINGE/フリンジ』『パーソン・オブ・インタレスト』といった彼プロデュースのドラマをワーナー・ブラザースが手掛けていたことも今回の締結に繋がったようだ。WarnerMediaとBad Robotの契約は2024年まで。詳細は明かされていないが、米Deadlineは契約金が5億ドル(約540億円)に達する可能性があると報じている。
Bad Robotは、WarnerMediaの放送局とベーシック&プレミアム・ケーブル局、2020年春にサービスが開始される新配信サービス「HBO Max」といった様々なプラットフォームで、ドラマやコメディ、イベントシリーズをはじめとするTV番組をプロデュースすることになる。
WarnerMediaと大規模な契約を結んだBad Robotだが、11月1日(金)に開始されるAppleの新配信サービス「Apple TV+」で製作中のドラマシリーズ2本(これらもワーナー・ブラザースが関わっている)を含め、その他のプラットフォームで進行中のプロジェクトにも継続して関わるとのこと。また、Bad RobotはWarnerMediaの映画部門でオリジナル映画も製作する予定だが、ワーナーはエイブラムスが手掛けるパラマウント製作の『スター・トレック』シリーズの新作と、ディズニー傘下で続いている『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』への関与も尊重しているという。
エイブラムスは2019年後半から2021年にかけて、『スター・トレック』シリーズをはじめ映画やドラマの新作が15本も待機中だ。
近年、人気クリエイターと大型契約を結ぶ動きが目立っており、NetflixがABCからションダ・ライムズ(『グレイズ・アナトミー』『スキャンダル 託された秘密』)を、FOXからライアン・マーフィー(『Glee/グリー』『アメリカン・ホラー・ストーリー』)を、さらにHBOからデヴィッド・ベニオフ&D・B・ワイス(『ゲーム・オブ・スローンズ』)を獲得。一方で、ディック・ウルフ(『LAW & ORDER』『シカゴ・ファイア』)はNBCUniversalと、ロバート&ミシェル・キング(『グッド・ワイフ』)はCBSと、グレッグ・バーランティ(『ARROW』『YOU ―君がすべて―』)はワーナー・ブラザースとの契約をそれぞれ大幅に更新している。残された最後の大物エイブラムスも契約を結んだことで各社による争奪戦はひとまず終わったと言えるが、今後は各自がどんなコンテンツを生み出すかという新たな競争が始まることになるだろう。(海外ドラマNAVI)
Photo:
J・J・エイブラムス
(C)AVTA/FAMOUS