『LOST』のジョン・ロックも出演!壮大なスケールの超常現象ミステリー『Emergence』

静かな町を襲った突然の停電。その日から不可解な現象が周辺で起こるようになり...。9月下旬から米ABCで放送が始まった『Emergence(原題)』は、謎の少女に興味を引かれる超常現象ミステリー。飛行機の墜落事故に端を発する超常現象の数々という設定のほか、『LOST』のジョン・ロック役で知られるテリー・オクィンも出演するとあって、同作を想起させる作品になっている。

記憶を失くした少女

ニューヨーク州郊外の平和な町で、夜中に突然の停電が発生する。飛行機の墜落事故が原因との報を受けて、地元警察の長を務めるジョー(『FARGO/ファーゴ』のアリソン・トルマン)は現場である海岸へ急行。到着した彼女が発見したのは、海岸の隅で怯える一人の少女(『ビリオンズ』のアレクサ・スウィントン)だった。事故で記憶を失くしたらしい彼女を放っておけないジョーは、保護して自宅へ連れて帰ることに。

少女はどこから来たのかも、自分の名前が何なのかも思い出すことができない。ジョーは同居している元消防士の父(『ショーシャンクの空に』のクランシー・ブラウン)や娘(『ジーサンズ はじめての強盗』のアシュリー・アウフダーハイデ)とともに優しく接するが、やがて一家の周囲では奇妙な出来事が頻発するようになる。少女に不思議な能力が備わっていること、そして墜落事故には予想外の真相が隠されていたことが徐々に判明していく中、少女を狙う一味がジョーの勤める警察署に現れ...。

『LOST』系統の作品として合格点!

大ヒットドラマ『LOST』以降、類似のミステリードラマが多く製作されてきたが、その出来は玉石混交と言わざるを得ない。そんな中、満を持してスタートしたのがこの『Emergence』だ。『LOST』と同じABCが贈る本シリーズは、壮大なスケールで描かれる超越的な現象を中核に、謎と陰謀が渦巻いている。作品にみなぎる緊迫感と日常世界を超越した興味深い事象の数々に、米Variety誌は満足しているようで、大きな期待を寄せている。

神秘的な現象を中核にした本作について、米Hollywood Reporter誌も『LOST』の系統の作品だと形容。同種のドラマは多く作られてきたが、『Emergence』はこうした作品の平均点を大きく上回ると評価している。ムードたっぷりでミステリアスなテーマもしっかりと存在している上に、魅力あるキャストが揃っていると述べる。

人間的な魅力がたっぷり

主演のアリソンが挑む役どころは、優しく、そしてプロ意識に満ちた警察長。ドラマ版『FARGO』でも警察署の副署長を演じていた彼女にはお手のものだろう。温かさと賢明な判断力を持ち合わせたキャラクターになっているとVariety誌は紹介。次々と起こる不可思議な出来事にスマートに対処する彼女の姿は、ミステリーと考察の世界に視聴者を引き込んでくれる。

アリソン演じるジョーに対してはHollywood Reporter誌も親しみを抱いた模様で、職場で愛され、尊敬される人物だと紹介している。さらに同誌は、ジョーのドラマチックな家庭環境もドラマを魅力的にする要素の一つと見ている。離婚したがまだジョーへの愛情を捨てきれない元夫、癌と闘いながらも愛情深いジョーの父親、そして突然出現した妹分を健気に受け入れる娘と、ヒューマンドラマとしても見どころがたっぷりだ。

ジョーの温かな人柄に引き込まれる『Emergence』は、米ABCで放送中。アリソン出演のドラマ版『FARGO/ファーゴ』はAmazon Prime Video、Netflix、Huluで配信中だ。(海外ドラマNAVI)

Photo:『Emergence』 (C)ABC Studios